アップルやソニーのアイテムが代表的ですが、Bluetoothを利用したワイヤレスイヤホンが各種発売されており、ユーザーにとっては、気軽に製品を手に取りやすい環境が整っています。特に街中では、有線イヤホンよりもワイヤレスイヤホンを愛用する人を目にする機会が多いようにも感じます。
ワイヤレスで接続できるという特徴を活かし、スマートフォンなどの再生デバイスから少し離れてBluetoothイヤホンを使用する人もいるでしょう。特に家事をしている最中などには、デバイスを持たなくても音楽を再生できるのは便利ですよね。
そこで気になるのが、Bluetoothイヤホンがどれくらいの距離まで安定して接続できるかという点。実はBluetooth製品には、接続距離に関する規格があるので、覚えておくと、製品選びの参考になるかもしれませんよ。
目次
Bluetoothイヤホンが接続できる距離は「Class」という規格で表される
Bluetoothは、電波の強さに関して3つの規格があり、「Class」という言葉を使って表現されます。
接続距離は、「Class1」が約100m、「Class2」が約10m、「Class3」が約1mとされています。もちろん、製品によって接続距離は前後しますが、どれくらいの距離で接続できるのかの指標として覚えておきましょう。
Bluetoothイヤホンの場合、Class2対応の製品がほとんどですが、中には2023年6月に発売された「Beats Studio Buds +」のように、Class1対応の製品も販売されています。再生デバイスから離れた環境でBluetoothイヤホンを使う機会が多いという人は、Bluetoothの「Class」に着目してみてください。
Beats Studio Buds +
【参照】Beats Studio Buds +
【参照】DENONオフィシャルブログ/「Bluetoothを使いこなす5つの方法」 第2回 Bluetoothの電波ってどこまで届くの?
Bluetoothイヤホンとの距離が近くても接続が安定しない原因は?
Bluetoothイヤホンの接続距離にはClassという規格が用いられると紹介しましたが、例えばClass2対応のイヤホンであっても、5m程度で接続が途切れてしまうことがあります。
再生デバイスとBluetoothイヤホンの接続が途切れてしまう主な原因は、間に遮蔽物があるというもの。壁やドア、ガラスといった遮蔽物が間に挟まると、たとえ距離が近くても、接続が安定しないことがあります。
また、別のBluetoothデバイスやWi-Fiの電波、電子レンジといった電波を使用する機器と干渉してしまい、接続が途切れてしまうことも。自宅で電子レンジをつけた途端に、Bluetoothイヤホンの接続が切れてしまうという経験をしたことがある人も多いのではないでしょうか。
そのほか、再生デバイスやBluetoothイヤホンのバッテリー残量が少ない場合にも、音が途切れてしまうことがあるので、使用時にはしっかりとデバイスの充電をしておきましょう。
【参照】radius公式コラム/Bluetoothイヤホンで音飛びが起こる原因と対策法
Bluetoothイヤホンの接続はコーデックによって安定性が変わる?
Bluetoothの接続距離の規格であるClassのほかに、「コーデック」も、接続の安定性に関わります。コーデックとは、Bluetoothの帯域を使って音声信号を無線伝送するための音声圧縮変換方式のことで、多数の規格があります。ほとんどの場合、価格帯の高いBluetoothイヤホンほど、多くのコーデックに対応しているといえます。
【参照】 ソニー/音活 コーデックで高音質編
近年発売されているBluetoothイヤホンの多くは、Bluetoothイヤホンが標準で使用するコーデックである「SBC」や、アップル製品で使われる「AAC」というコーデックに対応していますが、安定した接続性を求めるのであれば、「aptX HD」や「aptX Adaptive」といったコーデックに対応した製品を試すのがおすすめです。
一方、大量の音楽データを伝送できるため、高音質なコーデックといえる「LDAC」は、無線機器の利用者が多く、通信環境が不安定な場所だと、音が途切れやすいといった弱点があります。Bluetoothイヤホンを購入する際には、自分の使用環境とデバイスの対応コーデックを鑑みて製品を選んでみましょう。
【参照】AVIOT/技術情報
安定した接続を求めるならBluetoothの〝バージョン〟にも注目
Bluetoothでは、世代をおうごとに「Bluetooth 5.2」、「Bluetooth 5.3」というように、数字が大きくなっていきます。これらの数字は「バージョン」とも呼ばれるもので、iPhoneでいうiPhone 13、iPhone 14のようなものと覚えておきましょう。
Bluetoothのバージョンが新しくなると、通信速度や通信範囲などの性能が高くなるとされているので、安定した接続性を重視するのであれば、できるだけ新しいバージョンに対応した製品を選ぶのがおすすめです。
【参照】radius 公式コラム/Bluetoothのバージョンの違いについて解説【イヤホン選びの前にチェックしよう!】
※データは2023年7月上旬時点での編集部調べ。
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文/佐藤文彦