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知ってる?読めそうで読めない言葉「浚う」

2023.08.04

『浚う』は一般的に使われる言葉です。いったい、何と読むのでしょうか?読み方や、言葉・漢字の意味を解説します。浚うと同じような意味を持つ、類語・言い換え語も併せて確認しましょう。浚う以外の難読漢字もいくつか紹介します。

「浚う」の読み方とは?

『浚う』には『俊』『凌』など似たような漢字がいくつかあり、読み方に戸惑う人もいるでしょう。どう読むのか、読み方と意味を解説します。

側溝

(出典) pixta.jp

「浚う」の読み方

『浚う』は『さらう』と読みます。『渫う』と書くこともあり、どちらも同じ使い方です。

『浚』は『しゅん』『さら(う)』と読み、古くは『ふかい』とも読んだとされています。

『渫』は『せつ』『ちょう』『さら(う)』と読み、古くは『やめる』とも読まれていたようです。

『浚える』とも書き、関西地方では元の意味とはやや異なる『食べ切る』『全てなくす』のような意味で使われることもあります。

「浚う」の意味

『浚う』の意味は、『水をくみ出し、泥や砂をかき出すこと』です。転じて、『中身を全て取り出す』という意味でも使われています。

『浚う』を使った表現には『ドブ浚い(どぶさらい)』『洗い浚い(あらいざらい)』『鍋を浚う』がありますが、現代ではどの表現でも平仮名を使うケースが多いでしょう。

『ドブ浚い』は、ドブの中からゴミや砂をかき出し、きれいにすることです。『洗い浚い』は『残らず全て出す』意味で使われます。『鍋を浚う』は、『鍋の中の食べ物を全て食べる、取り出す』という意味です。

『浚』は『水をくみ出す』、『渫』は『水の底にある泥を外に出し、水を清める』意味を持つ漢字です。どちらも同じ意味があり、ほぼ同義で使われています。

「おさらい」の語源

浚うと同じ読みの漢字に『お復習い(おさらい)』があります。復習の意味での『おさらい』は、『繰り返し練習する意』で使われており、現代ではひらがなで書かれることが多いでしょう。

『復習う』の語源が『浚う』であるという説もあります。水から泥や砂をかき出すには時間がかかり、繰り返し作業する必要があることから、『お復習い』の語源となったというものです。

ただし、古語ではどちらもひらがなで書かれており、どちらの言葉・意味が先に使われ始めたかは定かではありません。復習の意味での『さらゆ』『さらゆる』は室町時代ごろから使われているともいわれており、俳諧・類船集では『鹿猿の鳴音を聞ては弓をはり、鉄炮をさらゆる猟人のわざとかや』という表現も見られます。

※出典:

復習(ふくしゅう)とは? 意味や使い方 – コトバンク

「浚う」の類語・言い換え表現

金魚すくい

(出典) pixta.jp

現代では、『浚う』を使う場面は限られています。他に、使える表現はあるのでしょうか?水や液体に関する類語・言い換え表現を紹介します。

「掬い上げる」

『掬い上げる(すくいあげる)』は『掬う』が変化した言葉です。『掬う』には、手のひらやスプーンのような形状のもので、液体や軟らかいものを包み込んで取り出すという意味があります。

液体・粉末・半固形のものだけでなく、水の中に浮かぶ固形物を取り出すときにも使われる言葉です。『金魚掬い』を例に出すと、水から金魚を取り出すときの動作が『掬う』です。

『掬い上げる』は、掬ったものを持ち、引き上げるときに使われます。

【『掬い上げる』を使った例文】

  • 両手で土を掬い上げた
  • 豆腐をおけから掬い上げた

「汲み出す」

『汲み出す』は『くみだす』と読みます。主に水を汲み、どこかへ移動させることを指す言葉です。『浚う』にも水や泥を外に出すという意味があり、同じような場面で使われます。

洪水によって一部の場所が浸水してしまったときに、『泥水を汲み出して一時しのぎをする』のような使い方が例として挙げられるでしょう。

『汲み出す』はきれいな水だけを汲むときにも使われ、『ポンプを使って水を汲み出す』のような使い方もされます。

この難読漢字読めますか?

『浚う』も読み方に悩む漢字ですが、他にも難読漢字はあります。よく知っている単語でも、漢字にすると読みにくいものは多いでしょう。いくつか、よく知られている単語を紹介します。

「素見す」

『素見す』は一般的に『冷やかす』と書き、『ひやかす』と読みます。『素見』と書いて『ひやかし』とも読み、店で何も買わずに帰っていく客に対しても使われる言葉です。

ひやかしという言葉が、見るだけで帰ってしまう客に対して使われ始めたのは、江戸時代といわれています。

紙の原料を煮て冷やす工程が『ひやかす』です。職人たちが原料を冷ましている間だけ近くの吉原へ行き、遊女を見て回ったため、『原料をひやかす間、遊女を買う気もなくうろついている客』の意味で『素見(ひやかし)』という言葉が使われ始めたといわれています。

現代では、客だけでなく、気持ちを冷ますようなことをいってからかう様子を指すときにも、『冷やかす』が使われます。

「転寝」

『転寝』は、『うたたね』と読みます。他に、『仮寝』と書いて『うたたね』と読むケースもあるようです。

現代では『うたた寝』と書くことが多く、漢字で書かれる場面はほとんどないでしょう。うたた寝の意味は、『寝るつもりがないのにうっかり寝てしまうこと』です。

また、転寝には他の読み方もあり、『ごろね』『ころびね』『まろびね』とも読まれます。

『うたたね』と『ごろね』は現代でもよく使われる言葉です。転寝の読み方は複数ありますが、書籍では『うたたね』とされることが多くなっています。

構成/編集部

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