■連載/阿部純子のトレンド探検隊
朝・夜ともに洗顔料を使う人はわずか3割!中にはシャンプーで洗顔してしまう人も!?
湿気が多く蒸し暑い梅雨や夏場は、汗をたくさんかき、テカリ、ニキビ、吹き出物など様々な肌トラブルが起こりやすくなる。テカリの原因となる皮脂や、ニキビを引き起こす雑菌を取り除くためには、普段よりも入念な洗顔が必要になってくる。
全国30代~50代の男性1134人を対象にした「肌の悩み」に関する調査(2021年 株式会社コンプライアンス調べ)、で、スキンケアを「まったくしていない」「あまりしていない」人を合わせるとなんと71.1%に。実に7割もの男性がスキンケアをしていないことがわかった。
スキンケアの基本となるのが洗顔だが、全薬工業が449名を対象に実施した、「男性会社員の洗顔と肌悩みについての調査」によると、「朝・夜ともに洗顔料を使って洗顔をしている」人はわずか3割という結果に。洗顔料を使わない理由として、「時間がないから」、「面倒だから」という声が上位を占め、「洗顔料を使うとかえって乾燥してしまうから」という声もあった。
夜だけ洗顔料を使う人は約3割だが、朝は使わない、全く使わない理由として、洗顔料を泡立てる手間や、洗い落としの時間がかかることに抵抗があると思われる。男性は女性に比べ皮脂が多く、ひげ剃りで肌が傷つくこともあり、テカリ、べたつき、乾燥など様々な肌トラブルを抱えているものの、洗顔・スキンケアを習慣化していない人が多いのが実情といえる。
肌トラブルを予防するためには洗顔と、洗顔後の保湿が重要になる。男性向けスキンケアシリーズを販売している、全薬販売 信頼性保証学術部 武田健太郎氏に、正しい洗顔・スキンケア方法について話を伺った。
朝・夜の2回とも洗顔料を使った方が良い理由とは
必要な皮脂まで取りすぎてしまう心配から、朝に限っては洗顔に洗顔料を使わない女性も半数近くいるという調査結果もある。過剰な洗顔は皮脂を取りすぎてしまう恐れがあるが、洗い方に注意してきちんと保湿を行うならば、朝・夜の1日2回までは洗顔料を使った洗顔が良いといえる。
睡眠時は、肌は汚れないと思われがちだが、寝ている間に汗・ホコリ・ダニなどが付着し、水だけでは落としきれない汚れが存在する。睡眠時の汚れや皮脂を放置すると、寝ている間に出た皮脂や前夜に使用したスキンケア製品が酸化し、毛穴の黒ずみやシミの原因に。一般的に男性の肌は女性の肌に比べて皮脂量が多いので、朝と夜の1日2回、洗顔料を使って洗うのが効果的といえる。
ゴシゴシ洗いは厳禁!
洗顔はまず水で予洗いをしてから、洗顔料を泡立てて、たっぷりの泡でやさしく包み込むように、細かい部分までしっかりと洗う。
泡立てずに洗顔料を指でこすりつけて洗うのは肌へのダメージにつながる。顔を強くこする「ゴシゴシ洗い」や、熱いお湯でのすすぎは、皮脂を落とし過ぎて肌に必要なうるおいまで奪ってしまい乾燥の原因になるため注意したい。
乾燥肌や敏感肌の人は、やさしい使い心地の洗顔料や、フリー処方にこだわっているものを使うのがおすすめ。
洗顔後、肌につっぱりを感じる場合は汚れだけでなく、必要な皮脂や角層の成分まで洗い落としてしまっている可能性があり、乾燥を促す原因になることもある。洗い方と合わせて、洗顔料も見直して自分の肌質に合う洗顔料を使うことも大切。
タオルで拭くときもゴシゴシと拭くのは厳禁。顔にやさしくタオルを押し当てて水気を取るようにする。
顔のコンディションに合わせて洗う
男性の肌質は、額から鼻にかけての「Tゾーン」がベタつくのに対し、フェイスラインやあご、口周りの「Uゾーン」はひげ剃りやケア不足でカサつくというケースが多く、それぞれのコンディションに合わせた洗い方をする必要がある。
洗顔料は肌にのせた瞬間から洗浄力を発揮するため、まずは汚れが気になる部位から洗い、乾燥が気になるところはなるべく洗顔料の接している時間が短くなるようにするのがポイント。肌のコンディションに合わせた洗い方で、洗い上がりの爽快感にも違いが生まれる。
「ひと昔前は男性なら肌を気にする必要はないという意識の人も多く、周囲もさほど気にしていませんでしたが、今は肌荒れが目立つと『きちんと肌ケアができていない』ことが、マイナスに見られる傾向もあるようで、若い世代は肌への意識が高く、洗顔には洗顔料を使い、洗顔後の保湿も化粧水、乳液、クリームとスキンケアのステップをきちんと行っている人が増えています。
比較的年齢層の高い男性では、ボディソープやシャンプーでついでに顔も洗う、スキンケアはまったくしないという人も一定数います。個人差はありますが、若いうちはスキンケアをしなくても、肌が十分に保湿されていましたが、年齢を重ねるにつれて皮脂の分泌が減り、肌の乾燥が進んでしまうこともあります。
肌は本来、内部に十分な水分が保たれていれば若々しいきれいな肌をキープできますが、肌の乾燥が進むと毛穴が目立つようになります。老け顔に見える一因としてスキンケア不足もあるのです」(武田氏)