生活費の高騰を受け、パーソナライゼーションとロイヤルティがますます重要に
グローバル決済プラットフォームを提供するAdyen(AMS:ADYEN)は、顧客体験とデジタルテクノロジー投資に関する国際調査を実施。先日、その結果と分析概要を発表した。
この調査は、インフレが消費者の行動変化にどのような影響を及ぼしているのか、また、企業はこの変化にどのように対応しているのかを明らかにするため、全世界で3万6000人の消費者と1万2000社の企業(日本では2000人の消費者と500以上の企業を含む)を対象に行なわれた。
日本の消費者の過半数(59%)は、小売企業は買い物に対する特典のあり方を改善するべきだと考えており、これは昨年(2022年:45%)より31%増加した。
消費者はまた、単なる特典の付与は当たり前であり、自分の好みを覚えていて、オーダーメイドのショッピング体験を提供してくれる小売企業を好むと回答。
一方、消費者との関係を構築するためにCRM(Customer Relationship Management)を導入している日本の小売企業は17%に過ぎず、世界平均の27%よりかなり低くなっている。
バックエンドシステム間を接続していないために、小売企業のOMO戦略が進まず
また、OMO(Online Merges with Offline)のトレンドは世界的に成長を続けているが、オンラインとオフラインのデータを結びつけ、どこで買い物をしても顧客を認識できる日本の小売企業はさらに少ないことも明らかになった(14%)。
日本の企業は、OMO体験の実現に関して、今回調査対象となった市場の中で最も低い水準にある。
世界平均が29%であるのに対し、オンラインストアと実店舗のチャネル間で決済取引を完了できるようにしている日本の小売企業はわずか13%に過ぎない。
また、オンラインで購入した商品を店舗で返品できるようにすることは、世界的には一般的になりつつありますが、日本の小売企業ではわずか10%にとどまっている。
また、調査結果によると、オンラインと実店舗で各顧客の購買情報を一元管理し、顧客の嗜好に応じてパーソナライズされたCXを提供するユニファイド・コマースを導入している日本の小売企業はわずか21%で、世界平均の50%を大きく下回っている。
Adyen日本カントリーマネージャーのジョナサン・エプスタイン氏は次のように述べている。
「小売企業は、オンラインとオフラインのシステムを単一のプラットフォームに統合すべきです。そうすることで、小売企業は、データ主導のOMOという新時代において、テーラーメイドの体験の創造、ロイヤルティプログラム、クロスチャネル返品の実現、リスク管理など、ビジネスをサポートするテクノロジーの活用方法を転換することができます」
Adyen Retail Report Japan 2023について
調査主体/Adyen
調査方法/オンライン調査
調査期間/2023年2月6日~3月1日
回答者/24の国と地域の1万2000の小売企業。うち日本では516の小売企業
※対象とした国と地域は以下のとおり。
香港、日本、マレーシア、シンガポール、オーストラリア、UAE、英国、インド、アイルランド、ベルギー、デンマーク、フランス、ドイツ、イタリア、オランダ、ノルウェー、ポーランド、ポルトガル、スペイン、スウェーデン、カナダ、米国、ブラジル、メキシコ
構成/清水眞希