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2480円のXiaomi vs 3278円のドン・キホーテ、激安ワイヤレスイヤホン対決に勝ったのはどっち?

2023.07.21

コードのない取り回しの良さで、完全ワイヤレスイヤホンは今や多くの人が愛用している製品です。しかし、1万円前後するモデルも多く、安さが魅力の有線イヤホンから買い替えに踏み切れないという人もいるはず。中には、完全ワイヤレスイヤホンを失くしてしまうことがあるため、高い製品を買いたくないという人もいるでしょう。

とはいえ、完全ワイヤレスイヤホンの価格競争も激化しており、安価ながら高品質なモデルも続々と登場しています。

そこで、2480円で購入できる、シャオミの「Redmi Buds 4 Lite」と、ドン・キホーテのプライベートブランド「情熱価格」から3278円で販売されているスティック型の完全ワイヤレスイヤホン(以下情熱価格イヤホン)の2モデルを実際に試しながら、使用感についてご紹介します。

いずれも安価で購入可能なため、完全ワイヤレスイヤホン初心者や、オーディオ製品にあまりお金をかけたくないという人は、要チェックです。

開放型のRedmi Buds 4 Liteと密閉型の情熱価格イヤホン

2480円のRedmi Buds 4 Liteと3278円の情熱価格イヤホン。いずれも「安価に購入できる完全ワイヤレスイヤホン」というのが最大のセールスポイントではありますが、それぞれ本体の形状には明確な違いがあります。

Redmi Buds 4 Liteは、開放型と呼ばれる、耳の穴を完全にふさがない形状になっており、圧迫感が少なく軽快な着け心地になっているのが特徴。本体質量が片側約3.9gと軽量なこともあり、長時間着けていても疲れにくいのが魅力です。

Redmi Buds 4 Lite

本体はスティック型になっており、開放型のデザインとあわせ、見た目はアップルのAirPodsにかなり近い印象。スティック部分の側面はタッチ操作にも対応しています。また、IP54の防水防塵性能です。

一方、情熱価格イヤホンは密閉型と呼ばれる、耳の穴をふさぐことで遮音性が高いデザインを採用しており、音楽に集中しやすいのが特徴。こちらも本体片側の質量が約3.5gと軽量になっています。

情熱価格イヤホン

本体はこちらもスティック型で、タッチ操作も可能。防塵性能はありませんが、防水はIPX5相当に対応しています。

両製品共通の特徴として、充電ケースがかなりコンパクト。ポケットにすっぽりおさまるサイズ感なので、持ち運びも快適です。ケースの素材感はどちらも少し安っぽい印象を受けますが、販売価格を思えば十分といえるでしょう。

安くても優秀な機能を豊富に搭載している2つの完全ワイヤレスイヤホン

いくら安価に購入できる完全ワイヤレスイヤホンといっても、機能面は重要なポイント。Redmi Buds 4 Liteと情熱価格イヤホンの2製品は、どちらも価格以上といえる機能を搭載しています。

Redmi Buds 4 Liteは、Bluetooth 5.2に対応し、バッテリー持続時間はイヤホン単体で約4.5時間、充電ケース併用で最大約18.5時間の駆動が可能。バッテリー性能としては、少々心もとないといえます。

Redmi Buds 4 Liteの長所は、通話時に人の声と周囲の音を分離し、声のみを通話相手に届けられる「通話時AIノイズキャンセリング」機能に対応していることでしょう。最新の完全ワイヤレスイヤホンではよく見かける機能ではありますが、2480円の製品と考えれば破格といえます。

また、Androidスマートフォンユーザーにとってうれしいポイントが、ワンタップでスマートフォンとイヤホン本体をペアリングできる「Google Fast Pair」機能に対応している点。

ペアリング作業は慣れれば簡単なものの、面倒な作業であることに間違いはないので、ワンタップで接続できるのはありがたいポイントです。Fast Pair機能の搭載は、スマートフォンメーカーならではのこだわりポイントともいえるかもしれません。

情熱価格イヤホンの場合、3278円という販売価格ながらBluetooth 5.3に対応しているのがポイント。低遅延モードも搭載し、安定した接続性と、ズレの少ない音の再生ができます。

さらに、この価格帯でいながらAACコーデックという規格に対応しているのもうれしいポイント。iPhoneなどのアップル製品と接続すると、比較的高音質が楽しめるのが魅力です。

バッテリーはイヤホン単体で約6時間、ケース併用で最大約21時間の音楽再生に対応。複数のデバイスで同時待ち受けができる「マルチポイント」機能は非搭載ですが、複数デバイスに登録ができる「マルチペアリング」機能には対応しています。

超低価格完全ワイヤレスイヤホン、肝心の音質は?

さて、ここまでデザインや搭載機能について紹介してきましたが、オーディオ製品として重要なのはやはり音質です。

Redmi Buds 4 Liteは12mmのダイナミックドライバーを搭載していることもあり、低音の響きをやや重視しており、迫力のある音楽の再生が得意。開放型のイヤホンらしく、立体感や音が広がる表現も優秀で、映画視聴などに使用しても満足度が高い印象です。

一方で、高性能なワイヤレスイヤホンと比較すると、若干音がぼやけている部分もあり、ギターの音のような〝キリっと〟した表現は苦手な印象です。

情熱価格イヤホンは、逆に高音域の表現が豊か。キビキビとした音の再生を得意としており、EDMのようなジャンルの音楽を好む人にとっては、よい選択肢になるでしょう。逆に低音域は弱めなので、ロックのような厚みのある音の再生はやや苦手な印象です。

完全ワイヤレスイヤホンは2000円台、3000円台で購入する時代?

本記事では、価格の安さに焦点を当ててRedmi Buds 4 Lite、情熱価格イヤホンの2製品を紹介してきましたが、どちらも共通して、かなり満足度の高い製品に仕上がっている印象。完全ワイヤレスイヤホンデビューや、あまりイヤホンにお金をかけたくないという人には、ぜひおすすめしたい製品です。

もちろん、3万円前後する高性能な完全ワイヤレスイヤホンは、アクティブノイズキャンセリング機能やマルチポイント機能など、より快適にイヤホンを使える機能が搭載されていることが多くありますが、音楽再生や動画視聴に使用するだけであれば、必要十分な機能を搭載していて、安価なイヤホンを買ってみるのもありでしょう。

また、今回紹介した2製品には、価格の安さという共通点こそあるものの、開放型と密閉型、低音重視と高音重視といったように、オーディオ製品としての特長は対極ともいえる違いがあります。私見ではありますが、安価なイヤホンにも特徴の幅が出るほど、技術が進歩していることに、素直に感心しています。

多機能なイヤホンで最先端の技術を搭載しつつ、普及価格帯の製品の底上げをしている今の完全ワイヤレスイヤホン市場は、成熟してきているともいえます。イヤホンに求める機能を吟味しつつ、予算を考慮して製品を購入するタイミングとしては、ぴったりなのかもしれません。

取材・文/佐藤文彦

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