運動後におすすめの外食
ONODERA FC(神奈川県社会人サッカー2部リーグ所属)の選手に講義中の上條氏
続いて、運動後に外食店に立ち寄って食事をするならどのようなものを選ぶのが良いか。チェーン店で利用しやすい吉野家や丸亀製麺のメニューを挙げてもらった。
●吉野家の牛丼単品や豚汁セット
「牛丼は、ご飯の糖質に加えて肉などのたんぱく質が摂れます。豚汁と牛丼とのセットにすることで、野菜をプラスできますし、豚肉に含まれる糖質をエネルギーに変えるためのビタミンB群もプラスできます。サラダ・味噌汁セットなども品数を増やすことで、摂れる栄養素が増えるのでおすすめです」
●丸亀製麺の肉うどんや釜玉うどん
「うどんメニューは、素うどんではなくたんぱく質源の肉や卵をプラスするメニューを選びましょう」
●しょうが焼き定食や親子丼、焼き魚定食など
「その他、外食店ではしょうが焼き定食や親子丼、焼き魚定食などもおすすめです。揚げ物や油を多く使用する料理は消化に時間がかかるため、脂質が高くない料理を選ぶのが良いでしょう」
運動前後には、共に脂質を控えたほうが良いことがわかった。スポーツに親しむ人々にとって、脂質を摂取すべきタイミングはいつなのだろうか。
「脂質は、1グラムあたりのエネルギー量(kcal)が9kcalであり、炭水化物やたんぱく質の1グラムあたり4kcalに比べ高いため、少量で多くのエネルギーを摂取できます。
日頃から練習や試合を数多くこなす方や、筋肉量が多い方は1日に消費するエネルギー量も多くなるため、摂取すべきエネルギー量も多くなります。摂取エネルギー量が多く必要な方にとっては脂質をうまく活用することで、食事量を増やし過ぎずに必要なエネルギー量を確保できるようになります。
選手の中には、増量を目的とした身体づくりをしたい一方で、今以上に食事を増やしても食べきれない人もいます。そういったケースでは、脂質が多い食材や調理法を活用しエネルギー量を増やすことを提案することもあります」
日頃からスポーツやトレーニングに励みながら、運動前後でコンビニや外食店を利用するシーンには、今回のアドバイスを参考にしよう。
【取材協力】
上條悠氏
管理栄養士。1993年9月生まれ。2016年4月に株式会社LEOC 入社、2016年4月に首都圏HC 病院勤務、管理栄養士取得 2022年4月にスポーツ栄養事業企画部に配属。スポーツ管理栄養士として社会人サッカーチーム・ONODERA FCや大学駅伝部中高生サッカーなどに携わり、選手個人やチームの状況に合わせた栄養サポートを行っている。
文/石原亜香利