夏休みが始まり子どもが家で過ごす時間が増えるこの時期、自分の子どもがスマホを適切に使えているのか不安に思う機会も増えてくる。
だが、GIGAスクール構想がはじまりスマホやPC、タブレットは鉛筆やノートと同じぐらい勉強の必須のアイテムになっているので一概に制限するわけにもいかず、保護者は難しい判断を迫られている。
そこでNTTドコモの企業内研究所であるモバイル社会研究所が、スマホの親子間ルールに関する調査レポートを発表したので、ぜひ参考にしてみてほしい。
スマホルール、低学年では場所・時間、学年が上がると個人情報に関するルールが設定される傾向
スマホの所有は小学5年生で半数、中学2年生で8割を超えている(2023年2月16日レポート)。
それでは、所有している子は親とどのようなルールを設けているか、調査した結果を表1にまとめた。学年問わず多いのが、料金に関わる項目だ。また低学年では「場所・時間」に関連すること、学年が上がると「個人情報」に関わるルールが増えている。
表1. [小中学生]スマホの親子間ルール(%)スマホ所有者が対象
親子間ルールがこの5年でどのように変化しているか、示したのが表2だ。小学生は増加し、中学生は減少した。小学生は特に「個人情報・料金」に関するルールが大きく増えている。
表2. [小中学生] スマホの親子間ルール経年変化(%)スマホ所有者が対象
それでは何故小学生のルールは増えたのか、関連する調査結果をみてみよう。図1はスマホルール「決められた時間だけ」を設定しているか、また設定しても破られてしまうか、聞いた結果だ。
小学生は2018年と比較し、設定している割合が5ポイント減った。中学生はルール未設定の割合が7ポイント減り、ルール設定しているが、破られてしまう割合が6ポイント減っている。
背景として、この間スマホの低年齢化が進み、今の中学生は小学生時代からスマホを持つ割合が増えたことにより、中学生はある程度スマホに慣れている人が多いから(親子間ルール設定期間も長い)と推測される。
一方、小学生はGIGAスクール構想もあり、より利活用が増えたことも要因のひとつと思われる。その結果、ルール設定項目も増えたのではないだろうか。
図1. [小中学生]ルールとして「決められた時間だけ」を設定している
調査概要
調査名:2022年親と子の調査
調査方法:訪問留置調査
調査対象:関東1都6県・小学生及び中学生とその親
回答数:600
サンプリング:QUOTA SAMPLING、性別・年齢(5歳刻み)・都道府県の人口分布に比例して割付。
調査時期:2022年11月
関連情報:https://www.moba-ken.jp/whitepaper/
構成/Ara