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あらゆる動物種に対して使える新型コロナ検査法の開発に成功、イリノイ大学報告

2023.07.24

あらゆる動物で新型コロナ感染が確認できる検査法を開発

あらゆる動物種に対して使用可能な新型コロナウイルスの検査法の開発に成功したことを、米イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校病理生物学分野教授のYing Fang氏らが報告した。

研究グループは、「野生動物や家畜での新型コロナウイルス変異株の追跡に役立てることができる成果だ」と述べている。この研究の詳細は、「mSphere」に2023年7月6日掲載された。

現在用いられている新型コロナウイルスの主な検査は、PCR検査と抗体検査である。PCR検査はウイルスの核酸を標的とし、採取した検体の中にウイルスが存在するかどうかを調べるものだ。

これに対して抗体検査は、ウイルス曝露により産生される抗体の有無を調べるもので、一般に感染歴の有無の指標とされている。

抗体検査には、ELISA法(酵素免疫測定法)と呼ばれる検査法がよく用いられている。これは、検体中の標的とする抗原や抗体をそれに特異的な抗原や抗体と結合させ、酵素反応を利用して検出したり定量化したりする方法だ。

ELISA法は簡便で信頼性の高い検査法ではあるが、その開発には障害もある。新型コロナウイルスは、人間だけでなく、猫や犬、ネズミ、鹿、猿、農場や動物園の動物など多様な動物種に感染する。

しかし、抗体検査は主に人間や限られた動物種を対象にしているため、動物種によっては検査に必要な試薬(種特異的な二次抗体など)の入手が困難な場合がある。

研究グループは、「動物における感染症を迅速に検出して予防し、状況をコントロールするためには、感度と特異度の高い診断試薬とアッセイが喫緊で必要とされている」と述べている。

新型コロナウイルスに対する抗体には、主に、ウイルス表面に発現するSタンパク質(スパイクタンパク質)を標的にするものと、ウイルスの遺伝子を包むNタンパク質(ヌクレオカプシドタンパク質)を標的にするものがあるが、今回開発された新しい抗体検査はNタンパク質に焦点を当てたものだ。

Fang氏によると、Nタンパク質は、Sタンパク質よりも豊富な上に、アミノ酸配列に変化が起こりにくいため構造が動物の種を超えて保存されている。

そのため、あらゆる動物種に対する抗体検査の標的として、Sタンパク質よりもふさわしいと考えられるのだという。

Fang氏らはまず、新型コロナウイルスのNタンパク質に対するモノクローナル抗体パネルを作成。このパネルを基にした、ブロッキングELISA法による抗体検査を開発した。

具体的には、ELISA用のプレートをNタンパク質でコーティングし、そこに検査対象となる動物の血清サンプルを加える。もしその動物が新型コロナウイルスに感染していれば、血清サンプルの中に含まれている抗Nタンパク質抗体(一次抗体)が、プレート上のNタンパク質と結合する。

その後、プレートを洗浄して、Nタンパク質を標的とするビオチンで標識されたモノクローナル抗体(二次抗体)を追加する。対象動物が感染している場合には、一次抗体が二次抗体のNタンパク質への結合を妨害する。

感染していない場合には、二次抗体がプレート上のNタンパク質に結合する。ここに特定の化学物質を加えると発色が起きるため、それを指標として標的とする分子の量を決定することができる。

この抗体検査の性能を、新型コロナウイルスへの感染の有無が判明しているさまざまな動物の血清サンプルを用いて検証したところ、感度は97.8%、特異度は98.9%であることが明らかになった。

また、試験的に新型コロナウイルスに感染させたペットの猫から採取した血清サンプルを用いた経時的なテストでは、ウイルスへの曝露から最速7日で感染を確認できることが示された。

これらの結果に基づいてFang氏は、「この抗体検査法は、さまざまな動物種での感染状況のサーベイランスや将来の疾患の発生を予防するのに役立つだろう」と話している。

なお、本研究は、米国立衛生研究所(NIH)の支援を受けて実施された。(HealthDay News 2023年7月10日)

Copyright © 2023 HealthDay. All rights reserved.
Photo Credit: Adobe Stock

(参考情報)
Abstract/Full Text
https://journals.asm.org/doi/10.1128/msphere.00067-23

Press Release
https://news.illinois.edu/view/6367/492339340

構成/DIME編集部

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