加賀温泉郷で食べた〝純白の御前蕎麦〟
池森史上最高峰と言うべき更科そばに出会った。この感動を記事に残しておきたい。
店名は「手打ちそば 加賀上杉」。石川県にある加賀温泉郷のひとつ、山代温泉の温泉通り商店街に暖簾を構えるお蕎麦屋さんだ。かねてからDEENは、全国津々浦々の温泉街へ赴き、ファンクラブイベントを開催している。ここ数年はツアーにあわせてご当地のお蕎麦屋さんを巡ることがルーティンのひとつになっており、「手打ちそば 加賀上杉」もそういった経緯で見つけたお店のひとつだ。
「手打ちそば 加賀上杉」の看板メニューは、長野産のそばの実の芯だけを使った更科そば(御前蕎麦)。観光客だけでなく、隣県から蕎麦好きが足しげく通う行列店なのだが、席を予約できることもポイントが高い。そして何よりも池森は、福井県のソウルフードである辛味大根のおろしそばが大好物。石川県は福井県の隣県とあって期待も大きく、当日はおなかを鳴らしながら雑誌のリモート取材を乗り切った。
注文したのは『おろしそば』と『かけそば』の2品。待望のお蕎麦はうっとりするほど透き通った純白。しばらく恍惚と眺めていたかったが、空腹に背中を押されて『おろしそば』から箸をのばした。
いつもどおり、最初はお蕎麦だけをひと口。香り、甘味は上品で、喉ごしもすばらしい。お次は辛味大根をひと口。一拍置き、おもむろに辛味大根とネギ、お汁をぶっかけ、ズズズとすすった(この辛味具合はたまらないヤツだ!)。白だしベースのかけそばも嫉妬するほど旨い。塩味が絶妙で、あっという間にお汁まで飲みほしてしまった。
池森がプロデュースする東京・赤坂の「SOBA CAFE IKEMORI」では乱切りの十割蕎麦で『かけそば』を提供しているが、更科バージョンを開発してみたくなった。
会計を終え、後ろ髪を引かれる思いで店内を見渡すと、大多数のお客さんと目が合い、会釈された。どういうわけだろうと呆けていたら、マネージャーのひと声で気恥ずかしくなってしまった。どうやらフレンズ(DEENファンの愛称)の方々に、池森の行動パターンは筒抜けらしい(笑)。
山代温泉ですばらしい更科そばに出会いました。また絶対に伺いたいと思います! ご馳走さまでした。
『おろしそば』1250円
『かけそば』1100円
手打ちそば 加賀上杉
[住]石川県加賀市山代温泉温泉通り42 [電]0761・77・5026
[休]火曜、水曜日 ※祝日の場合は営業 http://kaga-uesugi.com/
いけもり しゅういち
DEENのヴォーカリストであり、YouTubeチャンネル『信州戸隠池森そば 赤坂店』店主。2023年3月にDEENデビュー30周年を記念したライヴを日本武道館で開催。自身初のレシピ本『分とく山・野﨑洋光監修DEEN池森の「創作」乾麺蕎麦レシピ』(小学館)発売中!
※「池森秀一の蕎麦ログ」は、雑誌「DIME」で好評連載中。なお、本記事はDIME8月号に掲載されたものです。
※本記事内に記載されている商品やサービスの価格は2023年5月31日時点のもので変更になる場合があります。ご了承ください。
DEEN池森秀一さんの乾麺蕎麦創作レシピ本、絶賛発売中!
人気バンドDEENのボーカル・池森秀一さんは15年以上、365日ほぼ毎日食べ続けるほど、こよなく蕎麦を愛するオタク。人気テレビ番組「マツコの知らない世界」(TBS)や「家事ヤロウ!!!」(テレビ朝日)への出演で、その偏愛ぶりをご存じの方も多いのではないだろうか。
そんな池森さんと日本を代表する料理人「分とく山」の野﨑洋光さんによる、乾麺蕎麦を使った創作料理での夢の競演が実現した。それぞれが考案したオリジナルの乾麺蕎麦レシピ全50品を、蕎麦に対する熱い思いやこだわりとともに紹介するレシピ本『分とく山・野﨑洋光監修 DEEN池森の「創作」乾麺蕎麦レシピ』が発売された。