あなたの周りに「あの人は、いったい1日が何時間あるんだろう?」と思ってしまうほど、物事を段取りよくテキパキこなす人はいませんか?
では、そういう「要領がいい人」たちは、生まれつき頭がよかったり、センスや才能の持ち主だったりするのでしょうか?
「要領がいい・悪い」は、決して才能やセンス、ましてや生まれつきの頭のよさの問題ではありません。「要領がいい人」は、ほんの少し、「脳の使い方」が違うだけ。
そこで「要領がいい」ということを、「ゴールへの最短距離を進めること」と定義し、その方法を最新の脳科学から解き明かす菅原洋平さんの著書『「仕事が終わらない人生」が180度変わる 努力に頼らず「要領がいい人」になる40のコツ』の中からDIME読者におすすめしたいノウハウを厳選、再編集してお届けします! 「脳の使い方」と聞いて、身構えてしまう方もいるかもしれませんが、決して難しいことは書いていませんので是非チェックしてみてください。
努力に頼らず「要領がいい人」になる40のコツ〈33〉「日常のシーン」で2タイプの傾向を見てみよう!
脳の処理系統は、日常の些細な場面に表れます。
● 付箋の貼り方
「同時系」の人は、目についた文章や気に入ったフレーズにいろんな色の付箋をランダムで貼ります。
面白かった本は付箋だらけになりますが、見返すときは付箋を目印には使わず、パラパラめくったりします。
「それだと付箋の意味がないのでは?」と思うかもしれませんが、ページを開いた状態で付箋を取り出して目的の箇所に貼る、という自分の動作を映像で記憶しているので、目的の文章を思い出すことができます。
一方で「継次系」の人は、見出しをつけるように付箋を貼ります。
色に統一性をもたせたり、章の冒頭に貼ったりして、見直すときは付箋を頼りにページをめくります。
● メモのとり方
「同時系」の人は、罫線は無視して自由にメモします。資料の空いているところにメモをしたり、関係図を描いたりすることも多いです。「他人が見るとわかりにくいけれど、自分にはわかりやすい」という感じですね。
「継次系」の人は、罫線どおりにメモします。箇条書きにしたり、ノートを分割して使ったりすることもあり、他人が見てもわかりやすいのが特徴です。
● ノートのとり方
「同時系」の人のノートは、結論や重要な点が枠で囲んであったり、大きく目立つように記載してあったりします。
ぱっと見て本人がなにを得たのかがわかりやすいですが、情報は要約されているため、書かれていないこともあれば、関係ないことが書かれていることもあります。これを継次系の人が見ると、「情報が抜け落ちていて、なぜそこに行きついたのかという根拠が弱い。結局、後で調べなければならないので要領が悪い」と感じます。
「継次系」の人のノートは、「順番どおり」「事実のとおり」に記載されています。情報がくまなく網羅されているのですが、どこが重要か、なにが結論か、というハイライトが付けてあるわけではありません。
そのため同時系の人が見ると、「要点が絞れておらず、ただ書いてあるだけで要領が悪い」と感じます。
このように要領がいいやり方は、自分の情報処理系統によって決まるのです。
なお、要領がよくなるノート・メモ術は第8章で紹介しています。あわせて参考にしてください。
あなたにとって効率的な「食器洗い」はどっち?
「洗い物をこまめに洗えば、まとめてやる必要がなくなるからいいという情報がありますよね。でも、まとめて洗ったほうが効率的という情報もあって、どちらが正解なのか判断できません」(30代女性)
こんな相談をいただくことがあります。ネットでやり方を調べて複数ヒットすると、どれを選んでいいのかわからなくなることがありますね。
そんなときは、脳の処理系統に従って選択してみましょう。
この相談の「こまめに」や「まとめて」を、もう少し具体的にしてみます。
「同時系の人」は、ビジュアル化することが得意で、関連づけもビジュアルで行うため、
・ 流し台を占領してしまう大きな物(鍋のふたや大皿など)をまとめて洗い、拭いて棚にしまってから、小皿などの小さな洗い物に取りかかる
・ 流し台や水切りかごに十分なスペースをつくって作業しやすい環境にすることを優先する
このように、大きさや空間をうまく利用する方法が適しています。
「継次系の人」は、順序だてが得意なので、
・まず洗う工程をすべて完結させる。皿、コップ、箸など種類順に洗っていく
・「拭く工程、棚にしまう工程」という工程順に片づけていく
・棚にしまうときも一度ですませ、いったり来たりする必要をなくす
このように、工程に合わせて作業して二度手間を省く方法が適しています。
☆ ☆ ☆
いかがでしたでしょうか?
実は、次の大半の人が漠然と思い描いている「要領のよさ」 。5つで構成されているそうです。
1 「余計な情報」に惑わされない
2 「脳のムダづかい」を減らす
3 「すぐやる人」になる
4 「同じ失敗」を繰り返さない
5 「思い込み」を捨てる
この項目を見ただけで、 「たしかに、自分に足りないことかも」と思った人も多いのではないでしょうか?
そうなんです!
「要領をよくする」とは、新たな知識や技術を身につけるというより、ムダを省いたり、余計な情報をカットしたりすることが大切であり、誰でもすぐに実践でき、再現性のあることなのです。それを把握して再現性のある行動にしてしまえば、努力に頼らず「要領がいい人」になることができるというわけです。この本では、最新の脳科学から導き出したメソッドをもとに要領のよさを、再現性のある科学的なコツとしてまとめられています。意外で、すぐに実践できる方法が知りたくなった方は是非チェックしてみてください。
「仕事が終わらない人生」が180度変わる 努力に頼らず「要領がいい人」になる40のコツ
著者/菅原洋平
発行/株式会社アスコム
著者/菅原洋平
作業療法士。ユークロニア株式会社代表。アクティブスリープ指導士養成講座主宰。1978年、青森県生まれ。国際医療福祉大学卒業後、国立病院機構にて脳のリハビリテーションに従事。2012年にユークロニア株式会社を設立。東京都千代田区のベスリクリニックで外来を担当しながら、ビジネスパーソンのメンタルケアを専門に、生体リズムや脳の仕組みを活用した企業研修を全国で行う。『あなたの人生を変える睡眠の法則』(自由国民社)、『すぐやる! 』(文響社)などベストセラーを多数上梓。テレビや雑誌など、メディア出演も多数。