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肉から卵、フォアグラ、キャビアまで進化する代替食、どこまで美味しくなったのか?

2023.07.28

健康志向やアニマルウェルフェアなどの観点から、世界中で注目されている代替食品。ソイミートなど、すでに広く知られている食品から、キャビアやフォアグラといった高級食品まで販売されている。途上国の経済発展と共に、たんぱく質不足や環境問題解決の切り札として植物由来の代替食品が開発されているが、見た目や味はどれほど本物に近づいているのだろうか。代替食を実食してみた。

ふわとろでまるでスクランブルエッグ

2foods エバーエッグ 1袋130g 5個セット 2,400円(消費税込み※2foodsオンラインショップ価格)

あらゆる植物由来の原材料の組み合わせと最先端のフードテクノロジーを掛け合わせることで、やみつきになるおいしさのプラントベースフードを開発している「2foods」。プラントベースフードは我慢や代替ではなく、唯一無二の食体験を提供できるようにと食品開発を行っている。

『エバーエッグ』は、卵の“ふわとろ”の食感を実現するために、たんぱく質を含む食品をプラントベースで実現する際に原材料として使用されることが多い大豆は使わず、にんじんや白いんげん豆を使用し、独自技術「野菜半熟化製法」で作られている。この技術は、カゴメとの共同開発で国内特許出願中だ。

冷凍タイプは、電子レンジ、もしくは湯煎で解凍する。

冷凍と常温タイプがあり、湯煎やレンチンして、お皿に盛り付けるだけの簡単調理だ。筆者は、レンジ600Wで2分30秒温めた。湯煎の場合は、約5分温める。

レストランのふわとろスクランブルエッグのよう。

アレンジも可能だが、まずは温めて、そのままお皿に。見た目は、ホテルの朝食のスクランブルエッグのような絶妙な半熟加減で、ふわとろの食感だ。味付けなしの場合、コクが物足りない気もしたが、塩をふりかけたり、ケチャップをかけたりすると、言われなければ卵と思って食べるかも、というレベルだった。

コレステロールゼロのため、健康を気にしている人も、おいしく食べられる。今回は、冷凍タイプを食べたが、常温タイプもあり、保存も1年間可能で、手軽で便利だ。

繊維のほどけ方がチキンそのものだったプラントベースのナゲット

2foods エバーチキンナゲット 1袋500g 1,980円(消費税込み※2foodsオンラインショップ価格)

チキン特有の弾力のある食感や繊維感にこだわったという「2foods」の『エバーチキンナゲット』は、見た目は、大手ファストフードチェーンのナゲットにそっくりだ。

さまざまなソイミートから適切なものを選択し、下処理の仕方や調味料との組み合わせを、数百回の試作と調整を繰り返し、ようやく商品化にいたったという。このエバーチキンナゲットは、プラントベースのソイミートであるとは思えない食感がある。これは、独自技術で、現在国内特許出願中だ。

冷凍タイプで食べやすいサイズ感。

冷凍状態でもすぐに食べられそうに見える衣は、小麦粉や卵を使わず、細かく砕いたコーンフレークを使用したグルテンフリーだ。

おすすめは、電子レンジとオーブントースターの2段階で。

冷凍のまま電子レンジ+オーブントースター、もしくは、オーブントースターのみの手軽さ。筆者は、おすすめの方法である2段階で焼いてみた。5個の場合、600Wで50秒、その後、オーブントースターで4分加熱した。見た目に大きな変化はないが、断面は、チキンそのもの。衣が香ばしくてサクサク、中は繊維のほどけ方がまさにチキン。独自ブレンドというスパイスもきいていて、言われなければプラントベースであることに気づく人がいないのではないか。食物繊維が含まれ、コレステロールもゼロなど、ヘルシーで小腹がすいたときに、つい手が伸びてしまいそうなおいしさだった。

カリっともっちり食感のP肉餃子

Oisix プラントベースのカリもち!餃子 10個入り 538円(消費税込み)

「オイシックス・ラ・大地」では、サステナブルリテール実現のため開発したプラントベースミートの「P肉(ぴーにく)」を使用したお惣菜シリーズを2022年12月から展開している。

P肉とは、牛肉・豚肉・鶏肉などと同じようにおいしく、これからの食卓を守るために開発されたプラントベースミートだ。肉と同じように加熱して使用するミンチタイプで、動物性原材料一切不使用の大豆が主原料。本物の肉の食感を目指したという。今回は、ミンチのままではなく、すでに調理された『プラントベースのカリもち!餃子』を食べてみた。

一般的な餃子と焼き方は変わらず。

熱したフライパンに餃子を並べ、約100㏄の水(または湯)を入れ、蓋をして、強火で水がなくなるまで蒸し焼きにする。焼き方は、肉餃子と同じだ。水がなくなったら、少量の油をかけ、底がきつね色になればできあがりだ。

見た目ではP肉であるとはわからない。

しっかりした弾力で、こちらも言われなければ気がつかないレベル。肉汁のじゅわ~っとした感じが好みの場合は物足りなさを感じるかもしれないが、野菜多めで作る餃子の食感に近いと感じた。

味もよく、暑い日はこちらの方が食べやすく、筆者としては好みだった。カレーやパクチーといったフレーバータイプなら、よりプラントベースとは気づかないかもしれない。

岩手発プロジェクトから誕生した植物性キャビア

Dr.Foods 植物性キャビア 瓶瓶詰35g 3,080円(消費税込み)発売日未定。

培養肉、微細藻類、遺伝子組み換え大豆の研究、代替肉の研究開発、代替肉商品の企画・製造、通販事業を手掛ける「Dr. Foods」が、岩手県に拠点を設けるマーマフーズとの共同開発に成功したのが、『植物性キャビア』だ。海藻をもとに新しい特産品を作りたいと考えていたときに着目したのが代替魚卵だったという。

『植物性キャビア』は、主に海藻の抽出成分をはじめとした多糖類を原料とし、独自の技術で油脂を内包させ、人工いくらのように凝固液のプールに滴下して作られる。油脂を多く内包し、高級感となめらかな口当たりの両立を独自の技術により実現したという。キャビアなど、一級の食材を日頃から用いる鮨の名店「麻布十番 秦野よしき」の大将からも、味と食感のクオリティのお墨付きを得ている。

色は黒のような深い緑色。

キャビアの粒は、少し小さく感じた。色は、海藻の色だろうか、よくみると緑がかっているように見える。キャビア自体、真っ黒ではないため、横に置いて比べてみないと気づかないかもしれない。

つぶつぶ食感は本物そのもの。

キャビアを食べ慣れているわけではなく、スプーンで贅沢に食べる機会も少ない筆者としては、もうこれはキャビア。高級食材のため、レストランなど業務用として販売されるのも納得だ。

世界初の植物性培養フォアグラ

Dr.Foods ヴィーガンフォアグラ 現在業務用のみ販売。

フランス料理などで使われる高級食材のフォアグラは、強制給餌を行いガチョウやアヒルを育てることから動物に負荷を与えない植物性で再現しようと考えて開発されている。

「Dr. Foods」が、2022年7月に発表した『ヴィーガンフォアグラ』は、カシューナッツを麹によって特定温度で発酵し、それを再度、特定の温度によって発酵させたものが原料になっている。瓶詰めタイプとパテタイプがあり、今回はパテタイプを食べてみた。

本物のフォアグラと違い、形がきれいに整えられている。

見た目は、正方形にきれいに整えられ高野豆腐に似ているようにも見えた。焼いてみると、想像以上にじゅわじゅわと油が出てきた。

味は、見た目以上にフォアグラ。

多少焼きすぎたかもしれないと思いながら切ってみた。断面は、油分がじんわりと流れ出し、植物性という感じはない。食感は、ちょっと柔らかいかもと思ったが、味はまさにフォアグラ。これが植物性なのかと食べてみて驚いた。

フォアグラは、普段食べ慣れないものだけに開発に苦労し、最初の試食では、どうなることかと思ったほど別物だったらしい。そこから1年半で完成したヴィーガンフォアグラは、植物性キャビアと共に、9月から全国28か所の結婚式場でコースメニューに採用されることが決まっている。

コレステロール98%オフの植物油脂でできたシュレッドチーズ

スティリーノ コレステロール98%オフ ヘルシーシュレッド 300g 484円(消費税込み)

プラントベースフードのリーディングカンパニーである「マリンフード」が、2007年に開発したチーズ代替素材が、スティリーノだ。チーズの主成分である乳脂肪の代わりに植物油脂が使われ、通常のナチュラルチーズと比較して、コレステロールが大幅にカットされている。ヘルシー食材としても注目されている。今回は、アレンジしやすいシュレッドタイプのチーズを選んだ。

見た目は、通常のシュレッドチーズと変わりない。

色が、わずかに白っぽいかもしれないと感じる以外、通常のシュレッドチーズと変わりがないように見える。

チーズの伸びは少なめだが、焦げ目はチーズそのもの。

バゲットにのせて、トースターで焼いてみた。焦げ目がついたところで、バゲットを割ってみたら、少し伸びた。糸状には伸びなかったが、味は、チーズそのものだ。コクは、少なめのチーズで胃もたれしにくいのではないかと思う。低コレステロールのチーズとして選びたくなる。

代替ではなく、新ジャンルとして進化

代替食品として研究開発が進んでいるが、どれも本物と変わらないレベルの味や食感が再現されている。しかも、植物性ということで、ベジタリアンや食物アレルギーのある人など、より多くの人がおいしく食べられ、ヘルシーだ。しかも、地球環境にもやさしいとなると、代替ということではなく、新ジャンルの食品として今後進化するのではないだろうか。

取材・文/林ゆり

取材協力
・2foods  https://2foods.jp/
・オイシックス・ラ・大地 https://www.oisix.com/shop.g6–sustainable_market–top__html.htm
・Dr. FOODS https://dr-foods.net/
・マリンフード https://www.marinfood.co.jp/lp/styrino/

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