今年に入って発生した卵の価格高騰に伴う「エッグショック」は、いまだ外食産業に大きな影響を与えているのだろうか?
帝国データバンクはこのほど、上場する主要外食100社における「卵メニューの休止・休売」ついて調査を行い、その結果を発表した。
「卵メニュー」復活 休止の半数で再開
今年に入り、全国に広がった外食産業の「エッグショック」が、徐々に収束へと向かっている。上場する外食大手100社のうち、2023年に入って卵メニューの休止・休売状態となった企業は、7月6日時点で13社判明した。
5月調査時点では最大29社が卵メニューの提供を休止していたが、6月末までに提供再開の動きが判明した企業は16社に上り、半数が休止から再開へと転じた。鶏卵の調達ルートや在庫量、業態によって提供再開への動きにはバラつきがあるものの、外食産業における「卵メニュー」提供休止の圧力は徐々に緩和へと向かっている。
JA全農たまごによれば、7月の鶏卵1kg(東京Mサイズ)の卸売価格平均は6日時点で338円と、過去最高値だった5月から12円下落した。足元では国内鳥インフルエンザの「清浄化」も重なって鶏卵供給量が回復しているほか、加工用の輸入鶏卵も大幅に増加している。
ただ、輸入トウモロコシなど飼料価格や電気代の上昇など養鶏コストは増加が続いており、鶏卵価格の大幅な下落は見込みづらい。外食産業の卵メニュー休止の動きは緩やかに解消へ向かうとみられるものの、卵価の高止まりを理由とした「値上げ」が今後広がる可能性がある。
<調査概要>
※調査対象は上場する外食主要100社。各社発表(店頭開示含む)に基づく。対象は、季節限定などを除いた各社定番メニューを主体とした
※対象期間:2023年7月6日時点
※調査機関:株式会社帝国データバンク
出典元:帝国データバンク
構成/こじへい