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南インドのチェンナイにあるパナソニック エレクトリックワークス(以下、EW社)のスリシティ工場の取材のついでに立ち寄ったのがラタン バザール通り。ここはオタクカルチャーに染まる、ひと昔、いやふた昔前の秋葉原を彷彿とさせる、よく言えば「活気あふれる」、正直な言い方をすれば「混沌とした」電気街だ。幅3mほどの隘路に、携帯電話からPC、ゲーム、電飾を販売する店がずらりと並び、買い物客はもちろん、バイク、クルマ、トラック、そしてインドらしく牛!! が行き交っている。
薄暗い通路の奥に売上高No.1の代理店があった!!
こんなところに(失礼!)、EW社の電材『ROMA』シリーズの売上高インドNo.1の代理店があるという。
パナソニックの広報担当者が「ここです」と案内したのが、雑居ビルの奥に続く薄暗い通路。思わず、「え……」という声が漏れる。売上高No.1を誇る代理店と聞いていたので、この雑然とした通りを抜けた先にある整然としたビルに案内されると思っていたからだ。
怪しすぎる……と周囲を警戒しつつ30mほど奥に進むと、左手に間口3mほどの店が現れた!! 「スマン・エンタープライズ」だ。この小さな店で売上高1億4000万ルピーを達成しているというから驚く。なぜ、そんなに売ることができるのか? 社長のラケッシュさんに聞いた。
「ナマステ。自分たちの頑張りだけでなく、パナソニックのブランド力、高い品質があるからこそ『ROMA』が売れていると思います。物流の面でもパナソニックが強いのも理由のひとつ。またインドは広いので物流は大きな課題ではあるのですが、注文したら24時間以内にきちっと2次店に届けてくれる。品質以外の部分でもしっかりとカバーしてくれる点もいい。何せインドは広いので。まだまだ予定通りに商品が届かないといった、物流面の課題が多いですからね」
インドでトップシェアを誇っていた電材メーカー、アンカー(ANCHOR)を買収し、「ANCHOR by Panasonic」として製品を販売する。「ROMA」は主力製品のひとつ。
加えて、200社抱える2次店への口説き文句もあると、ラケッシュさん。
「『ROMA』シリーズは、ロングセラー商品だから信頼性の高さは実証されている。それでいて10年保証! そうそう壊れることはないけれど、仮に壊れてもすぐに同じものを仕入れられるから安心ですよ、とお客様に伝えています」
No.1の店だけに、営業トークは抜群だった!