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風量を弱める、室外機をカバーで覆う、こまめにスイッチを切る、逆効果になりかねないエアコンの節電方法

2023.07.21

ダイキン工業は電気代の値上げが気になる2023年の夏本番を前に、全国527名の20歳~59歳までの男女を対象に「エアコンの節電に関する実態調査」を実施。回答結果をグラフにまとめて発表した。

今回の調査では、効果的な節電方法と逆効果になりかねない方法をそれぞれ4つずつ挙げ、「夏場にエアコンを使う際、節電になると思うものはなんですか」と複数回答形式で聞いた。

その回答としては、効果的な節電方法が多く選ばれた一方で、約6割の人が逆効果になる方法を効果的なものとして選んでしまう結果ともなった。逆効果になりかねないにもかかわらず効果的な節電方法として選ばれたものは、いわば“勘違い節電術”と言えるのではないか。

以下、具体例を同社の解説と併せて紹介しよう。

“勘違い節電術” 第1位は「風量をできるだけ『弱』で使う」

今回の選択肢のうち、効果的な節電方法として最も知られていたのは「空気清浄機や扇風機、サーキュレーターをエアコンとセットで使う」(56.9%)だった。

一方、逆効果になりかねないにもかかわらず、節電効果が期待できる方法として最も票を集めたのは「風量はできるだけ『弱』で使う」(26.5%)となった。

風量を抑えるとファンの回転音が小さくなるため、消費電力が抑えられていると思いがちだが、同社では次のように説明している。

「エアコンのしくみ上、室内が涼しくなるまでに時間がかかり、その分、消費電力量が増加する場合があります。以下の示すようなエアコンのしくみを知っていただくことが、こうした誤解を避けることにも繋がると考えています」

知っているようで知らないエアコンのしくみ

エアコンは、室内の暖かい空気から集めた熱を屋外に追い出すことで部屋を涼しくしている。そして空気から熱を集めるのが「室内機」、熱を屋外に追い出すのが「室外機」だ。

室内機と室外機にはそれぞれ「熱交換器」が内蔵され、それらを結ぶ配管には、「冷媒」と呼ばれるガスが温度や圧力を変化させながら循環し、室内機から室外機へ熱を運ぶとともに、熱交換器を通じて空気との間で熱の受け渡しをしている。

また、室外機には、冷媒が熱の受け渡しをするために必要な温度や圧力をコントロールするとともに、冷媒を循環させる役割を担う「圧縮機」が内蔵されており、エアコンを構成する部品の中で最も電力を消費している。

今回の調査では、こうしたエアコンのしくみに関する認知度についても調査を行なった。

まず、「エアコンは室内にある熱を屋外に移動させることで涼しくしているのを知っていますか」と聞いたところ、49.2%が「知らなかった」と回答。2人に1人が知らないという結果になった。

さらに、エアコンが最も電力を使う場所について「エアコン全体の消費電力のうち、室外機が占める割合はどのくらいだと思いますか」という質問をしたところ、正解である「80%以上」と回答した人は1割に留まった。

エアコンの節電における大切なポイントは、室内機、室外機ともにスムーズに空気を吸い込んだり吹き出したりできる状態を保つこと。そのため、フィルターの定期的な掃除や、室外機周辺の整理整頓は非常に重要だ。

また、熱を運ぶ量によって圧縮機にかかる負荷が変わるため、負担を減らす使い方への意識も大切になる。例えば、冷房運転のスイッチを入れると室温を下げるため圧縮機が勢いよく働く。冷房時に設定温度を下げれば、それも圧縮機の負荷になる。

エアコンの消費電力の多くを占める圧縮機への負荷を抑えることも節電のポイントで、「こまめなスイッチのON/OFFを避ける」ことや「設定温度を下げるより風量を強める」ことなども工夫のひとつになる。

エアコンのしくみを知らないと、こうしたポイントを見落としてしまうかもしれない。

夏が近づくにつれ高まるエアコンの使用控え感

「電気代高騰により、エアコンの使用自体を控えようと思いますか」という質問に対して、7割以上(71.1%)の人が「とても思う」「やや思う」と回答した。

これは、5月に行った調査結果(エアコンの使用自体を控えようと思っている人:61.7%)と比べて約10ポイント上昇した結果となり、気温が高い日が増えてくる中で、エアコンや電気代への意識が高まってきた可能性が考えられる。

夏のピーク時間帯に家庭の電力消費の多くを占めるとされるエアコンですが、厳しい暑さの中、節電のために無理に使用を控えると、熱中症を引き起こすリスクも想定される。

そのため暑さ対策として、エアコンを適切に使用することが重要。

同社では「エアコンのしくみを知って節電しながら上手に使用することが、エアコンの積極的な使用につながるのではないでしょうか」とコメントしている。

調査概要
調査名/節電に関する実態調査
調査期間/2023年6月17日(金)~6月19日(日)
調査対象/全国の男女527名
調査方法/スマートフォンリサーチ

関連情報
https://www.daikin.co.jp/air/life/mechanism

構成/清水眞希

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