ペニンシュラ温泉を開業したのは日本の温泉にハマったオーナー
アイデアあふれるエンターテインメント施設の「ペニンシュラ温泉」を考案したのは、オーストラリア出身のオーナーであるチャールズ・デビッドソンさん(写真左。右は日本で出会ったという日本人の夫人)。1990年代に日本で勤務していた頃に温泉のカルチャーにハマり、週末になるたびに草津などの温泉を巡っていたという。その様子は、かつて日本のテレビ番組で〝温泉バカ〟(いい意味で)として取り上げられたほどだ。「いつか故郷のオーストラリアでも温泉施設を作りたい」という夢を、オーストラリアのビクトリア州政府に持ちかけ、モーニントン半島の地下637メートルに眠る温泉源を発見。世界30か国以上のスパを研究したノウハウなども取り入れながら、2005年に「ペニンシュラ温泉」をオープンしたそうだ。
「ペニンシュラ温泉」へのアクセスとしてオススメなのは、メルボルン都市部から出ている高速バス(片道1万4249円)。午前中8時20分発または午後3時発があり、以下のような予約サイトなどをチェックしてみよう。
「KKday」
また、国際免許を取得していて海外での運転に慣れていればレンタカーを利用するのもアリ。オーストラリアは日本と同様に、道路は左側通行、クルマは右ハンドルなので、運転しやすいだろう。クルマで行く場合は、目的地近くの道路に掲示されている、日本人にとってなじみのある温泉マークをあしらった「ペニンシュラ温泉」のロゴが目印だ。
リラクゼーションのサービスをより充実させた開放感たっぷりのスパ施設もオープン
「ペニンシュラ温泉」からクルマで10分ほど移動した場所には、同様の温泉施設「アルバ サーマル スプリングス&スパ(Alba Thermal Springs&Spa)」が新設されたばかり。こちらは特にリラクゼーションのサービスを注力した〝大人向け〟の施設で、内観や外観はシックな装いだ。施設の利用料はオーストラリアドルで$80~(日本円で約7600円~)。
「アルバ サーマル スプリングス&スパ(Alba Thermal Springs&Spa)」
「アルバ サーマル スプリングス&スパ」の屋外にある各入浴スポットは、自然との共生を意識しており「サンド」や「フォレスト」といった自然に関するネーミングになっている。もともと生息している植物をそのまま生かした施設づくりを徹底しており、ハリネズミをはじめとする野生動物が迷い込むこともあるとのこと。大自然を満喫できるコンセプトは「ペニンシュラ温泉」と共通しており、こちらの施設の利用も併せて検討してみてもいいだろう。
世界中から移住している人が多いメルボルンの多国籍な本格グルメ3選
オーストラリアには様々な国から来た人々が住む多民族国家だ。オーストラリアの総人口における約28%は「海外生まれ」であり、両親のいずれかが海外出身の移民2世は約46%にも及んでいるという(経済協力開発機構調べ)。そのため、例えば都市メルボルンでは、まるで日本のように、ひとつの国にいながら様々な国の本格グルメを味わうことができる。
イスラエル料理「MIZNON」
https://www.miznonaustralia.com/
メルボルン中心地の細い路地を入ったところにある店で、巨大なカリフラワーをオーブンで丸ごと焼いた料理「BABY CAULIFLOWER FLOWER」($21/約1984円)をはじめ、野菜を中心としたメニューが豊富。ビーガン料理やピタなども料理も取り揃えており、素材の特徴を生かした味付けでサッパリとした料理が多く、ヘルシー志向の人にオススメ。
ベトナム料理「THY THY」
ベトナムからの移民の受け入れに積極的なことから、オーストラリアにはベトナム料理が定着。ベトナム料理の「フォー」は、オーストラリアでもポピュラーな食事として親しまれている。メルボルンのビクトリアストリート沿いにある「THY THY」の「フォー」($15~/約1419円~)も絶品。深い味わいのスープが絡むシコシコとした自家製麺がたまらない。
ギリシア料理「Jim’s GREEK TAVERN」
https://www.facebook.com/profile.php?id=100075855595388
オーストラリアはギリシア国外において最もギリシア人が多い国でもあり、メルボルンのコリンウッドにあるこのお店はギリシア移民2世がオーナーという本格ギリシア料理店。陽気な店員たちが子鯛の炭火焼き「Chargrilled baby snapper」($33.5/約3166円)をはじめとするボリューム満点の地中海料理を振る舞ってくれる。お店にないお酒を持ち込むことも可能だ。
上記で紹介しているお店は、いずれもメルボルン中心地から徒歩圏内ではあるが、現地でメジャーな交通手段となっている「Uber」の配車サービスを利用するといいだろう。出国する前に登録し、アプリをインストールしておくことをおすすめする。また、メルボルンの中心部をぐるりと巡っている路面電車を利用するのもいいだろう。
このほかにもオーストラリアに深く根付いている独自のカフェカルチャーのほか、オーストラリアならではのワイン、ビール、ステーキの楽しみ方を、Vol.2にて紹介する。次回もお楽しみに。
取材・文/田尻 健二郎
撮影/Miho Watanabe
取材協力/オーストラリア⼤使館