暑さと共に気になるのが強烈な日差し。紫外線による肌へのダメージは近年、問題視されている。
パナソニックが女性500名に行った調査では、「夏に肌の透明感がなくなったように感じたことがある」との回答が約8割近くにも上った。その原因とは? また美容クリニックでの施術や自宅ケアの方法など、最新状況を探ってみた。
夏の肌が特に透明感を失いやすい理由とは?
美容医療を行う松倉クリニック代官山 院長 貴子氏は、前述のパナソニックの調査結果を受け、夏に顔の肌の透明感が失われたと感じる原因は、大きく2つあると解説している。
一つは、「角質層に溜まったメラニン」の影響だ。夏場は紫外線量が一年で最も多い時期であり、紫外線を多く浴びると、過剰にメラニンが生成され、ターンオーバーで排出されないメラニンは角質層に溜まる。それがくすみの原因の一つとなり、肌の透明感にも影響するという。
もう一つは、紫外線、日焼け、エアコンなどによる「角質肥厚」の影響だ。強い紫外線を肌が察知すると、肌のバリアである角質を厚くする防御反応が働く上に、日焼けやエアコンによる肌の乾燥は、ターンオーバーの働きを鈍らせて古い角質が溜まりやすくなる原因となる。角質が厚くなることや古い角質が溜まることによりくすみが出て、肌の透明感が下がったように感じるのだという。
そこで対策として貴子氏が挙げるのが「ブライトケア」だ。光を使った施術を通じて、「角質肥厚」の状態により、肌表面のキメが乱れた角質やシミの原因となるメラニンが滞留した角質をそれぞれ除去することが期待できるという。
また、シミの原因であるメラニンは角質層にも滞留するが、光の力で角質と共にメラニンをはがす効果も期待できるという。
ブライトケアの素朴な疑問を美容クリニックの医師に聞いてみた
透明感対策として有力というブライトケアは、一般的に美容クリニックのフォトフェイシャル施術が第一選択肢となるようだ。
しかし施術には「ダウンタイム」が付きものともいわれる。そもそもダウンタイムとはどのようなものか。
美容皮膚科のスキンリファインクリニック理事長で、銀座院院長でもある医師の篠原 秀勝氏に話を聞いた。
「ダウンタイムとは、治療の後に腫れや赤みがみられる、絆創膏を貼っておく必要があるなど、日常生活やメイクに制限が出る期間を指します。クリニックでのブライトケアの場合、治療部位の赤みや腫れが長引いたり、カサブタのようなものができる場合があります。この変化は出力設定によって、ある程度コントロールすることができますから、担当医と相談されると良いでしょう」
最近、家庭用のブライトケア機器が進化しているため、これも選択肢の一つとなる。クリニックでの施術と家庭用ブライトケア機器はどのように使い分けるといいだろうか。
「クリニックにおけるダウンタイムの腫れや赤みというのは、極論すれば軽いヤケドの状態です。メラニンを多く含む細胞等を適切に破壊することで、シミを治療したり、肌を入れ替えることができるのです。結果にコミットしたい方はクリニックでの施術がおすすめですが、ダウンタイムが取れない方や通院がむずかしい方は、家庭用美顔器やコスメを上手に活用することで肌の透明感を改善することができるでしょう」
角質肥厚対策ができるコスメといえば、ピーリング効果のあるスキンケアコスメが思い浮かぶ。そもそとピーリングコスメで透明感は取り戻せるのだろうか。
「一般的にピーリング作用のあるスキンケアコスメには透明感を改善する効果が期待できます。ただ、ピーリング効果は酸の種類や濃度によって大きく異なるため、肌の状態や希望する効果にあった商品を選択することが大切です。
また、使用頻度や作用時間など使い方も重要ですから、敏感肌の方は慎重に少しずつ使用することをおすすめします。ピーリング後の肌は、紫外線を含む外的な刺激に対してとても敏感ですから、日焼け止めや保湿など適切なアフターケアも欠かせません」