あなたの周りに「あの人は、いったい1日が何時間あるんだろう?」と思ってしまうほど、物事を段取りよくテキパキこなす人はいませんか?
では、そういう「要領がいい人」たちは、生まれつき頭がよかったり、センスや才能の持ち主だったりするのでしょうか?
「要領がいい・悪い」は、決して才能やセンス、ましてや生まれつきの頭のよさの問題ではありません。「要領がいい人」は、ほんの少し、「脳の使い方」が違うだけ。
そこで「要領がいい」ということを、「ゴールへの最短距離を進めること」と定義し、その方法を最新の脳科学から解き明かす菅原洋平さんの著書『「仕事が終わらない人生」が180度変わる 努力に頼らず「要領がいい人」になる40のコツ』の中からDIME読者におすすめしたいノウハウを厳選、再編集してお届けします! 「脳の使い方」と聞いて、身構えてしまう方もいるかもしれませんが、決して難しいことは書いていませんので是非チェックしてみてください。
努力に頼らず「要領がいい人」になる40のコツ〈35〉要領がいい人が実践している「コミュニケーション」の基本
家族や友人、職場の人間関係であれば、「この人は同時系(継次系)だ」と思い浮かべられるのではないでしょうか。慣れてくれば、「生活関連」の人たちも分類できるようになるはずです。
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あなたの周りに「あの人は、いったい1日が何時間あるんだろう?」と思ってしまうほど、物事を段取りよくテキパキこなす人はいませんか? では、そういう「要領がいい人」...
ここからは、この分類をコミュニケーションで応用する方法をお伝えします。
まずは、すぐにできる質問の仕方です。
「同時系」の人だと、「継次系」の人に「どう思う?」と聞いて、相手の回答がすぐに返ってこないことにいら立った経験があると思います。
「継次系」の人は、「同時系」の人に「〇と△とどっちにする?」と聞いて、〇でも△でもない話をされていら立った経験があると思います。
「同時系」の人は、情報を関連づけて発展させていくので、質問するときには、決まった選択肢のない質問である「オープンクエスチョン」が向いています。
「○○についてどう思う?」「なにが好き?」と、選択肢を設けずに聞いてみましょう。
「継次系」の人は、情報の関係性を整理していくので、質問するときには、選択式の質問である「クローズドクエスチョン」が向いています。
「○って△かな、それとも□かな? どっちだと思う?」「〇と△ならどっちがやりやすい?」と、選択肢を設けて聞いてみましょう。
全体に伝えるときもメッセージを使い分ける
先日、研修を担当した企業でこんなことがありました。
この企業では、仕事がリモートワークになったことで、「上司や先輩に相談ができない」という社員の悩みが多く聞かれていました。その対策として、上司に相談できる専用の時間枠をつくることに。そこで、アナウンスの仕方に少し工夫をしてもらいました。
この企業では、企画立案や営業といった比較的「同時系」の人が多い部門と、経理や制作といった「継次系」の人が多い部門がありました。
そこで、それぞれに合わせてアナウンスを出してもらいました。
アナウンスをざっくりと分けると、要素は次の3つになります。
○経緯……「上司に相談できないという悩みが聞かれている」
○結論……「上司と相談できる専用の時間枠を設ける」
○メッセージ……「ぜひ、利用してほしい」「悩みの解決になる対策をしたい」
この3つを「同時系」「継次系」に合わせて組んでみると、どんな順番になるでしょうか。
【同時系が多いチームへの伝え方】
(1)結論「これから上司と相談できる専用の時間枠を設けることにしました」
(2)経緯「最近、上司に相談する時間がなく困っているという相談が寄せられています」
(3)メッセージ「みなさん、ぜひ利用してみてください」
→ 「同時系」が多いチームの場合、最初に実行している場面をイメージするので、結論から伝えます。次はその補足情報である経緯を、最後は実行するモチベーションを高めるためのメッセージを伝えます。
【継次系が多いチームへの伝え方】
(1)経緯「最近、上司に相談する時間がなく困っているという相談が寄せられています」
(2)メッセージ「私どもとしては、この悩みの解決になる対策をしたいと思っています」
(3)結論「そこで、これから上司と相談できる専用の時間枠を設けることにしました」
→ 「継次系」が多いチームの場合、まず因果関係を整理しようとするので、最初に経緯を伝えます。次は、安心感を与えるためのメッセージ(意思表示)を伝え、最後に結論です。
さらに、この例から、相手のタイプに合わせた要領がいいプレゼンテーションの順番が見えてきます。
「同時系」の人は、結論とメッセージを重視して、なぜそうなったかという経緯の理解がおろそかになりがちです。
「継次系」の人は、経緯の説明を理解してから結論を読み解きますが、メッセージには注意が向かなくなりがちです。
そこで今回の例のように、伝えたい相手の「型」に合わせて、足りない部分を間に挟むようにすると、伝わりやすくなります。資料づくりやプレゼンテーションで実践してみてください!
☆ ☆ ☆
いかがでしたでしょうか?
実は、次の大半の人が漠然と思い描いている「要領のよさ」 。5つで構成されているそうです。
1 「余計な情報」に惑わされない
2 「脳のムダづかい」を減らす
3 「すぐやる人」になる
4 「同じ失敗」を繰り返さない
5 「思い込み」を捨てる
この項目を見ただけで、 「たしかに、自分に足りないことかも」と思った人も多いのではないでしょうか?
そうなんです!
「要領をよくする」とは、新たな知識や技術を身につけるというより、ムダを省いたり、余計な情報をカットしたりすることが大切であり、誰でもすぐに実践でき、再現性のあることなのです。それを把握して再現性のある行動にしてしまえば、努力に頼らず「要領がいい人」になることができるというわけです。この本では、最新の脳科学から導き出したメソッドをもとに要領のよさを、再現性のある科学的なコツとしてまとめられています。意外で、すぐに実践できる方法が知りたくなった方は是非チェックしてみてください。
「仕事が終わらない人生」が180度変わる 努力に頼らず「要領がいい人」になる40のコツ
著者/菅原洋平
発行/株式会社アスコム
著者/菅原洋平
作業療法士。ユークロニア株式会社代表。アクティブスリープ指導士養成講座主宰。1978年、青森県生まれ。国際医療福祉大学卒業後、国立病院機構にて脳のリハビリテーションに従事。2012年にユークロニア株式会社を設立。東京都千代田区のベスリクリニックで外来を担当しながら、ビジネスパーソンのメンタルケアを専門に、生体リズムや脳の仕組みを活用した企業研修を全国で行う。『あなたの人生を変える睡眠の法則』(自由国民社)、『すぐやる! 』(文響社)などベストセラーを多数上梓。テレビや雑誌など、メディア出演も多数。