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動物園が果たす生き物の命をつなぐ役割とは?名古屋の東山動植物園で「生きる」を身近に感じる

2023.07.23

動物園・水族館・植物園を専門に取材している「動物園写真家」であり「動物園ライター」である阪田真一が、@DIMEで動物園・水族館の楽しみ方を紹介しよう。

読者である皆さんには、園内マップ片手にスタンプラリーのように見てまわる楽しみ方だけではない、知っていることで見方の変わる楽しみ方や、ちょっと人に自慢できる動物園・水族館の知られざる生き物たちの暮らし、そこで働く人や企業の取り組みなどを紹介しよう。

今回は、来園者に向けるその目線がイケメンだと話題になり、さらには子育てする姿がテレビなどでも取り上げられ多くの来園者が押しかけたことでも話題となった、イクメンゴリラの「シャバーニ」が家族で暮らす『名古屋市東山動植物園』の命をつなぐ取り組みについて紹介しよう。

命をつなぐ「種の保存」とは

日々ニュースを見ていると、「○○動物園で○○の赤ちゃんが誕生しました」「一般公開は○月○日を予定しているそうです」などと、飼育員のインタビューと共に愛くるしい赤ちゃんの映像が映し出されたりする。それを目にすると我々は、その愛らしい姿に一時癒やされたりする。しかしその誕生の多くは、なんの手助けなしに自然に生まれるわけではない。

多くの動物園・水族館で行われている、日々の飼育員による見守りや飼育、生態の研究の積み重ねによる繁殖活動など「種の保存」という命をつなぐ取り組みの一端を目にしているにすぎない。

ここ数年、名古屋市動植物園でも多くの生き物の赤ちゃんが生まれている。

近年で注目を浴びたのは、アジアゾウの赤ちゃん「うらら(雌)」誕生ではないだろうか。

2022年4月に生まれた「うらら」は、同園では2013年に同じ母親「アヌラ」から生まれた「さくら(雌)」以来、2度目のアジアゾウの繁殖成功となる。

国内でのアジアゾウの出産は14例と数も少なく、同じ園で2頭目が生まれることはとても珍しい。

珍しい事象であるからこそ、その出産準備のために他園の情報なども集め、出産時に起こりえる事故に備えた対策も用意されていた。

アジアゾウの妊娠期間は22ヶ月と長く、この繁殖プロジェクトには2年程の歳月がかけられたそうだ。

これだけ長い出産期間を知ると、母親の「アヌラ」を園内で見て、ほぼ2年近く妊婦さんだったのかと思うと「大変だったね」「よく頑張ったね」と労いの声をかけたくなるだろう。

2023年4月、出産から1年。「うらら」は、母「アヌラ」の後をついてまわる可愛らしい様子が見られる。

見ていてほっこりさせられると同時に、その繁殖プロジェクトのことを思うとはるかな時の経過に思いをはせることもあるのではないだろうか。

名古屋市東山動植物園では、このアジアゾウの繁殖を始め様々な動物達の「種の保存」に繋がる取り組みを行っている。

しかし、来園者からすればその動物達の寿命やスケールの大きさから、「種の保存」と言われてもピンとこない人も多いだろう。そこで同園ではライフサイクルの短い「メダカ」を専門に扱う展示エリアが存在し、より身近に「種の保存」を学べる施設がある。

「世界のメダカ館」でメダカの奥深さに魅了される

ここ名古屋市東山動植物園の北園門からスカイタワーを目指して歩いて行くと「世界のメダカ館」という世界で約40種のメダカの内30種ほどが展示されている世界でも珍しいメダカを専門に展示・研究・繁殖に取り組む施設がある。

ここでは、日本に生息する淡水魚なども展示されており、順路をたどっていくと川の中を四角いブロックで切り出したかのように並ぶ水槽には顔を近づけるだけで、その魚たちの泳ぎ方、ウロコやヒレの形、さらには顔の形までじっくり観察できる。

展示されている魚の中には絶滅危惧種に指定された淡水魚も展示されており、身近に生息しているニホンウナギなどの魚ですら環境の変化など様々な要因で絶滅にひんしていると言うことに気づかされるだろう。普段絶滅危惧種と言えば哺乳類ばかり思い浮かべる人も多いだろうが、館内のパネルなどにも目を向けると、普段気にかけることのない身近な水生生物たちも例外ではない。その中でもここ「世界のメダカ館」では絶滅危惧種のメダカや新種のメダカなど世界のメダカが世界最大規模で展示されている。

「メダカなんて、どれも一緒でしょ」と思っている人は、「世界のメダカ館」で、メダカのことを知るとその奥深さに驚くだろう。そして、気づけばメダカのことがもっと知りたくてメダカ沼に浸かっているかもしれない。

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