ブリティッシュ・アメリカン・タバコ(BTI)
ブリティッシュ・アメリカン・タバコは、英国を拠点とする大手タバコ会社で、200カ国を超えるグローバルなタバコ市場での長い歴史と広範なネットワークを持っています。
2016年までタバコ業界のシェア1位はフィリップモリスでしたが、買収によって現在は業界1位のタバコ企業となっています。
同社はラッキーストライク、ケント、ダンヒルなどの有名ブランドを所有しており、地域ごとに適切な戦略を展開しています。
ブリティッシュ・アメリカン・タバコは新興市場での展開にも積極的であり、成長の機会を追求しています。市場の要求に応じた製品の提供や持続可能な事業の推進にも力を入れており、企業の将来において重要な要素となっています。
<注目したいADR銘柄>
ブリティッシュ・アメリカン・タバコは英国銘柄のためADR銘柄に該当します。
このADRという制度は、英国で購入したのと同じ恩恵があり、米国株のように外国税10%の二重課税がありません。これは日本人投資家にとって大きなメリットといえるでしょう。
・執筆時点(7/14)の株価 33.05ドル 配当利回り 8.24%
タバコ産業の課題
現在、タバコ業界はさまざまな課題に直面しています。
たとえば喫煙率の低下や健康リスクに関する関心の高まり、規制の厳格化などが挙げられます。これらの要素は、企業の収益性や将来の成長に影響を及ぼす可能性があります。
したがって、各企業は持続可能性や健康に対する取り組みに力を入れ、市場の変化に対応するために努力を重ねています。
タバコ産業は不確実性の高い状況にあるものの、アルトリア・グループ、フィリップモリス、ブリティッシュ・アメリカン・タバコといった主要プレーヤーは、それぞれの強みを活かして市場で競争を続けています。
アルトリア・グループの地盤固めと新たなビジネス領域への進出、フィリップモリスのイノベーションと加熱式タバコ市場でのリーダーシップ、ブリティッシュ・アメリカン・タバコのグローバルな展開と持続可能性への取り組みは、各社の将来展望において重要な要素となっているのです。
タバコ産業の投資ポイント
タバコ産業への投資は高配当が大きな魅力であるため、配当目的で投資する場合、下記のポイントを考慮すべきでしょう。
1:健康リスクや規制の変化に対する企業の対応能力:タバコ企業が持続可能な成長を追求するために、健康リスクへの対応や規制に柔軟に対応できる能力が求められます。
2:新興国市場の成長ポテンシャル:喫煙率が高く、需要が増加している新興国市場における企業の展開能力や市場シェアの獲得が重要です。
3:イノベーションと新たな製品開発:タバコ企業が煙の発生しない可燃式タバコを開発するなど、今後もイノベーションを通じて市場の変化に対応し、新たな製品を開発する能力が将来の成長に影響を与える可能性があります。
4:持続可能性への取り組み:製造や流通過程における環境負荷を削減するための取り組みを行っており、具体的には、廃棄物の削減やリサイクル、水資源の効率的な使用、二酸化炭素排出量の削減などが含まれます。各企業の持続可能性への取り組みや社会的責任に対する姿勢は、投資家の選択に大きな影響を与える要素となります。
おわり
結論として、タバコ産業は厳しい環境に直面していますが、アルトリア・グループ、フィリップモリス、ブリティッシュ・アメリカン・タバコのような主要企業は、市場での競争力と独自性を持ち合わせています。
またタバコ市場は新興国や成長市場での需要に大きく影響を受けています。
新興国では喫煙率が高く、需要が増加している一方で、規制の強化や健康への懸念が広まっています。
タバコ企業はこれらの市場の変化に敏感に対応し、戦略を調整する必要があるでしょう。
とはいえ、まだまだ市場が大きくなり高配当投資としても魅力的なタバコ産業は、マーケットが下落しているときも確実に配当が得られるので、感情に左右されて狼狽売りするリスクを減少させることが期待できます。
またタバコ産業は各国の政策による変化をダイレクトに受けるため、市場参加者は常に状況を注視し、時代の変化に柔軟に対応していく姿勢が必要でしょう。
文//鈴木林太郎