コスパに優れたスマートフォンを多く展開することで知られるシャオミ(Xiaomi)ですが、実はスマートフォンだけでなく、イヤホンやスマートウォッチといった周辺機器も、日本市場で幅広く展開しています。
中でも完全ワイヤレスイヤホン(TWS)は世界的にシェアを獲得しており、2022年には世界第3位のシェア率を獲得するなど、スマートフォン以外においても実績を残しています。
そんなシャオミは、2023年6月より、2480円で購入できる激安完全ワイヤレスイヤホン「Redmi Buds 4 Lite」を展開。同じく2023年に日本で発売したイヤホン3製品を含めると、エントリーモデルからハイエンドモデルまで、各価格帯に製品を展開した形となります。
本記事では、実際にシャオミから今年発売された完全ワイヤレスイヤホン4機種を試しながら、それぞれの特徴を紹介していきます。
なお、4製品のシャオミ公式ストアでの販売価格は下記の通りです。
高級感漂うフラッグシップモデルとナチュラルカラーのエントリー、ミドルレンジモデル
2023年に発売されたシャオミの4製品を価格順に並べると、上から「Xiaomi Buds 4 Pro」、「Redmi Buds 4 Pro」、「Redmi Buds 4」、「Redmi Buds 4 Lite」となります。
シャオミはスマートフォンでも、フラッグシップモデルにXiaomi、エントリーからミドルレンジモデルにRedmiを冠することが多く、完全ワイヤレスイヤホンシリーズでもこの名づけ方が踏襲されている形。販売価格を見ても、Xiaomi Buds 4 Proは2万円越えなのに対し、Redmiシリーズはいずれも1万円以内となっており、明確にランクの違う製品であることがわかります。
デザインを見ても、名前の通り、Xiaomi Buds 4 Proはメタリックで高級感のあるデザインを採用し、カラーバリエーションはスターゴールドとスペースブラックの2色。宇宙船を想起させる充電ケースの開き方も、個人的には〝唯一無二感〟があって気に入っています。また、充電ケースからイヤホン本体を取り出しやすいのも魅力的です。
一方、Redmiを冠する3モデルは、白、黒とシンプルな配色を採用。3モデルの中では中間に位置するRedmi Buds 4のみ白の単色展開なのは少し不思議ですが、誰でも手に取りやすいカラーを採用しているといえるでしょう。
デザインを見ると、Xiaomi Buds 4 Pro、Redmi Buds 4 Pro、Redmi Buds 4 Liteの3製品はスティック型になっているのに対し、Redmi Buds 4のみがスティックのない、小粒なデザインになっています。なお、いずれも側面にタッチセンサーが搭載されているため、イヤホンから直接さまざまなコントロールができるようになっています。
イヤホン本体の形状は、上位3モデルが密閉型、Redmi Buds 4 Liteのみが開放型となっています。どちらが優れているというものではありませんが、没入感がより得やすいのは上位モデルで、Redmi Buds 4 Liteは軽い着け心地が魅力となっています。
充電ケースは、Xiaomi Buds 4 Pro、Redmi Buds 4 Proは横持ちして上部が開く形、Redmi Buds 4は縦に持って上部が開く形で、Redmi Buds 4 Liteは上蓋がぱかっと開く、指輪ケースのような形状になっています。蓋を開く動作1つ見ても、Xiaomi Buds 4 Proは重厚感があり、スッと開くのに対し、Redmiシリーズはパカパカと軽い動作で動く印象です。
4モデル共通して、充電ケースはかなりコンパクトになっており、ポケットに入れてもかさばらないのが魅力。いずれのモデルも、充電はUSB Type-Cにて行います。なお、ケースのワイヤレス充電には、Xiaomi Buds 4 Proのみが対応しています。
シャオミの完全ワイヤレスイヤホン4モデル、わかりやすいのは性能の違い
近年の完全ワイヤレスイヤホンは、ただ音楽を再生するデバイスではなく、イヤホンにどのような機能が搭載されているのかといった面も重要なポイント。音質は好みの分かれるものなので、ある意味では性能面のほうが、それぞれの違いを明確に確認できる指標といえます。
フラッグシップモデルのXiaomi Buds 4 Proは、全部乗せともいえる高性能になっており、最大48dBのノイズを除去できるANC(アクティブノイズキャンセリング)機能や、ハイレゾ相当の情報量が多いデータを伝送できるLDACコーデックに対応。Xiaomiスマートフォンと接続すれば、ヘッドトラッキング機能なども利用できます。内蔵ドライバーは12mmで、バッテリーはイヤホン単体で最大約9時間、ケース併用で最大約38時間の再生ができます。イヤホン本体は、IP54の防塵防水性能を有しており、マルチポイント機能も利用可能。
Redmi Buds 4 Proは最大43dBのノイズ除去が可能なANCやLDACコーデックに対応しており、内蔵ドライバーは10mmとなります。バッテリーはイヤホン単体で最大約9時間、ケース併用で最大約36時間の連続再生が可能。マルチポイント機能にも対応しています。イヤホン本体は、IP54の防滴防塵性能を有しています。
Redmi Buds 4は最大35dBのANCに対応しており、内蔵ドライバーは10mm。イヤホン単体での連続再生時間は最大約6時間、ケース併用で最大約30時間となります。イヤホン本体はIP54の防滴防塵性能を有しています。
Redmi Buds 4 Liteは12mmのドライバーを内蔵し、バッテリーはイヤホン単体で最大4.5時間、ケース併用で最大18.5時間の連続再生に対応。ANCには対応していませんが、通話時に風切り音といったノイズを削減できる「通話時のAIノイズキャンセリング」機能を搭載しています。また、Androidスマートフォンとワンタッチでペアリングできる「Google Fast Pair」機能にも対応しています。
並べて比較すると、上位モデルから下位モデルに行くにつれ、順当に機能を削っていき、価格を控えていることがわかりますが、最安モデルのRedmi Buds 4 Liteに、ほかのRedmiシリーズよりも大口径なドライバーを搭載しているところを見ると、各製品に〝色〟を出しているともいえるでしょう。
上位3モデルではANC機能に対応していますが、Redmi Buds 4 Liteのみは非対応。価格を鑑みれば、Redmi Buds 4 Pro、Redmi Buds 4が破格ともいえますが、ANC機能が必須という人は、上位3モデルから製品を選ぶことになります。ノイズの除去レベルに違いがありますが、筆者個人の体感としては、そこまで明確に違いがわかるほどではありませんでした。
Bluetoothのバージョンは、Xiaomi Buds 4 Pro、Redmi Buds 4 Proが5.3、Redmi Buds 4、Redmi Buds 4 Liteが5.2となります。普段使用する分には、極端に違いが出るシーンはほぼありませんが、より安定した接続性や遅延の少なさを追求するのであれば、上位2モデルが優位になります。
個人的な注目ポイントはバッテリー性能。上位2モデルがイヤホン単体で約9時間と優秀なのに対し、Redmi Buds 4は約6時間、Redmi Buds 4 Liteは約4.5時間と、明確に違いがあります。特にRedmi Buds 4 Liteの約4.5時間は、価格を踏まえれば仕方のない部分かもしれませんが、近年の完全ワイヤレスイヤホンとしてもかなり短いので、使い方には気をつけないといけません。