ソフトバンクは、国内の企業や自治体向けの衛星ブロードバンドインターネットサービス「Starlink Business(スターリンクビジネス)」を、9月下旬に提供開始すると発表した。
同社は衛星ブロードバンドインターネット「Starlink」の認定再販事業者として、工場や建設現場、船舶など、陸上および海上でのさまざまなユースケースに対応する「Starlink Business」の3つのプランを提供するほか、ソフトバンクが提供する法人向けソリューションと、「Starlink Business」を組み合わせて提供。
例えば、高精度測位サービス「ichimill」と組み合わせて、山間部などの通信環境が整っていない場所で建設機械の操作を自動化することや、映像・音声通話サービス「Visual Talk」と組み合わせて、橋の点検作業を遠隔で支援することなど、さまざまな産業でDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進する。
なお、同社では、宇宙空間や成層圏から通信ネットワークを提供する非地上系ネットワーク(Non-Terrestrial Network、以下「NTN」)ソリューションの、日本およびグローバルでの実現に向けた取り組みを推進しており、日本国内でOneWeb Ltd.(ワンウェブ)を活用した衛星通信サービスの提供に向けた準備を進めているほか、ソフトバンクの子会社であるHAPSモバイルとともに、成層圏通信プラットフォームの商用化の実現に向けたさまざまな技術開発を進めている。
「Starlink Business」の概要
(1)さまざまなユースケースに対応する3つのプラン
「Starlink Business」は、通信速度が下り最大220Mbps、上り最大25Mbpsのベストエフォート型の衛星ブロードバンドインターネットサービスで、工場や建設現場、船舶など、陸上および海上でのさまざまなユースケースに対応する3つのプランを2023年9月下旬から順次提供予定。顧客は利用の目的に合わせて容量を選択できる。
<プラン内容(予定)>
・スタンダードプラン(陸上向け) データ容量:1TB/2TB/6TB
顧客が事前に指定した場所にStarlinkのアンテナを設置して、衛星ブロードバンドインターネットを提供。
・ポータブルプラン(陸上向け) データ容量:50GB/1TB/5TB
任意の場所にStarlinkのアンテナを設置して、衛星ブロードバンドインターネットを提供。アンテナを持ち運んでさまざまな場所で利用することが可能。
・マリンプラン(海上向け) データ容量:50GB/1TB/5TB
船舶などにStarlinkのアンテナを設置して、日本の領海を移動中に衛星ブロードバンドインターネットを提供。
<ユースケースのイメージ>
・通信環境が整っていない山間部での建設現場などにおける、工事の進捗の確認や設計図の共有など。
・BCP対策として、大規模災害などの有事に備えて、既存のインフラとは別の通信手段を確保。
・通信環境が整っていない場所に設置される、鉄塔などのインフラ設備の監視。
・日本の領海内における、船舶の安全・安心な運航の支援など。
(2)ソフトバンクの法人向けソリューションとの連携による活用
ソフトバンクが提供する法人向けソリューションと「Starlink Business」を併せて提供することで、顧客が抱える課題を幅広くサポートするとともに、さまざまな産業でDXを推進する。
<活用イメージ>
・建設機械の遠隔操作
ichimill(高精度測位サービス)と連携して、山間部などの通信環境が整っていない場所で建設機械の操作などを自動化。
・橋の点検
Visual Talk(映像・音声通話サービス)と連携して、橋の点検作業などを遠隔で支援。
・災害対策
スマートフォンなどから固定電話番号で発着信できるUniTalk(次世代通話サービス)と連携して、自治体などが災害時に固定電話回線が利用できなくなった場合の代替の通信手段として活用。
関連情報
https://www.softbank.jp/biz/services/network/starlink-business/
構成/立原尚子