訳あり不動産の情報メディア「訳あり物件買取プロ」を運営するAlbaLinkは、実家がある502人を対象に「親が住んでいる家や土地に関する不安についての意識調査」を実施。回答結果をランキング形式で発表した。
実家に関する不安がある人は70.1%
実家がある502人に「実家に関する不安があるか」を聞いたところ、「ある」と答えた人が70.1%に達した。多くの人が実家の扱いについて不安を感じているようだ。
なお「不安はない」という人の理由を調べてみると、「兄弟が実家に残っているから」「実家の資産価値が高く、兄弟が問題なく相続してくれるだろうから」という回答が寄せられた。
実家に関する不安要素1位は「相続・相続税について」
次に「実家に関する不安の内容」を聞いた。その結果、1位になったのは「相続・相続税について(98人)」、僅差の2位は「売却について(95人)」となった。
「相続することが決まっている」「売却するつもり」など方針が決まっているなら、「手続き方法」「売却価格の相場」などを調べることで不安は解消できそうだ。
しかし、4位「実家をどうするか決まっていない(82人)」という場合には、具体的な身動きがとれず不安ばかりが募る人もいるのではないか。
1位 相続・相続税について
「兄弟間でモメたくない」「相続税が高くなりそうで不安」などの回答が寄せられている。また一人っ子であれば、相続手続きを自分だけできちんとできるか不安な人もいるのでは。
同社では「親の死後に実家を手放さず相続することが決まっているのであれば、ネットや金融機関の相続セミナー等で勉強してみると、不安が少なくなるかもしれません」とアドバイスしている。
2位 売却について
とくに地方に実家がある人から、不便な土地なので売れなさそうという不安の声が多数寄せられた。「売れたとしても、かなり安くなるだろう」という声も。
地方の土地や建物を扱う不動産会社もあるので、気になる人は一度相談してみるのもよいだろう。
3位 室内の片付けが大変そう
祖父母や両親が長く暮らしていた実家の場合、物が大量に溜まっていることも少なくない。そのため「自分や兄弟だけで処理できるだろうか」と不安になる人も多いようだ。
物があまりに多い場合には、業者に片づけを依頼することも選択肢のひとつだが、費用がかかる。また、親が大切にしてきた物を捨てていいかわからないと悩む人もいるのでは。
親が元気なうちから「生前整理」をしておくと、遺品整理の手間は少し軽くなる。
4位 実家をどうするか決まっていない
両親が亡くなったあとの実家の取り扱いには、「相続して自分が住む」「売却する」「メンテナンスしつつ貸し出す」などの選択肢がある。
方向性が決まれば具体的に準備できるが、どうするか決まらないと動けないので、不安になるのは当然。
方向性を決めるためには、親や兄弟との話し合いが必要だ。相談する際の材料として「いくらで売れそうか」「貸す場合に借り手がつくのか」など、プロの意見を聞いておくことも大切になる。
5位 維持・メンテナンスが大変そう
実家の維持には、メンテナンス費用が必要だ。自分で修繕・管理するにしても、かなりの手間と労力がかかる。実家が遠ければなおのこと。
また持ち家や土地には固定資産税も納める義務がある。そのため同社によれば、相続した後の維持管理や費用について心配している人も多くなっているという。
6割以上が「実家を将来どうするか親と話したことがない」
「実家を将来どうするか、親と話したことがあるか」聞いたところ、「ない」と回答した人は6割を超えた。「実家の扱いに不安を抱えつつも、親と相談したことはない」という人が多いことがわかる。
なお30代以下と40代以上にわけて集計してみたところ、結果は以下のようになった。
40代以上は、30代以下よりも「話したことがある人」の割合が15%ほど高くなっている。40代以上は「親が高齢になり相続が現実的になってきた」「実家が老朽化してリフォームや処分を検討する」というケースも多いからと推察できる。
実家を将来どうするか親と話した理由
「話した」という人からは、「元気なうちに話しておきたかった」「兄弟間で揉めたくないから」などの回答が寄せられた。親族の病気や死をきっかけに、相続や実家の扱いを現実的な問題として認識して「私たちは将来家をどうしようか」と話し合う家庭も多いようだ。
「子ども世代が自分の家を買った」などの大きなライフイベントは、実家の扱いを話し合うための良い機会となるはずだ。
実家を将来どうするか親と話さない理由
話していない人からは、「話を切り出しにくい」「まだ先の話だと思っている」などの回答が寄せられた。死やお金の話を嫌がる親もおり、「話を切り出そうとするとすごく怒られる」という人もいた。
ただ話をしないうちに親が病気になったり判断力を失ったりして、細かい話ができないままになってしまうことも考えられる。
「親や兄弟が考えてくれている」「実家がまだ新しく、親の死後も兄弟・親族が住む予定になっている」というケース以外は、機会を見て話し合っておくべきだろう。
調査結果まとめ
実家に関する不安で多かったのは「相続・相続税について」「売却について」だった。
また「実家をどうするか決まっていない」という人も多く、方向性が決まらず漠然と不安を抱えている人も多いことが判明した。
不安があるのなら、同社では「一度親や兄弟など実家に関わる人と相談することをおすすめします」とコメントしている。
「死に関わることは話しづらい」と感じてしまうが、今回のアンケートでは「意見交換できないまま親や兄弟が亡くなってしまったので困っている」という体験談も寄せられていたからだ。
そこで同社では「子どもが家を買った、近しい親族が亡くなったなどは、実家の今後を考えるきっかけとなります。機会をみて、少しずつ話をしてみてはいかがでしょうか」とアナウンスしている。
調査概要
調査対象/実家がある人
調査期間/2023年6月7日~19日
調査機関/自社調査
調査方法/インターネットによる任意回答
有効回答数/502人(女性325人/男性177人)
回答者の年代/10代 0.4%/20代 9.6%/30代 35.8%/40代 33.5%/50代 18.1%/60代以上 2.6%
関連情報
https://wakearipro.com/future-family-home/
構成/清水眞希