オンライン株式スクール「株の学校ドットコム」は、株式投資に取り組んでいる全国の20代・30代の男女800名を対象に、株式投資に取り組む理由や目標についてアンケート調査を実施。回答結果をグラフにまとめて発表した。
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3月に行った「株式投資への取り組み調査_2023年春」(対象:20〜70代の男女2,923人)では、現在の投資状況が「含み益」となっている人の割合は20代と30代が74.0%で最も高く、反対に「含み損」の人は20代が最も低い、という結果になった。
そこで、多くが利益を出している20代・30代に対して、株式投資に取り組んでいる理由や、株式投資によって実現したい目標について、さらなる調査を実施するに至ったという。
目的は「生活に使えるお金を増やすため」
「あなたが株式投資に取り組んでいる理由は何ですか?」。この質問に対して、20代・30代から最も多く選ばれた理由は、「生活に使えるお金を増やすため」。回答率は59.0%で、実に6割近くが日々の生活費に充てるために株式投資に取り組んでいる実態がわかった。
その次に多かったのは「老後資金を増やすため」(41.0%)。若い世代でも老後に不安を抱えていることが推測できる。
続いて、「趣味や旅行など自分のやりたいことに使うお金を増やすため」(39.6%)。こちらは「家や車などの購入資金」「子どもの養育資金」よりも2倍近く多い回答率となっており、自分自身が求めることに時間とお金を使いたいという、この世代の傾向が表れていると言えるのではないか。
また、いわゆる「FIRE(経済的自立による早期リタイア)」を達成するためと回答した人も2割を超え(21.5%)、依然として人気があることがわかった。
この結果を20代・30代に分けて見てみると、どちらの年代でも「生活に使えるお金を増やすため」が最多であることは共通しているが、30代は「老後資金を増やすため」が2番目に多い回答であるのに対して、20代では「趣味や旅行など自分のやりたいことに使うお金を増やすため」が2位になっている。
男女別に見た場合も、全体の傾向に大きな違いはないが、男性では「FIRE(経済的自立による早期リタイア)を達成するため」「家や車などの購入資金を増やすため」が上位に入り、女性では「子どもの養育資金を増やすため」が「FIRE」を抑えて4位にランクインしている。
株式投資で達成したい目標は?
株式投資によって達成したい目標については、自由記入形式で回答してもらった。様々な回答が得られたが、前述の「株式投資に取り組んでいる理由」に沿って分類し、ピックアップして紹介する。
「生活に使えるお金を増やすため」の回答例
「お金を気にすることなく食事をしたい」(29歳・男性)
「自分の給料だけでは買えないブランドものなどを買うこと」(26歳・女性)
「グレードアップした生活」(25歳・女性)
「安定した収入を得て、生活を豊かにしたいから」(26歳・男性)
「日々の生活を楽にしたい」(35歳・女性)
「月々の電気代やガス代くらいを、配当で払えるようになりたい」(37歳・女性)
「値段を気にせずに果物とか買えるようになりたい」(33歳・女性)
「老後資金を増やすため」の回答例
「老後のために1000万の利益達成をする」(37歳・男性)
「貯金と合わせて老後2000万問題を解決できるくらい」(28歳・女性)
「老後安心して過ごすため」(28歳・男性)
「定年後の生活に余裕を持たせたいので」(27歳・女性)
「老後の生活が楽になるようにしたい」(37歳・男性)
「60歳で仕事をやめられるくらいの貯蓄」(36歳・男性)
「老後資金一人3000万と子供の養育費1500万をためること」(33歳・女性)
「趣味や旅行など自分のやりたいことに使うお金を増やすため」の回答例
「増やしたお金で好きなものを買ったり旅行したい」(26歳・女性)
「別荘購入」(29歳・男性)
「毎月豪遊 旅行三昧 エステ 親孝行」(29歳・女性)
「自分の給料だけでは買えないブランドものなどを買うこと」(26歳・女性)
「稼いだお金で月一回旅行に行きたい」(36歳・男性)
「年30~40万ぐらいプラスになったら推し活につぎ込む」(30歳・女性)
「毎年値段を気にせず家族旅行に行きたい」(33歳・女性)
「FIRE(経済的自立による早期リタイア)を達成するため」の回答例
「早期リタイアあるいはセミリタイアをするための資金として1億円貯めたい」(29歳・女性)
「45歳までに、資産6000万円を達成し、サイドFIRE出来るようにしたい」(36歳・男性)
「年間配当1000万円」(38歳・男性)
「会社に縛られずに自由に生きていくため」(29歳・男性)
「労働からの解放」(29歳・女性)
「いま使えるお金」を増やすなら、NISAではなくトレードを
今回の調査によって、20代・30代が株式投資に取り組む背景として、先々の将来を見据えた資産形成という側面も当然あるが、それよりもむしろ、「生活」や「趣味や旅行など」といった「いま使えるお金」を増やすことを目指している人が多いことが判明した。
株式投資には様々な手法・スタイルがあり、自身の目的や目標に適ったものを選ぶことが非常に重要。たとえば、つみたてNISAやiDeCoなどを活用して株式投資を始める人が増えているが、これらはいずれも「長期投資」を前提とした制度だ。
つまり、「老後資金」のために使うなら有益ですが、「いま使えるお金」を増やしたいという目的には、残念ながら合致しない。
もし、「いま使えるお金」を増やすために株式投資に取り組むのであれば、進むべき道は「長期投資」ではなく「短期トレード」だ。手軽に始められる積立型と違い、一定のレベルの知識やスキルが必要だが、それらを正しく身につけることができれば、給料よりも多い利益を毎月出し続けることも可能になり、それによって多くの「やりたいこと」を実現できるようになる。当然、将来の資産形成にもつながる。
調査概要
調査内容/Z世代の株式投資への学習調査
調査方法/インターネット調査
調査対象/事前調査で「株式投資に取り組んでいる」と回答した全国の20代・30代の男女800名
調査日/2023年6月23日
構成/清水眞希