梅雨明けを前にして熱中症を警戒する日々が続く2023年夏。ウェザーニューズ社が発表した「猛暑見解2023」によれば、このまま8月上旬にかけて暑さのピークを迎える見込みだという。日中も猛暑が続いているが、夜も熱さで寝苦しい。これでは現代のビジネスパーソンが関心を寄せる〝睡眠の質〟も心配だ。
中途覚醒に悩む46歳が1か月装着してみた!
そんな折、筆者はDIME最新号の『DIME SPECIAL3 超快眠グッズ44』を担当し、様々な快眠グッズを実際に試してみる機会に恵まれた。各企業による睡眠の質をアップさせるための技術革新は凄まじく、どの商品も「ぜひ買い取りしたい!」と感動しっぱなしだったのだが、中でも私が本当に本気で購入を検討しているのがŌURAの『Oura Ring Gen3』という、指輪型のスマートデバイスである。これをおよそ1か月装着したまま過ごした結果、睡眠の質はもちろん自分の健康における様々な気づきを得ることができた。
Oura Ring Gen3は指輪型スマートデバイス『Ouraリング』の第3世代機種。Ouraリングは2013年にスリープトラッカーとして誕生したもので、現在は医療グレード並みの健康管理ができるスマートリングとして進化を遂げている。生体信号に基づいた睡眠およびアクティビティを分析することで、健康状態の把握と改善のサポートを担うことが可能となっているのだ。
そして、そんなOura Ring Gen3を装着したたま過ごした記者・タカヤマの睡眠に関する現状についても一応解説。2人の子供を持つ46歳で、普段は下の子(8歳)と一緒に22時前にはだいたい寝てしまう。しかし年齢のせいか朝までスヤスヤ眠る子供とは違い、夜中の2時ごろにはしっかり途中で覚醒。その際、睡眠の質を上げるためには絶対にやってはいけないと分かっていてもスマホなどをチェックしてしまい、4時すぎに再びウトウト。そして浅い眠りのまま6時ごろに起きるという生活を送っている。質の高い睡眠を確保している自信は全くない。
そんな私がOura Ring Gen3をして眠り、睡眠の質を分析してみた。
意外と眠れていることが判明!しかし睡眠の質はやはり悪い
就寝21時53分、起床6時27分。そして2時過ぎから4時すぎにかけて〝中途覚醒”〟が入り、合計睡眠時間は6時間45分となっている。途中覚醒はともかく、大人にしてはかなりの睡眠時間を確保しているといっていいだろう。そのためか睡眠スコアは78で良好。思った以上に悪くないことが判明した。
だが細かくみてみると、深い睡眠はたったの39分間で全体の10%のみ。長く寝ている割にはやはり睡眠の質が良くないのだ。その一方で寝付くまでの時間はたったの10分。大人として恥ずかしいくらい寝つきが良い。こんなふうに可視化されると、睡眠に関する課題は一目瞭然である。
壊滅的に悪い体表温と安静時の心拍数…どうすればいい?
またOura Ring Gen3は睡眠の質だけではなく、体表温傾向モニタリングや装着時は24時間心拍数のトラッキングが可能となっている。正直最初はこれによって具体的に何が分かるのかが半信半疑だったが、私の結果はこんな感じ。体表温と安静時の心拍数が壊滅的に悪いことが判明したのだ。
毎日のように指摘される「体表温と安静時の心拍数が上昇しています」との文言。Ouraの公式サイトによると「0.5°C/0.90°Fを超える体表温の上昇や下降がないか確認することをお勧めします」「これより大きい体表温の上下は、何かが体に負担がかかっていることを示している可能性がある」という。どうやら私は、何かしらの理由で常に体に負担がかかっているようだ。一体何をどうすればいいのか? その答えもOura Ring Gen3は容赦なく突き付けてくる。
ひどすぎる「トレーニング頻度」の数値。つまり、目を覆うほどの運動不足である。そんなタカヤマの生活スタイルは完全な在宅勤務。運動らしい運動はまったくしていないし、それを改善する気もなかった。一応そんな自分に危機感を抱くことはあり、過去に何度もスポーツジムに入会してはいる。しかし数か月経過すると足が遠のき、その後何か月も無駄に会費を払い続けた結果、退会する。もう自分で書いていて腹が立つほどのダメっぷりだ。
しかしOura Ring Gen3はそんな私でも「今日は回復する時間を確保してください」とやさしくアドバイスをしてくれる。叱るでもなく、一緒に寄り添ってくれるのだ。そうすると自然と「ちょっと運動してみようかな」と思えるし、また家でゴロゴロしても「ゆっくりして回復しているんだ」とポジティブな気持ちにもなった。