SmaChari
より多くの自転車に電動アシスト機能を追加でき、ネットワークにもつなげられるようにする新サービス「SmaChari(スマチャリ)」。今年3月にホンダが発表し、9月にはワイズロード社が第1弾の対応モデルを発売予定だ。自転車メーカーや販売店としては自社製品の電動アシスト化がより簡単にできるほか、購入する一般のユーザーにも様々なメリットがあると、ホンダの開発チーム・野村真成リーダーは話す。
「例えば、SmaChariに登録したスマホを同サービス対応の自転車にタッチすると認証され、電動アシストユニットの電源が入る仕組みです。スマホが強力な鍵となり、セキュリティー面を強化できるようにしています」(野村リーダー)
もちろんSmaChariに登録した専用アプリとの連携によって、経路や速度などの走行ログを管理でき、仲間や家族との位置情報の共有も行なえる。ホンダが自動車で収集した走行データを連携させる点もユニーク。交差点などの危険な場所に同サービス対応の自転車が近づくと、専用アプリが警告音を発し、注意を呼びかけるそうだ。
「SmaChariにより、便利で安全な電動アシスト自転車の選択肢が広がることを期待しています」(同)
SmaChariは電動アシスト自転車をさらに普及させるトリガーとなりそう。高度なコネクテッド化で自動車、バイク、自転車が無理なく共生できる社会に近づくかもしれない。
SmaChari搭載自転車がユーザーに提供されるまでの流れ
ホンダは自転車の製造・販売企業に対して、SmaChariのライセンスやプラットフォームを提供し、電動ユニットを含む対応モデルの開発をサポート。一般ユーザーには専用アプリで安心・快適な自転車ライフを提供する。
専用アプリでは様々な走行データなどを管理できる!
専用アプリでは、電動アシストのパワーやレスポンスを設定したり、経路や速度などの走行ログを管理したりできる。注意すべきエリアなどに差し掛かると、警告音を発するのが心強い。
1947年に発売された〝バタバタ〟と呼ばれた自転車用補助エンジンが原点
ホンダのルーツは自転車の〝後付け〟用として販売した自転車用補助エンジン、通称「バタバタ」にある。SmaChariも動力を〝後付け〟する点と、移動を楽にするコンセプトは同じだ。
取材・文/河原塚英信