全国を駆け巡る多忙なビジネスパーソンなら一度は食べたことがあるであろう、通称「シンカンセンスゴイカタイアイス」。
このアイスは、スジャータめいらくグループが製造しているもので、東海道新幹線の車内販売で人気の逸品だが、先日SNSで「シンカンセンスゴイカタイアイス」が商品名になったとの情報を目にした。実際にオンラインショップのHPを拝見すると…
たしかに堂々とその名が記載されている。
密かに出世していた「シンカンセンスゴイカタイアイス」
そもそも「シンカンセンスゴイカタイアイス」という愛称は、一説には2013年頃からネット上で頻繁に見かけるようになったらしいが、あくまで俗称、通り名のようなものだった。
しかし、瞬く間に広まった言い得て妙な愛称は、非公式ながらいつの間にか定着。それがついに公式も認める商品名として採用されたのである。新幹線で多くのビジネスパーソンの人生を支えながら、「シンカンセンスゴイカタイアイス」も密かに出世していた。
これは英断でしかない。硬すぎてスプーンが直立するほどの威力を持つロングセラー商品が、また新たな命を吹き込まれたかのようだ。
今回、素晴らしい決断をした株式会社ジェイアール東海パッセンジャーズの担当者に、その経緯を聞いた。
–最近「シンカンセンスゴイカタイアイス」が商品名になったとお聞きしました。その理由を教えてください。
「実は2022年4月頃よりJRCPオンラインショップでは商品名に『シンカンセンスゴイカタイアイス』を使用しております。ただ、正式名称は「スジャータアイスクリーム」なんです」
–あ、そうなんですね!
「東海道新幹線の車内で販売しているアイスクリームが通販でも購入できることを多くの方に知っていただきたく、オンラインショップでは「シンカンセンスゴイカタイアイス」という名称を付けさせていただきました」
なるほど。そういうことだったのか。
改めて、「車内販売」の商品一覧を見ると、こちらは「スジャータアイスクリーム」と記載されている。(気付く人だけ気付きそうな白字で『シンカンセンアイス』の文字があるが笑)。要するに、オンラインショップでの表記だけ慣れ親しんだ「シンカンセンスゴイカタイアイス」の名を使用しているとのこと。
「みなさんに「シンカンセンスゴイカタイアイス」を育んでいただいていることを大変嬉しく感じており、弊社でも「シンカンセンスゴイカタイアイス」という名称を大切にしてまいりたいと考えております」
ファンだけでなく公式も愛してやまない人気アイス。これからも新幹線利用者を癒し、全国にその美味しさを広めることだろう。
…ということで、名称の真相は判明したのだが、やはりここは唯一無二のあの“硬さ”についても深掘りしておくべきだろう。スプーンでは容易に深掘りできないあのアイスは、一体ナゼそこまで硬いのか?
「硬い理由としては、冷凍庫設備のない新幹線車内で徹底した品質管理を行っているためです。ドライアイスを使用して徹底した温度管理を行っているので結果的にカチカチの状態となっております」
さらに、硬さの秘密は製造方法にもあるという。
「スジャータのアイスクリームは濃厚な美味しさを生み出すため、空気含有量を低くしてアイスクリームの密度を高めていることから、一般のアイスクリームより硬めです。そのため、スジャータならではのねっとりとした濃厚な味をお楽しみいただけます」
食べたことのある人なら分かると思うが、たしかに濃厚だ。硬さの奥に濃厚な強さを感じる。
ちなみにバニラアイスは発売当初から硬さも味も一切変わっていないとのこと。個人的に年々硬くなっている気がしたが、そうではなかった。
ところで、硬すぎることで購入者から苦情などはないのだろうか?これも聞いてみた。
「実際にお客様からそのようなご意見をいただくこともございます。逆に硬いアイスとして認知度が高まり、その硬さを楽しみにされているお客様のお声も聞いております」