ディープラーニング&コンピュータビジョンタスク向けの高効率AIパフォーマンスを実現
ASUSのサブブランドであるASUS IoTから、次世代のNVIDIA Jetson OrinシリーズをベースにしたエッジAI推論向け超小型コンピュータ「PE1100N」が発表された。
静音性の高いファンレス設計、優れた柔軟性を実現する豊富な産業用コネクティビティを備え、幅広い電源入力と動作温度をサポートし、最大限の汎用性と耐久性を実現する新モデルだ。
PE1100Nは、効率的なArmプロセッサとNVIDIA GPUを搭載したパワフルなJetsonプラットフォームにより、強力なAI推論機能を備えたエネルギー効率の高いコンピューティングを提供。
スマートシティ、交通、工場・製造などの分野におけるトラフィック分析、人の追跡、人数カウント、モニタリングなど、多様でスケーラブルなエッジAIアプリケーションに最適だ。
また、コンパクトなサイズと防振設計により、PE1100Nは、無人搬送車(AGV) 、自律移動ロボット(AMR )、AI搭載の自動光学検査(AOI) 、ロボットアプリケーション など、スマートマニュファクチャリング ファクトリーソリューションに特に理想的最適で、AIアプリケーションの市場投入までの時間を短縮する。
x86ベースのプラットフォームと比べて、ワット当たりのフレーム効率は最大18倍
ASUS IoTがPE1100Nを開発したのは、急成長するスマートマニュファクチャリングファクトリー市場に直接サービスを提供するためで、トップクラスのAIソリューションを提供するNVIDIAと緊密に協力したという。
エッジAIの世界有数のプラットフォームであるNVIDIA Jetson Orinが組込まれたPE1100Nは、ディープラーニングやコンピュータビジョンタスクにおいて、最大100TOPSの低電力(10~25W)のコンピューティングを提供。前世代デバイスの最大5倍のパフォーマンスを実現する。
また、従来のx86ベースのプラットフォームと比べて、ワット当たりのフレーム効率は最大18倍になるという。
PE1100Nを使用すると、開発者はストックSDKとライブラリツールを活用してAIと機械学習モデルを実行することができるため、コードの変更は最小限で済み、Jetsonプラットフォームを簡単かつシームレスに導入することができる。
またPE1100Nは、NVIDIA Isaac ロボットオペレーティングシステム(ROS)SDKにも対応しており、ROS 2プロジェクトの開発が可能だ。
高い拡張性とコネクティビティを備えた産業グレード設計
超小型のPE1100Nは、専用の金属製ヒートシンク、押し出しアルミニウム製ケースを採用した堅牢なファンレス設計により、効率性と静音性の高い冷却を実現している。これにより、-20°~50°Cの広範な温度下で安定した信頼性の高い動作を可能にしているという。
PE1100Nには、LAN、DIO、COM、USB 3.2、Type-A、さらに一部のモデルでは CANバスなど、さまざまな産業用I/Oポートの広範なコレクションが装備されている。
また、Micro-USBデバッグポートを搭載し、システムのメンテナンスも容易に行なえる。
オプションのWiFiおよびBluetoothモジュールは、スムーズでシームレスなワイヤレスコネクティビティとクラウドコネクティビティを保証し、M.2 B keyは、デュアルSIMスロットのサポートなど、4G/5Gセルラーモジュールに対応。
また、GPSのサポートにより、より正確なデバイス追跡とデータ記録が可能になり、スマートトランスポーテーションモビリティソリューションを実現する。
PE1100Nには、それぞれ特色のあるNVIDIA Jetson Orin NXまたはJetson Orin Nanoを搭載した2種類のモデルがあり、あらゆるAIパフォーマンス要件に対応する。また、ASUS IoTでは、顧客の要望に応じたボードレベルの構成も提供している。
関連情報
https://iot.asus.com/jp/products/intelligent-edge-computer/PE1100N
構成/清水眞希