あなたの周りに「あの人は、いったい1日が何時間あるんだろう?」と思ってしまうほど、物事を段取りよくテキパキこなす人はいませんか?
では、そういう「要領がいい人」たちは、生まれつき頭がよかったり、センスや才能の持ち主だったりするのでしょうか?
「要領がいい・悪い」は、決して才能やセンス、ましてや生まれつきの頭のよさの問題ではありません。「要領がいい人」は、ほんの少し、「脳の使い方」が違うだけ。
そこで「要領がいい」ということを、「ゴールへの最短距離を進めること」と定義し、その方法を最新の脳科学から解き明かす菅原洋平さんの著書『「仕事が終わらない人生」が180度変わる 努力に頼らず「要領がいい人」になる40のコツ』の中からDIME読者におすすめしたいノウハウを厳選、再編集してお届けします! 「脳の使い方」と聞いて、身構えてしまう方もいるかもしれませんが、決して難しいことは書いていませんので是非チェックしてみてください。
努力に頼らず「要領がいい人」になる40のコツ〈04〉ダイエット成功の秘訣は、「解禁」を後ろ倒しにすること
毎年話題になる、「ボージョレ・ヌーヴォー」の解禁日。
それほどファンでもないのに、「解禁!」と聞くと、なぜか買ってしまうという人もいるかもしれません。
実は、これもドーパミンの特性を利用したマーケティングです。
やっかいなことにドーパミンは、一定期間抑制された状態が続くと、今度は我慢していた反動で、より興奮してしまうような反応が起きます。
これを「脱抑制」と呼びます。
たとえば、テスト勉強のためにゲームをしないように我慢していると、解禁した瞬間に、前よりものめり込むようになってしまうことがありますよね。
これは、抑制期間中にくすぶっていた神経活動が、ゲームを解禁した瞬間に過剰に活動するからです。
「ボージョレ・ヌーヴォー解禁!」のように、脱抑制の仕組みを利用したマーケティングが世の中にはあふれていますし、ダイエットにおける「リバウンド」をイメージしてもらえれば、よりわかりやすいかもしれません。
ただし、ぜひ覚えておいてください。
この「脱抑制」という現象は一時的なものにすぎません。その存在を知っていてやりすごしていると、ほどなくして、必ず衝動は収まってきます。
ポイントは、解禁日をすぎても、一定時間「放置」すること。
「解禁しても、なにもしない」ということを実験してみるのです。「脱抑制に反応しない」という行動をとっていると、欲求はすぐにすぎ去ることが体験できます。
試しに、仕事が終わったタイミングで、あえて明日の作業に少し手をつけてみてください(もしくは、次の仕事のことを考えるのでもOK)。
「終わった!」と解放されたのにそれが延期されたことで、「終わったらやりたかったこと(SNS、動画の視聴、ゲーム、お酒、たばこなど)」への期待感はみるみるしぼんでいきます。
あるいは、30日ダイエットをする場合、29日までは「30日で終わり」と思っておき、30日目になったら「1日延期」と意識を切り替えます。
それだけでドーパミンは通常より低いレベルになり、食べることへのモチベーションが著しく低下します。
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いかがでしたでしょうか?
実は、次の大半の人が漠然と思い描いている「要領のよさ」 。5つで構成されているそうです。
1 「余計な情報」に惑わされない
2 「脳のムダづかい」を減らす
3 「すぐやる人」になる
4 「同じ失敗」を繰り返さない
5 「思い込み」を捨てる
この項目を見ただけで、 「たしかに、自分に足りないことかも」と思った人も多いのではないでしょうか?
そうなんです!
「要領をよくする」とは、新たな知識や技術を身につけるというより、ムダを省いたり、余計な情報をカットしたりすることが大切であり、誰でもすぐに実践でき、再現性のあることなのです。それを把握して再現性のある行動にしてしまえば、努力に頼らず「要領がいい人」になることができるというわけです。この本では、最新の脳科学から導き出したメソッドをもとに要領のよさを、再現性のある科学的なコツとしてまとめられています。意外で、すぐに実践できる方法が知りたくなった方は是非チェックしてみてください。
「仕事が終わらない人生」が180度変わる 努力に頼らず「要領がいい人」になる40のコツ
著者/菅原洋平
発行/株式会社アスコム
著者/菅原洋平
作業療法士。ユークロニア株式会社代表。アクティブスリープ指導士養成講座主宰。1978年、青森県生まれ。国際医療福祉大学卒業後、国立病院機構にて脳のリハビリテーションに従事。2012年にユークロニア株式会社を設立。東京都千代田区のベスリクリニックで外来を担当しながら、ビジネスパーソンのメンタルケアを専門に、生体リズムや脳の仕組みを活用した企業研修を全国で行う。『あなたの人生を変える睡眠の法則』(自由国民社)、『すぐやる! 』(文響社)などベストセラーを多数上梓。テレビや雑誌など、メディア出演も多数。