100円ショップの雄であるダイソー。店の文具コーナーに行くと、多くの強力接着剤や瞬間接着剤が陳列されている。
「セメダイン」や「アロンアルフア」といった著名ブランドの商品もあるが、気になるのがダイソーブランドの接着剤。これがまた、多くのラインナップを擁している。はたして、接着力を含めた性能面ではどうなのだろうか? 主要な商品を購入して確かめてみた。
目次
垂直面に塗布してもOKな「強力瞬間接着剤 ゼリータイプ」
接着剤の粘性が高く、壁の垂直面や凹凸面にもタレずに塗布できるのがこちら。接着できる材質は、金属、木材、ゴム、硬質塩化ビニール、陶磁器、厚紙など。
塗布にはコツがあって、片面に線状か点状に塗る。そして、しばらく押さえておく。あまり塗り過ぎると、かえって接着しなくなる、定着に時間がかかるなど問題が生じるので注意。これは、どの瞬間接着剤にも言えることだ。
接着力の検証のため、缶バッチの制作に使う円形の金属2枚を貼り合わせてみた。短時間で強固に接着し、ブランドものの接着剤に劣らない性能を示した(この検証は以下すべての接着剤について行い、いずれの商品も合格している)。
■商品詳細
商品名:強力瞬間接着剤 ゼリータイプ
価格:110円
原産国:台湾
材質:シアノアクリレート 93%、その他の樹脂 7%
商品サイズ:5g
種類:-
接着面を合わせての接着に最適な「強力瞬間接着剤 超速乾」
塗布してすぐに乾く(硬化する)のが特徴で、粘性も低いため、プラモデルの「流し込み」といった、パーツ同士を合わせての接着作業に最適。逆に、塗布してから接着面を見定めてくっつけるといったシーンには向かない。
接着できる材質は主に、硬質塩化ビニール、金属、陶磁器、ゴムとなっている。
■商品詳細
商品名:強力瞬間接着剤 超速乾
価格:110円
原産国:台湾
材質:シアノアクリレート 99.9%
商品サイズ:5g
種類:-
ガラスの接着も可能な「強力瞬間接着剤 多用途」
「微量で瞬間接着」をうたい、かつ「多用途」となって汎用的に使えるのがこれ。先に紹介した2商品にプラスして「ガラス」が用途に加えられているが、ABS樹脂や発泡スチロールといった、もともと瞬間接着剤が苦手なものはやはり不適であることに注意。
■商品詳細
商品名:強力瞬間接着剤 多用途
価格:110円
原産国:台湾
材質:シアノアクリレート 99.9%
商品サイズ:5g
種類:-
多くの硬質素材が接着できる「強力瞬間接着剤 多目的タイプ」
先ほどの商品が「多用途」に対し、こちらは「多目的」。違いがわかりにくいが、表記を読むと、ガラスはNGだが、「接着できないもの」のリストにABS樹脂などは記載されておらず、「硬質素材」なら幅広く適用できそうだ。
この商品にはノズルの違いによるバリエーションがあり、通常のノズル、ペンタイプ、ハケタイプと3種類。くわえて、はがし液1本がついた、使いきりタイプ3本セットがある。
ペンやハケは、細かい箇所にピンポイントに塗布できる利点があるが、接着面が狭いとそもそも接着しにくいので、ごく軽い素材同士の接着に限られそうだ。ただ、ペンタイプは「液が固まり難い容器構造」と表記があり、瞬間接着剤を時々しか使わない場合、これが一番いいかもしれない。
■商品詳細
商品名:強力瞬間接着剤 多目的タイプ
価格:110円
原産国:日本
材質:シアノアクリレート100%
商品サイズ:ペンタイプは3g、使い切りは1g×4(うち1本ははがし液)、それ以外は5g
種類:-
手間暇かかるが接着強度はピカイチ「エポキシ2液混合タイプ強力接着剤」
主剤と硬化剤の2本で1パックの接着剤で、使用時は両方の液剤を接着面に塗布し、付属のヘラで混ぜてから接着する。接着(硬化)時間は10分ほどかかる。
瞬間接着剤と比べて手間も時間もかかるのに存在感があるのは、接着強度が高く、耐熱性、耐水性、耐候性に優れるから。特に金属、ガラス、プラスチックの接着では効果を発揮する。また、2本合わせて24gもありコスパがよい。「30秒でくっついてもらわないと困る」という場合でなければ、購入を検討する余地はあるだろう。
■商品詳細
商品名:エポキシ2液混合タイプ強力接着剤
価格:110円
原産国:台湾
材質:A主剤=エポキシ樹脂 100%、B硬化剤=変性アミン 100%
商品サイズ:12g×2
種類:-
撮影・文/鈴木拓也