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走りの楽しさをとことん追求したメルセデスAMGのEVセダン「EQE 53 4MATIC+」

2023.07.17

 メルセデス・ベンツの新しい乗用車シリーズが「EQ」シリーズ。100%電気を動力源にするクルマのシリーズで、すでに「EQA」「EQB」「EQB」「EQC」「EQE「EQS」が発売されている。「EQE」は「EQ」モデルとして初の3BOXタイプのセダンで、2022年9月に日本でも発売を開始した。

EV専用プラットフォームを採用したデジタルなデザイン

 そのスタイリングは、フロントにエンジンやミッションを搭載する必要がないことから、これまでのメルセデスの乗用車のシルエットとは異なるキャブフォワードなプロポーションしている。通常のセダンよりも前方に位置するAピラーと前後のショートオーバーハングにより、キャビンスペースが長く確保されている。

ボンネットは左右フェンダーまで回りこんでおり、普段は開閉できない。開閉はサービス工場でしか行なうことができない構造だ。ウォッシャー液の補充などは左フェンダー側面のサービスフラップから行なう。新しい時代のEVは、ユーザーの日常メンテナンスもフリーにし、ボンネットを開けさせないのだ。ドアハンドルも格納式で、走行中はボディと面一になる。

 内装も「EQE」自体がメルセデスとして初めてのEV専用プラットフォームを採用したモデルということもあり、デジタルなデザインを取り入れている。オプション設定のMBU+ハイパースクリーンは3枚の高精細パネルがダッシュボード全体を1枚のガラス板のワイドスクリーンになっている。3枚はコクピットディスプレイ、メディアディスプレイ、フロントディスプレイで構成されている。

 このレイアウトは「AMG53」でも同じだが、メーター表示を見ると、スピードメーターはノーマルの「EQE」が240km/hスケールに対し「AMG53」は280km/hまで刻まれていた。EVもAMGになると、最高速表示も280km/hになってしまうのだ。ディスプレイ表示はTRACKPACE/Supersport/スポーティ/クラシック、ジェントル、ナビ/アシスト/サービスの8パターンから選べる。

 今回の試乗ではスポーツを多用した。パワーユニットは「AMG53」は2モーターの4輪駆動、ノーマルの「EQE350+」は1モーターの後輪駆動だ。2モーターの性能だが、リチウムイオン電池のエネルギー容量は90.6kWh。これはノーマルの「EQE」と同じだが、出力は625PS、950Nm(ノーマル1モーターは292PS、565Nm)に達する。駆動力配分はトルクシフト機能により、前後のモーター間で駆動トルクの連続可変配分が行なわれる。

しかし、その加速性能は、公道でのストップウォッチ計測でも0→100km/hを4秒台で走り切った。その走りは、スタートからドカンッという感じでダイレクトに加速Gが頭にかかり、一瞬、血の気が引く、というのはこういうことか、という加速Gを体験させてくれる。この加速を一般ユーザーが誰でも出せるというのがEVスポーツの特徴でもある。

「EQE」のノーマル仕様もそうであったが、音の味付けがスポーツ感覚。AMGもその路線を受け継いでおり、S+モードではアイドリング(?)からうなり音を発する演出が採用されている。もちろん全開加速中も、エキゾーストサウンド的な音が耳に入ってくる。

 各モードの切り替えは、3本スポークのハンドルを指で操作することで選択できる。パドルレバーもあるが、これは回生モード(強化回生/普通回生/回生なし)を左右のパドルで選択することができる。ハンドリングだが、各モードでサスペンションなどの変更が可能。ダンパーは別のスイッチでコンフォート/ダイナミックの選択ができる。「AMG53」の味付けは全体に重めで、乗り心地も硬め。これは前265/40R20、後295/35R20という極太のタイヤの影響もあると思う。

 

 EVの性能だが、「AMG53」の航続可能距離は526km。ちなみにノーマル仕様は1モーターで624kmだ。試乗した「AMG53」では、充電量99%表示で、可能走行距離は463kmと表示されていた。さらに約40kmを走行して、充電量は90%に減少していた。この時点で、200V充電を試みたが、100%充電に要する時間は3時間45分と表示されていた。

 マイカーとして、自宅充電できれば、この高性能EVも十分に実用的だ。斬新な外観だが、前席の着座は高めだと、ドア上縁に頭をぶつけそう。急角度のAピラーも根元部分の死角が気になる。天地の狭いルームミラーでの後方視界も狭い。ドイツ車はメルセデスに限らず、カメラによるデジタルリアミラーを装着していないが、こういう先進的なクルマこそ実用化してほしい。

 後席は、座面前端が高く、着座も高め。こちらも乗車時に開口部上縁が気になる。室内は床面もフラットに近く、広く感じる。背もたれは、4/2/4で分割可倒し、トランクスペースと一体化する。トランクも奥行き、左右幅ともに100cm近く、高さも約54cmあるので実用的。さらにサブトランクに充電ケーブルが収納できるので、広く使える。

 ノーマル仕様のEVを発売したと思えば、即座にチューニングモデルのAMGを追加する。EVになっても走り屋のことを忘れないのが、ドイツメーカーの凄いところだ。

■関連情報
https://www.mercedes-benz.co.jp/passengercars/models/saloon/eqe/amg.html

文/石川真禧照 撮影/萩原文博

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