アウトドアで楽しめるアルミ缶入りの日本酒!?
ギラギラの太陽の下で、キンキンに冷えた缶ビールを飲むのは夏の最大の醍醐味のひとつ。だが今年は、ビールや缶チューハイに加え、日本酒も選択肢に加わるかもしれない。その大きな理由が、ボトル缶の日本酒の増加だ。
ボトル缶とはその名のとおり、ボトル(ガラス瓶)のような形で、ガラス瓶と同じようなスクリュー式のキャップで蓋ができる缶のこと。一度開けた後でももう一度蓋ができるリシール性や、瓶よりも軽いという携帯しやすさから、ソフトドリンクやカクテル類、チューハイなど、続々とボトル缶仕様が増えている。そして今、日本酒にも、その波が押し寄せているのだ。
だが日本酒というと、どうしても一升瓶やカップ酒のイメージが強い。アルミ缶のボトルだと、おいしさが損なわれるようなイメージも・・・。そのあたりを、今から8年前の2015年に生原酒をアルミボトル缶にいれた業界初の商品「日本盛 生原酒ボトル缶(以下「生原酒シリーズ」)」を発売した日本盛株式会社(以下「日本盛」)にズバリ聞いてみた。
▲2015年発売の「日本盛 生原酒ボトル缶」は、生原酒をアルミボトル缶にいれた業界初の商品
新事実!アルミ缶ボトルは、実は日本酒と相性がいい
日本盛によると、ボトル缶は従来の一升瓶やカップ酒に比べて利便性が高い上、意外に日本酒にも向いているのだという。ポイントは、大きく3つ。
①機能性の高さ
*キャップ付きのため開封後も栓ができ、飲みたい時に飲みたい量だけ飲むことができるので、少量ずつチビチビと飲まれる日本酒に向いている
*軽量で破損しにくく携帯性に優れているので、アウトドアシーンや旅行などの移動中にも飲用可能
*単一素材(アルミ)のため、廃棄しやすい
②高い品質保持性
*日本酒は鮮度が命。劣化要因として光・酸素が挙げられるが、アルミボトル缶は遮光性・密閉性に優れているため、デリケートな日本酒の鮮度保持に最適
③デザイン性
*少量飲みきり用の日本酒としては以前からカップ酒があるが、若い層や女性には抵抗感が強く、手に取りにくい傾向がある。アルミボトル缶はソフトドリンク等で使用されていることからなじみがあり、カジュアルでスタイリッシュな形状であるため、気軽に購入しやすい
ではなぜこれまで、ボトル缶の日本酒が広まらなかったのか
だがそうだとすれば、もっと日本酒のボトル缶が増えて定着していてもよさそうな気がする…。日本盛によると、定着のネックとなっているのが日本酒の容器への固定観念の強さ。「日本酒といえば一升瓶でなくちゃ」というイメージを抱く人が多く、アルミ製のボトル缶に対する抵抗感をもつユーザーが(特に高齢者を中心に)まだ多いそうだ。
また、かつてビールが瓶から缶に変わった時も「飲用時のアルミ臭さ」を気にする人がいたが、同じことがボトル缶にも起こっている。日本盛によると潜在的なイメージから味の変化を警戒してしまう人もいるが、容器構造上アルミ臭さは発生しないし、実際に飲んだ人は納得するため、2015年の発売以来、少しずつ認知が広がっているとのこと。さらにコロナ禍でボトル缶の意外な利点が注目された。