夏の暑さが本格化した今日この頃。この時期、エアコンをガンガンかけて自宅の電気代が高くなりがちだが、そうならないために、節電を心掛けている人はいったい、どれくらいいるのだろうか?
積水ハウスはこのほど、全国の20~60代の男女を対象に「暑さ対策における節電調査」を実施した。ここでは調査結果の一部を抜粋し紹介する。
アフターコロナの夏、「外出(屋外)したい派」が昨年より20ポイント増。理由には「電気代」の声も
2023年の夏(以降、今年の夏)は、2023年5月より新型コロナウイルス感染症が5類感染症へ移行したことを受け、コロナ禍後の外出制限が求められなくなったこともあり、日中の過ごし方の意向で「外出(屋外)したい派」は54.7%となった。これは、昨年の夏(2022年に実施した「住まいにおける夏の快適性に関する調査」*1より)と比較し20ポイント以上増えた。また、コロナ禍前の意向と比較しても20ポイント近く増える結果となった。
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積水ハウス株式会社 住生活研究所「暑さ対策における節電調査 (2023年)」/*1 積水ハウス株式会社 住生活研究所「住まいにおける夏の快適性に関する調査(2022年)」
「外出(屋外及び屋内)したい派」の理由としては、「外出による楽しみ」「運動不足対策」などが多く挙がったが、「家計(光熱費)の節約」や「自宅の電気代懸念」など家にいるとかかるお金に関する理由が15%以上となった。特に女性のほうが「家計(光熱費)の節約」(20.6%)や「自宅の電気代懸念」(18.3%)と男性より多く回答している。
2023年夏は7割以上が電気代を気にしている
家計の負担に大きく関係する電気代は、今年の夏を自宅で過ごす上で72.8%が気にすると回答したにも関わらず、電気代節約のための暑さに関する節電対策を実施すると回答した人は60.6%に留まり、昨年調査の節電実施率(76.4%)と比較して15.8ポイント減少した。電気代を気にしている人の中でみても、約4人に1人が節電対策を実施しない意向があることが明らかになった。
電気代節約のため、暑さ対策における節電をする人の中でも、「極限まで節電対策をしたい」(8.3%)、「対策はできる限り行い節電したい」(35.3%)、と『積極的な節電』の回答は43.6%となった。
一方、「対策は心掛けるが無理はしない」の『無理しない節電』の回答は48.2%、暑さ対策における節電の意向は『積極的な節電』と『無理しない節電』でほぼ半々に分かれる結果になった。
また、夏の日中『自宅で過ごしたい派』は、『外出したい派』と比較して『無理しない節電』を回答する割合が14.9ポイント高く、自宅で長時間過ごすので節電は気になるけれど快適に過ごせることを重要視していることが推測できる。
昨年夏に約8割が効果を実感した節電対策は「窓からの日差しを遮る」
昨年の夏に暑さ対策における節電を実施した人に実施した内容を聞いたところ、最も多いのは「エアコンの設定温度を上げる」(49.7%)、続いて、「エアコンとサーキュレーターや扇風機を併用する」(33.8%)、「エアコンを稼働する時間を減らす」(32.2%)、「エアコンを稼働させる部屋(台数)を減らす(家族で一つの部屋に集まる)」(27.2%)となった。手軽にできるエアコンの運転に関する対策が多く見受けられた。
なお、暑さ対策における節電を行う上での困りごとや悩みごとを聞いたところ、回答が多いのは「暑さを我慢できない」(35.0%)、「効果がわからない」(21.5%)、「効果的な節電対策がわからない」(19.8%)と節電対策の効果について気にしている人が多いことがわかった。
実際に節電対策の効果を実感した割合が高いのは「窓からの日差しを遮る」(78.5%)、「窓の断熱性向上」(75.0%)など、実施した人が少ない対策が目立った。
多くの人が節電対策として取り組んだ、「エアコン稼働時間の削減」は59.3%、「エアコンの設定温度を上げる」は51.5%、と節電の効果を実感している人が他の対策と比較して少なく、エアコンの稼働調整だけでは、大きな効果の実感は得られにくいと考えられる。
エアコンの稼働調整と一緒に、少しの工夫で効果も実感しやすい「窓からの日差しを遮る」「窓の断熱性向上」対策に取り組んでみてはいかがだろうか?
一晩中エアコンを稼働する人は約4割!暑さに関する節電対策が睡眠の質に影響か
暑さ対策における節電で多くあげられたエアコンの稼働調整について、夏季のエアコンの稼働を止めるまたは稼働頻度を下げるタイミングは「朝」が36.6%、「就寝中」が33.8%の順となった。特に、節電対策に取り組む人は「朝」が45.9%、「就寝中」が40.3%と全体と比較
就寝中のエアコンの稼働実態について詳しくみると、おやすみモードの利用も含め、一晩中エアコンをつけている人は38.4%で、タイマーを使用して数時間で切る人は37.2%、就寝時にエアコンをつけない人は23.8%になった。
就寝時エアコンを止める、またはタイマーで止める理由としては「節電対策」が39.7%が最も多く、以下、「身体が冷える」が28.5%、「身体がだるくなる」が24.6%、「身体に悪い」が24.3%と続き、身体に対する影響が多く見受けられた。
次に、夏の睡眠の質を聞いたところ、「ほとんど毎日快適に眠れた」と回答した人は、一晩中エアコンをつけている人では26.0%だったが、タイマーを利用して数時間で止める人では11.8%にとどまった。
また、就寝時エアコンをつけない人の13.4%が「ほとんど毎日快適に眠れなかった」と回答しており、全体と比較すると7.2ポイント高い結果となった。
就寝時にエアコンをつけることで感じるメリットとして、「暑さを我慢しなくてよい」(60.1%)、「深い眠りが得られる」(35.7%)、「夏バテを防げる」(31.7%)が上位に挙げられたことから、エアコンの運転が夏の睡眠の質に大きく影響することがわかる。
とはいえ、就寝時エアコンをつけるデメリットとして約6割が「電気代が気になる」と回答しており、エアコンの電気代を上げずに質の高い睡眠を得るための工夫がポイントになるようだ。
<「暑さ対策における節電調査 (2023年)」調査概要>
調査期間 :2023年4月7日~10日
集計対象人数:500人
集計対象 :全国の20~60代の男女
出典元:積水ハウス株式会社
構成/こじへい