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【今月のマストリードな…5冊!】受賞作以外にも良作多数!第169回直木賞を振り返る

2023.07.27PR

7月19日、第169回直木賞の受賞作が発表されました。垣根涼介の『極楽征夷大将軍』と永井紗耶子の『木挽町のあだ討ち』というWちょんまげ受賞。というわけで、今回トヨザキは受賞作だけでなく候補作も含めて、@DIME読者の皆さんに紹介する所存なのであります。

まずは受賞作から。

心温まる話が好きな方に 永井紗耶子『木挽町のあだ討ち』(新潮社)

木挽町芝居小屋の裏手で、若い武士の伊納菊之助が父親を殺した元下男の作兵衛を討ち取り、首級を挙げた「木挽町の仇討ち」という出来事。それから2年後、菊之助の縁者だという武士が木挽町にやって来ます。菊之助と深いかかわりのあった人たちに話を聞きたいというんです。

芝居茶屋の入口で客相手に芝居の見所や面白さを伝える役目を担っている木戸芸者の一八。役者に剣劇場面の振り付けをする立師(殺陣師)の与三郎。衣装係も兼ねている脇役女形の芳澤ほたる。芝居の小道具を作る職人の久蔵とその内儀のお与根。劇作者の篠田金治。

彼らの一人称語りによって、この木挽町で菊之助がどう過ごしていたのか、仇討ちはどのように起きたのかが語られていき、それと共に語り手の半生も明かされていく。そして、最後に用意された「終幕」で菊之助本人の口から“あだ討ち”の真相が明かされるという構成になっています。巧いのはタイトル。どうして「仇討ち」とは表記しなかったのかが、最後まで読むと納得できるという仕掛けになっていて、そこで読者はホロリとさせられるわけです。

『木挽町のあだ討ち』
永井 紗耶子/著 新潮社 1870円

笑える本を探している方に 垣根涼介『極楽征夷大将軍』(文藝春秋)

周囲から「極楽殿」と陰口を叩かれている室町幕府を開いた足利尊氏の人物像を、彼を支えた2人の男、弟の直義と足利家の執事・高師直の目を通して描いた2段組549ページの大河小説です。

1305年に足利家の側室の子として生まれ、鎌倉幕府を倒すも、やがて後醍醐天皇との関係を悪化させて朝敵に。南北朝時代が到来し、北朝の光明天皇から征夷大将軍に任じられた足利尊氏。そのキャラクターが面白くて面白くて。

とにかく弟の直義が大好きで、いつもそばにいてほしがる。仮病をつかったり出家しようとしたりと腰が重い戦に際しても、いざ直義が危機に瀕していると聞けば、鬼神のごとく立ち上がり絶対不利な戦況をひっくり返してしまう。〈頭の中が頭陀袋〉〈大らかさしか能がない〉と内心で舌打ちをしながらも、何もできない何もしない兄の代わりに師直と共に一生懸命働く直義が、読んでいて不憫でたまりません。

ところが、失敗を叱責せず、たいていの意見は受け入れて、自己愛も顕示欲も権力欲も金銭欲もないもんだから御家人たちからの人気は絶大。そんな尊氏のことを直義は〈この世の上澄みのような存在〉と言い、師直は〈一個の人間として捉えてはならない。この男は、世間である〉と解釈。その独創的な解釈によって立ち上がってくる尊氏のダメーな言動が、頻繁に笑いを連れてくるんです。これを読むと、極楽殿のことを好きにならずにいられない。読んでいるうちに厚さが気にならなくなる異色の歴史小説です。

『極楽征夷大将軍』
垣根 涼介/著 文藝春秋 2200円

惜しくも受賞ならなかった3作品も。

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