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普段よく使っているのに読めない!?「偶に」の正しい読み方と言葉の由来

2023.08.18

普段何げなく使っているけれど、漢字で出題されると読めない単語がありませんか?『偶に』もそんな言葉の一つです。まれに漢字で表記されることもあるので、読み方や類語について確認しておきましょう。あわせて、よく使うのに読めない難読漢字も紹介します。

「偶に」の読み方と意味

『偶に』は、なんと読むのでしょうか。まずは読み方と意味、さらに『偶に』という言葉ができた由来について見ていきましょう。

「偶に」の読み方

『偶数(ぐうすう)』『偶然(ぐうぜん)』に見られるように、『偶』は『ぐう』の読みで使われることが多い漢字です。そのため、『偶に』と表記されると『ぐうに』と読んでしまいたくなるかもしれません。

しかし、正しい読み方は『たまに』です。『たまに失敗してしまう』『たまに行くことがある』など、会話でも書き言葉でも頻繁に使われています。

おそらく誰もが一度は使ったことがあるはずです。しかし、漢字でどう書くか知っている人は、そう多くありません。

難読漢字の中では易しい方なので、次に解説する意味とあわせて覚えておくとよいでしょう。

「偶に」の意味

漢字は読み方により、異なる意味を持つことがあります。『偶』という漢字も、『たま』と読むときと、『ぐう』と読むときで意味が変わります。

『たま』と読んだ場合の意味は、『めったにない』『珍しいことそのもの』です。後者の意味の場合は、『たまの休み』『実家に帰るのは、たまのことだ』のように使われます。

『ぐう』と読んだ場合は、『対をなすもの』『思いがけず』『人の形に似せたもの』といった意味です。『配偶者』『偶発』『偶像』といった熟語に含まれています。

「偶さか」が由来?

『偶に』と同じ意味合いで使われる、『たまたま』や『たまさか』という言葉を聞いたことはないでしょうか。漢字で『偶々』『偶さか』となるこれらの言葉が、『偶に』の由来であるとされています。

奈良時代には、『思いがけないさま』や『偶然であるさま』を意味する言葉として、『偶さか』が使われていました。平安時代に入ると、それが『偶々』へ変化します。

その代わりにもともと使われていた『偶さか』は、『珍しいさま』『その場合や機会が数少ないさま』を表すようになったといわれています。

「偶に」の類語・言い換え表現

手紙を書く

(出典) pixta.jp

会話ではあまり気になりませんが、文書やメールで同じ言葉ばかり使っていると格好がつかないものです。そこで、『偶に』にしっくりくる類語や言い換え表現を覚えておきましょう。

「稀」

珍しいことを意味する『偶に』は、『稀(まれ)』という言葉に置き換えられます。『実現・存在することが非常に少ないさま』を意味します。

以下は、『稀』の使用例です。

  • この映画は、稀に見る名作だと評判だ
  • 私が海外旅行に行くのはとても稀だ
  • このフルーツはごく稀にしか店頭に並ばない

『偶に』と表現すると『頻繁ではないが、起こる可能性は十分ある』といったニュアンスですが、『稀に』となると『一度きりでもおかしくないほど珍しいさま』といった意味合いになります。

「滅多に」

『~することがたまにある』を否定文で表すと、『~することはめったにない』ともいえます。『めったに』の漢字表記が、『滅多に』です。

『滅多に』が肯定文で使われることはなく、『~ない』を伴って、『非常に珍しいさま』を表します。

  • 彼は普段忙しくて、滅多に時間が取れない
  • こんなにおいしいものはめったに食べられない
  • 彼女は滅多に人前で泣くことはない

ただし、『滅多』自体は、『よくあるさま』を表す言葉です。後に打ち消しの語を伴って『に』が付くか付かないかで意味が真逆になることに注意しておきましょう。

ほかにもある読みにくい難読漢字

水雲

(出典) pixta.jp

誰もが知っている言葉、けれど多くの人が読めない漢字はほかにもあります。普段は平仮名でしかお目にかかれない、二つの難読漢字を紹介します。

「水雲」

『雲』は、難読漢字によく登場する漢字です。『出雲(いずも)』や『雲丹(うに)』は、見聞きしたことがあるという人も多いのではないでしょうか。

さて、『水雲』はどう読むかというと、答えは『もずく』です。昆布やワカメと同じく、よく食卓に上る海藻の仲間で、三杯酢で味付けされた『もずく酢』がなじみのあるレシピです。

『水雲』のほかにも、『海蘊』『海雲』『藻付』と表記されることもあります。なお、難しい漢字の『蘊』は『うん』と読み、『積み蓄える』といった意味があります。

「湯湯婆」

『湯湯婆』の読み方のヒントは、主に冬に布団の中に入れて使うものです。布団の中で使うお湯といったら、想像がつく人もいるのではないでしょうか。

答えは、『ゆたんぽ』です。日本の漢字の多くは、中国から伝わってきました。『湯』を『タン』、『婆』を『ポ』と読むのは、宋(中国)以降の字音から伝わったものです。

『湯婆(たんぽ)』は湯を入れる容器を指します。そこに温かい湯を入れることで、『湯』の字をプラスして『湯湯婆(ゆたんぽ)』となりました。

構成/編集部

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