DIME MAGAZINE
読めそうで意外と読めない「十指」という言葉。「じゅっし」と読んでしまう人も多いかもしれないが、正しい読み方が別に存在する。本記事では、「十指」の正しい読み方や言葉の意味、使い方や関連する慣用句を解説する。最後に紹介する英語表現も、ぜひこの機会にチェックしておこう。
十指とは
まずは「十指」の読み方と意味を解説する。使用シーンや例文もぜひ参考にしてほしい。
読み方は「じっし」
「十指」の正しい読み方は「じっし」。用いられている漢字「十」は音読みで「じゅう」「じっ」、訓読みで「とお」「と」と読む。「指」は音読みすると「し」、訓読みすると「ゆび」「さ（す）」だ。
意味
「十指」は「10本の指」や「特に際立ったものを数える数」を意味する。漢字単体での「十」は「数の名」や「満ち足りている様子」「数が多いこと」、「指」は「手足の指のこと」「指し示すこと」を表す際に使われる。
使用シーン
「十指」は、特に際立ったものを数える場面で使われることが多い表現だ。
【例文】
「父は名騎手として十指に数えられた」
「十指では数えきれないほどの星が流れた」
「今年、この村では数えるには十指だと足りないほどの子どもが生まれた」
「世界で十指に数えられるレベルの研究者になるのが夢だ」
「十指」を使った慣用句は？
次に、十指を使った慣用句を紹介する。表現の幅を広げるのにぜひ役立ててほしい。
十指に余る（じっしにあまる）
10本の指では数えられないほど多いことを意味する表現。
【例文】
「彼は十指に余る数々の功績を残した人物だ」
「弟の部屋には十指に余る程の本が並べられていた」
「彼女の肩書きは、十指に余るほどあるらしい」
「今月、市内では十指に余る盗難事件が発生している」
十指に入る（じっしにはいる）
ある物事において、10位以内に入る程の度合いであることを示す言葉。
【例文】
「彼女は日本のレーサーの中で十指に入る実力を持つ」
「あの事件は世界でも十指に入る珍しい事件だった」
「私が受けた損害は、この警察署が取り扱った中でも十指に入る被害額だった」
「今回の会議披露した企画は、対象者の中では十指に入る程素晴らしかった」
十指に満たない（じっしにみたない）
ある事柄において、10にも及ばない程の数であることを指す表現。数が少ない意味合いとして使われることが多い。
【例文】
「皆が挙げた彼の長所は十指にも満たなかった」
「彼は十指に満たない程ではあるが土地を持っている」
「彼女が友人と呼べる人物は十指にも満たない」
「戦争から無事に帰ってきた者は十指にも満たなかった」
十指の指すところ（じっしのさすところ）
誰もが一致して認めるところ、多くの人が正しいとすることを意味する言葉だ。
【例文】
「放置自転車が禁止なのは十指の指すところだ」
「試験時間厳守は十指の指すところだが、遅刻の事情によっては考慮する必要がある」
「個人的には不満だが、これは十指の指すところだと認めざるを得ない」
「爽やかな挨拶は十指の指すところだろう」
「十指」の英語表現
最後に、十指や十指を使った慣用句の英語での言い換え表現を紹介する。英語を使う機会が多い場合は、意味と例文をチェックしておこう。
all the fingers of both hands
10本の指全てを指す英語表現だ。
【例文】
“We cannot know the pain of those who have lost all the fingers of both hands.”
（私たちは十指を失った者の痛みを知ることは出来ない）
“He learned the importance of all the fingers of both hands in the war.”
（彼は戦争で十指の大切さを思い知った）
“She has more likes than she can count on all the fingers of both hands.”
（彼女は10本の指で数えきれない程の人から好意を寄せられている）
“My grandfather has more houses than I can count on all the fingers of both hands.”
（祖父は10本の指で数えきれないくらいの家を持っている）
too many to count
当てはまる事柄が多すぎて数えきれないことを表す言葉で、「十指に余る」と同じような意味を持つ。
【例文】
“There were too many reasons to count.”
（理由は無数にあった）
“She has been to too many concerts to count.”
（彼女は数えれないくらいの回数コンサートに行った）
“The brawl continued into the night, with too many wounded to count.”
（乱闘は夜まで続き、多数の負傷者が出た）
“He has been to too many countries to count.”
（彼は数えきれないくらい多くの国に行ったことがある）
one of the 10 best 〜
ある物事において上位10位以内に入ること、十指に入ることを指す表現だ。
【例文】
“I am one of the 10 best tennis players in Japan.”
（私は日本でも十指に入るテニス選手だ）
“He used to be one of the 10 best soccer players in the world.”
（かつて彼は世界でも十指に入るサッカー選手だった）
“My goal is to become one of the 10 best baseball players in Japan.”
（私の目標は日本でも十指に入る野球選手になることだ）
“To become one of the 10 best marathon runners is too difficult.”
（十指に入るマラソン選手になることはとても難しいことだ）
one of the worst ten 〜
ある事柄において下位10位以内に入ることを表す英語表現だ。
【例文】
“She used to be one of the worst ten table tennis players in the school.”
（かつて彼女は学校内でもワースト10に入る卓球選手だった）
“I regretted that I was one of the worst ten marathon runners in this town.”
（私はこの町の中でワースト10のマラソン選手だったことが悔しかった）
“She struggled to overcome the frustration of being called one of the worst ten swimmers in the world.”
（彼女は世界でワースト10の水泳選手と呼ばれていた悔しさをバネにして努力した）
“He wanted to get out one of the worst ten baseball players in Japan.”
（彼は日本でワースト10の野球選手から抜け出したかった。）
文／編集部
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