最新、最高のクルマづくりを実践
ちなみに「LS」には「LS500」もラインアップされている。こちらはV6、13.5ℓガソリンエンジンにツインターボを搭載、422PS、600Nmの性能を発揮する。さらに細かく解説すると、同じV6、3.5ℓエンジンだが、ハイブリッド用の排気量は3456cc、ツインターボは3444ccで、エンジンは別物。クルマの性格に合わせて開発しているのだ。
Mレンジでのマニュアルシフトはパドルレバーで行なう。ドライビングモードはノーマル/スポーツ/スポーツ+/エコ/カスタムで、メーター、パネルの左側のダイヤルで選択。メーターパネル右側のダイヤルは、トラクションコントロールとスノーモードだ。
ノーマルモード/Dレンジで走り出す。スタート時の動きは、数値からの想像より、ややトルク感が小さい。走り出してからのモーター走行では、機械的な作動音も耳に入ってくる。それでも走り出してしまえば、アクセルレスポンスは鋭く、加速も十分。0→100km/h加速も6秒台を計測したので、ラグジュアリーな4ドアサルーンとしては十分に速いといえる。
ハンドリングは、ノーマルモードではやや重めの操舵力だが、高速域での接地感に若干の不安があった。高速ではスポーツモードを選択したほうが安定感がある。ただし、乗り心地はゴツゴツ感はやや強く、路面のザラつきも感じられる。
試乗車のタイヤは2022年末の改良時にオプション設定された245/45R20のランフラットタイヤ、ブリヂストン「トゥランツァT005A」を装着。オプション価格は13万2000円。「LS500h」のタイヤはベースグレードも含めて、すべてランフラットタイヤが装着される。
居住空間に関しては、7代目デビューから変わっていない。このクルマにとって特に大切な後席はやや高めの着座位置で、背もたれもリクライニングする。頭上のスペースはあまり余裕もなく、身長165cmまでが快適なサイズだ。床面中央のトンネルは大きめなので、左右2名乗車がおすすめ。もっともセンターアームレストの下の座面にクッションはないので、左右1名ずつがノーマルだ。
ということで、レクサス「LS500h」は、最新、最高のクルマづくりを実践し、その内容もかなり高級、ラグジュアリーになってきたが、個人的にはまだ「ES」系のほうに軍配を上げたい。
■関連情報
https://lexus.jp/models/ls/
文/石川真禧照 撮影/萩原文博