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【ヒャダインの温故知新アナリティクス】映画「ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー」の大ヒットで思い出すあれこれ

2023.07.23

『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』

『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』大ヒット上映中/東宝東和
©2023 Nintendo and Universal Studios

 ども。マリオ映画がメガヒットですね! ここまでヒットするとは。執筆時点では劇場が大混雑で、私はまだ観に行けていないのですが、近日中に観に行く予定です。もし満席なら聖闘士星矢のほうにしようかしら。

 さて、私の幼少期からあったスーパーマリオシリーズに映画がなかった、というのもびっくりですし、満を持して発表した作品が超絶ヒットする、というのもIPとしての優秀さを超える制作陣の底力を感じます。そう、いくら認知度が高くても作品としてしんどいとヒットしないんですよね。むず(ちなみに聖闘士星矢は実際観たらおもしろいらしいですよ!)。

 ゲームのアニメ化、実写化に思いを馳せると、まず成功例としては近年では『名探偵ピカチュウ』が思い出されます。ハリウッド制作のポケモン映画。CGの出来がさすがのハリウッド。ピカチュウの声がおじさん、という特に日本のファンには不安を残す前評判でしたがこれがおもしろかった! なぜそのおっさん声なのか、という理由もありますし。実写化のお手本のような作品だと感じました。しかし『モンスターハンター』や『バイオハザード』のようになかなか難しいものも。やはり原作がアクションゲームだと、ゲーム内で自由自在プレーできるのと逆で決められた上映時間の中で、ゲームほどの自由度がない生身の人間のアクションは物足りなく感じてしまうのでしょうか。そもそもゲーム自体がハリウッド映画のように作られたゲーム『アンチャーテッド』の映像化も観ましたが、やはり少し窮屈に感じました。それほどゲームの映像化は難しい、ということですね。

ゲームのアニメ化・実写化の難しさはどこにあるか?

 ここで温故知新としてあげたいのが『DRAGON QUEST-ダイの大冒険』。最近も改めてアニメ化された名作ですがもちろん世界線はかの名作、ゲーム『ドラゴンクエスト』です。しかし、ドラクエの主人公は私たち自身てことで、全くゲーム内ではおしゃべりしないんですよね。これをアニメ化もしくは実写化して主人公にセリフを喋らせたら確かに違和感がある。ドラクエアニメ化でそういう作品もあるはあるのですが、『ダイの大冒険』のすばらしさは、ドラクエのシステムや世界観を踏襲しつつ、ゲームのシナリオとは全く関係ないお話だったということです。

 ゲームに出てきた人間キャラクターは出てこないけど、モンスターや呪文や武器は共通しているという。それにより独自のストーリーが紡がれ、主人公のダイはもちろん、へなちょこ魔道士だったポップの成長物語として感動巨編となりました。私もポップのあのシーンで何回泣いたことか。これは大成功例と言っていいのでは。

 ゲームからは少し離れますが、同じジャンプコミックス、さらにドラゴンつながりで思い出されるのが名作『ドラゴンボール』のハリウッド映画化です。あれは本当になんだったんでしょうか。孫悟空がまさかの高校生。原作へのリスペクトもあまり感じられないB級作品で逆にカルト映画としてはおもしろいです。かめはめ波が回復技になった時は大笑いしました。誰か止めろよ。

 少し話はそれましたが、ゲームのアニメ化・実写化はゲームならでは自由度が制限される中で作らねばならないという制約が難しいのでは。と、過去の成功失敗を見て考察した後、改めてスーパーマリオの映画化大成功を考えるとゲームの自由度を映像に落とし込める技術が伴うのをNintendoはひたすら待っていたのではないか、とすら感じます。映像のCG技術などがやっと2023年で満足いくものが出揃ったのだとしたら、今まで不可能だと考えられていた作品たちもどんどん映像化されるかもしれませんね。

 実際、Nintendo側は今回の成功を受け、まだまだいるNintendoの〝芸人〟たちをディズニーのように映像化させていきたいと野心を語っていました(芸人、と表現するのがさすが京都の会社です)。そう考えた時にすでにNintendo版〝アベンジャーズ〟はあるんですよね。そう、『大乱闘スマッシュブラザーズ』。スマブラをカタログのように次の主人公を妄想するのも楽しいですね!

文/ヒャダイン

ヒャダイン

ヒャダイン
音楽クリエイター。1980年大阪府生まれ。本名・前山田健一。3歳でピアノを始め、音楽キャリアをスタート。京都大学卒業後、本格的な作家活動を開始。様々なアーティストへ楽曲提供を行ない、自身もタレントとして活動している。

※「ヒャダインの温故知新アナリティクス」は、雑誌「DIME」で好評連載中。本記事は、DIME8月号に掲載されたものです。

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