価格帯別シャオミイヤホンに音質の違いはどれくらいある?
では、4モデルそれぞれの音質を比較していきます。今回は、すべての製品をiPhoneとペアリングして音楽を再生してみました。
音質の傾向として、最上位モデルのXiaomi Buds 4 Proと最安モデルのRedmi Buds 4 Liteは低音特化、Redmi Buds 4 ProとRedmi Buds 4は中高音域特化という印象。開放型のRedmi Buds 4 Liteが低音に強いのがなんとも不思議ですが、内蔵ドライバーのサイズが影響していると考えられます。
フラッグシップモデルの位置づけにふさわしく、Xiaomi Buds 4 Proは解像度が高く、立体感も優秀。低音が強く前に出るものの、どんなジャンルの音楽でも比較的明瞭に再生できます。動画視聴などに用いるのもおすすめです。
Redmi Buds 4 ProとRedmi Buds 4は、どちらも中高音域に強いモデル、10mmドライバー内蔵ということもあり、音質に極端な違いはありません。若干、Redmi Buds 4のほうが、ノイズが多いイメージです。Xiaomi Buds 4 Proと比較すると明らかに明瞭度が違い、価格の差が明確に表れているといえます。
とはいえ、どちらも販売価格をみれば十分優秀。中高音域が特に印象的なので、ロックのような激しくベースやドラムが響く音楽よりは、クラシックやジャズのようなジャンルの音楽再生が得意といえます。
一方、Redmi Buds 4 Liteは開放型ながら低音に強いモデルであるため、ロック、メタルのような、体にズンと響く音楽を楽しみたいという人におすすめ。解像度こそ上位モデルには劣りますが、開放型の軽い着け心地や音の重厚感に、販売価格を総合して考えれば、満足度はかなり高いイヤホンと感じます。
音の傾向に違いがあるのに加え、音質も個人の好みが大きく出る部分なので、「どっちが上」と気軽にいえないのが心苦しくはありますが、少なくとも音の明瞭度や立体感は、価格が上がるのに比例してよくなります。
総じてコスパは優秀なシャオミの完全ワイヤレスイヤホン
2023年に発売されたシャオミの完全ワイヤレスイヤホン4製品を比較してきましたが、総じていえるのは、どれもコスパを考えれば優秀であるということ。1万円以下に3製品も幅があるのはいわずもがな、フラッグシップモデルが2万6800円で購入できるのも、他メーカーと比較すればかなり魅力的です。
シャオミとしては、完全ワイヤレスイヤホンのフルラインアップを日本市場に投入することで、スマートフォン以外の周辺機器でもシェアを拡大しようとする狙いがあるでしょう。スマートフォンの販売価格が年々高騰しており、なかなか機種変更に踏み出すユーザーが少ない現状を見れば、狙いがよくわかるアプローチとも感じます。
アップルやソニーなど、完全ワイヤレスイヤホンで大きくシェアを持つ他メーカーに加え、BOSEやオーディオテクニカといったオーディオメーカーにも根強いファンがおり、イヤホン市場は群雄割拠の時代ともいえます。メーカーの特色でもあるコスパを押し出し、シャオミがどのように日本市場を攻略していくのかに注目です。
取材・文/佐藤文彦