あなたの周りに「あの人は、いったい1日が何時間あるんだろう?」と思ってしまうほど、物事を段取りよくテキパキこなす人はいませんか?
では、そういう「要領がいい人」たちは、生まれつき頭がよかったり、センスや才能の持ち主だったりするのでしょうか?
「要領がいい・悪い」は、決して才能やセンス、ましてや生まれつきの頭のよさの問題ではありません。「要領がいい人」は、ほんの少し、「脳の使い方」が違うだけ。
そこで「要領がいい」ということを、「ゴールへの最短距離を進めること」と定義し、その方法を最新の脳科学から解き明かす菅原洋平さんの著書『「仕事が終わらない人生」が180度変わる 努力に頼らず「要領がいい人」になる40のコツ』の中からDIME読者におすすめしたいノウハウを厳選、再編集してお届けします! 「脳の使い方」と聞いて、身構えてしまう方もいるかもしれませんが、決して難しいことは書いていませんので是非チェックしてみてください。
努力に頼らず「要領がいい人」になる40のコツ〈06〉要領がいい人は実践している「デジタルデトックス」
「余計な情報」があふれているものの代表格といえば、スマートフォン(以下、スマホ)。
放っておいても情報が流れ込み、多くの人が情報を抱え込みすぎています。
一見、なんでもその場でサクサク検索して調べてしまう人のほうが、要領がよさそうと思いがちですが、実際はその逆。
適度にデジタルデトックスをしたほうが、自分がやるべきことに集中できるようになります。
スマホやタブレットと距離を置く簡単な一例を紹介しましょう。
(1)寝る1時間前になったら戸棚にしまう
(2)帰宅後はバッグの中に入れたままにする
(3)玄関に置いて外出時だけ使用する
(4)休日の午前中や入浴後の時間は、画面を見ない
私の場合、打ち合わせの行先などはあえてプリントアウトをして、外出時にはスマホを見ないようにしています。また普段の生活では、スマホではメールやSNSを見ないと決めています。
「デジタルデトックス」のポイントは、自分の意志とは関係なく、スマホを見ることができなくなる環境をつくること。
なかには、「インターネットに接続するルーターの電源をタイマーで切ってしまう」という人もいます。延長コードにダイヤルがついているものを使用して、時間になったらインターネットがつながらなくなる環境をつくるのです。
まずは1時間、情報から離れることから始めてみましょう。
入浴中やストレッチ、ジョギングをしている間など、「それ」をしている間は情報から離れる、という環境をつくります。スマホを置いてスーパーに買い物に行くのもいいですね。それができれば、「休日の半日」「外出中」という感じで、場面を限定して一定期間離れてみましょう。
意志の力で行動を変えるのは難しいですが、環境を変えてしまえばおのずと行動は変わります。
最初は落ち着かない感じがしますが、そのままやりすごしていると、情報から解放されて、文字どおり視界が明るくなります。交感神経の過剰活動によって収縮していた瞳孔が、開いていくからです。
この解放感を得られると、情報と一定の距離をとることにストレスを感じなくなります。
ちなみに最近では、受付でスマホやタブレットを預けて宿泊する、「デジタルデトックスプラン」がついたホテルや旅館もあるようですね。旅行や出張のときに、宿泊先の選択肢に加えてみてはいかがでしょうか?
作業・習慣の「順番」を変えるのも有効!
デジタルデトックスなど新しい生活習慣をつくるのは、ハードルが高いという人もいるかもしれません。
そこで、新しい作業を加えずに、いまの作業の順番を変えることで、不必要な情報に注意を奪われるのを防ぐ方法もあります。
無自覚にスマホを見始めると、いつになったらスマホを見ることが終わるのか、脳が予測することができません。いつくるのかわからない利益に期待し続けてしまいます。そこで、損失を未然に回避するのです。
「利益と損失?」と思った方、これから説明するのでご安心を。
たとえば、夕食をとった後に入浴する習慣の人の場合。
夕食後にソファでスマホを見ていたら入浴するのが面倒くさくなり、だらだらネットサーフィン。ようやく入浴したら0時すぎになってしまい、寝不足になりがち……。そんなときは、帰宅後すぐに入浴し、その後で夕食をとるように順番を変えてみましょう。
この場合、入浴が遅れることで寝不足になってしまうのが「損失」、その損失を生み出すのが「ネットの目新しい情報という利益」への期待です。
そこで、ネットの情報という目の前の不確かな利益によって、少し先の未来に起こる寝不足(損失)を避けるため、「入浴する」という行為を前にもってきます。
計画どおり行動できると、その達成感から同じ行動を続けようとする反応が生まれます。これにより、「なにか目新しい情報」という不確かな利益に対して脳が期待しなくなるため、だらだらとネットサーフィンをしてしまうのを自然と防げるようになるのです。
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いかがでしたでしょうか?
実は、次の大半の人が漠然と思い描いている「要領のよさ」 。5つで構成されているそうです。
1 「余計な情報」に惑わされない
2 「脳のムダづかい」を減らす
3 「すぐやる人」になる
4 「同じ失敗」を繰り返さない
5 「思い込み」を捨てる
この項目を見ただけで、 「たしかに、自分に足りないことかも」と思った人も多いのではないでしょうか?
そうなんです!
「要領をよくする」とは、新たな知識や技術を身につけるというより、ムダを省いたり、余計な情報をカットしたりすることが大切であり、誰でもすぐに実践でき、再現性のあることなのです。それを把握して再現性のある行動にしてしまえば、努力に頼らず「要領がいい人」になることができるというわけです。この本では、最新の脳科学から導き出したメソッドをもとに要領のよさを、再現性のある科学的なコツとしてまとめられています。意外で、すぐに実践できる方法が知りたくなった方は是非チェックしてみてください。
「仕事が終わらない人生」が180度変わる 努力に頼らず「要領がいい人」になる40のコツ
著者/菅原洋平
発行/株式会社アスコム
著者/菅原洋平
作業療法士。ユークロニア株式会社代表。アクティブスリープ指導士養成講座主宰。1978年、青森県生まれ。国際医療福祉大学卒業後、国立病院機構にて脳のリハビリテーションに従事。2012年にユークロニア株式会社を設立。東京都千代田区のベスリクリニックで外来を担当しながら、ビジネスパーソンのメンタルケアを専門に、生体リズムや脳の仕組みを活用した企業研修を全国で行う。『あなたの人生を変える睡眠の法則』(自由国民社)、『すぐやる! 』(文響社)などベストセラーを多数上梓。テレビや雑誌など、メディア出演も多数。