先日、SNSをざわつかせた香水がある。
映画館でおなじみ、映画盗撮防止キャンペーン「NO MORE映画泥棒」をイメージした香水だ。映画泥棒と香水を掛け合わせるという斬新な発想もそうだが、それ以上に話題だったのが”攻めすぎた説明文”。
まるで罪を犯した「カメラ男」を更生させるべく、厳しくも優しいメッセージを贈るような、愛溢れる説明文だ。もはやラブレターと言ってもいいかもしれない。
キャラに寄り添い、キャラになりきるぐらいの勢いで香水を生み出したのは、香水の輸入販売を手がけるフェアリーテイル株式会社。HPを見ると名だたるアニメのイメージ香水を多数販売している。
中にはこんな香水も。まずは説明文から。
そう、これはウルトラセブンの香水、
この会社は「好き」を形にすることを目指し、それを実践する会社らしい。これはだいぶ気になる。そこで今回、フェアリーテイル株式会社の押(オサエ)さんに話を聞いた。
キャラ香水誕生のきっかけは代表が大好きだった推しの存在
–アニメや特撮ヒーローのキャラ香水を作ろうと思ったきっかけを教えてください
「2010年頃から香水市場が落ち込み、弊社では一旦香水の製造販売を縮小していた時期がありました。それでもなんとかしようと、ヨーロッパの香水ブランドの日本代理店として香水を販売したんですが、なかなか振るわず・・」
「そんな厳しい状況もあり、香水ビジネスを止めようかと考えていた2018年、好きなアニメのコラボ香水を作り、最後の逸品に今まで培ってきたノウハウの全てを注ぎ込もうと思ったんです。その時作ったのは、アニメ「魔神英雄伝ワタル」の香水でした」
「それが想像以上に多くのファンの方々に喜んで頂けたんです。そこから、キャラ香水を作り続けていこうと思いました。『ワタル』は初めて観たアニメ、初めておもちゃを買ったアニメ、初めてサントラを買ったアニメだったので本当にワタルに感謝です」
–キャラ香水はどのようにして香りを決めているのでしょうか?
「キャラクターのイメージを考えた上で、それに合う香りを選んだり、イチから調香することもあります。基本はフランス・グラースの某香料メーカーの調香師にイメージを伝えて作ってもらっています」
–イメージを香りにするのが一番大変だったキャラクターは?
「シティーハンターの香水があるんですが、作者の北条先生に『主人公は香水を使わない』と言われ、作品の世界観の香りを選定して作った時ですかね。作品の香りを生み出すまでは苦労しました」
その結果、完成した香水がコチラ!
説明文には『ロータスやシクラメン、ローズが清らかな水の流れのような香りにブレンドされたちょっとセクシーな「マリンノート」に仕上がっています。トップからミドルは安らぎを与えてくれる香りで、ラストでは優しさ、穏やかさが加わったロマンティクな香りに変化します。まるで冴羽獠の優しさに包まれているよう』と記されている。