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牛が闊歩する南インドの地でパナソニックEW社の工場がモォ〜烈な無人化を実現できた理由

2023.07.20

工場前の野原で草を食む牛の群れ。極めて牧歌的な風景だが、実はここ、コンセントやスイッチなどの電材を扱うパナソニック エレクトリックワークス(以下、EW社)の新工場なのだ。場所は、近年注目されているグローバルサウスのひとつ、インド!!

南インドの商業都市・チェンナイ(旧・マドラス)からクルマで約2時間。100㎢の超広大な工業団地・スリシティにつくられたこの工場は、インドの経済発展にともなう住宅の建設ラッシュで、配線器具市場が拡大することを見越して新設。それだけでなく、急進が予想されるアフリカ市場も視野に入れ、インドから製品を輸出することで市場拡大を狙っているものだという。

工場前で野良牛が草を食んでいるが、実は超最先端な工場

インドの工場取材。この話があった時、まず思い浮かべたのが、多くの工員がずらりと並んでコンセントを組み立てる姿だった。2023年4月末にインドの人口が14億2860万人(国連人口基金 発表)に達し、中国を抜いて世界最多になったというニュースが話題となったばかり。そう思うのがフツーだろう。

しかし、マンゴーの森に囲まれた工場の敷地内は、シーーーーーーーーンと水を打ったように静か。聞こえるのは、牛の「モォ〜」という鳴き声だけ。

それもそのはず。敷地面積約13万㎢の超大型工場にもかかわらず、従業員はわずか300人程度。にもかかわらず、生産能力は1億2000万個/年だという。実は、この工場、生産ラインの9割程度を自動化!! すべてをひとつのシステムに集約することで、生産数や在庫の管理はもちろん、工数分析を行なうことで、稼働率が低いところがあれば、その原因を分析して改善につなげるというスマートファクトリーなのだ。

工場でつくっているのは、2007年にEW社が買収したインドの電材メーカー「ANCHOR」が買収前から製造していた『ROMA』『PENTA』シリーズの標準的なモデル5品目。EW社のインドで電材製造を担当する小林健太郎さんの案内で、その製造工程を見て回った。

無人化を徹底した射出整形工程

まずは、プラスチック製のパーツをつくる射出成形工程。全設備に自動取り出しロボットが装着されているだけでなく、部品がたまると自動運搬車がやってきて収集する。本当に人がいない。

こちらは集中材料乾燥&供給装置。材料となるプラスチックをしっかり乾燥させ、ポンプで射出成形機に送るマシンだ。ここでも、まだ人を見かけない!!

高精度&高速で行なう金属加工工程

そして、ついにプレスマシンなどを使って金属パーツをつくる工程で、第一工員さん発見!!

だが、ここにいる工員さんが自らプレスしているわけではない。あくまでも設備のメンテナスと運用が主な役割。このほか金型のメンテも高度な技術を擁する仕事なので大卒の学歴を持つ10人ほどのスタッフが、この業務に携わっている。

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