「ダイエットしたいと思いながら、つい食べすぎてしまう」「忙しすぎて、自分のやりたいことをする時間がもてない」「相手にハッキリ言うことができず、ストレスを感じた」「ついスマホを見すぎて、時間をムダにしてしまった」など、思いどおりにいかない自分に苛立だったり、自分を責めたりしたこはないでしょうか?
日々の生活の中で、意志が弱く、なかなか思いどおりにいかないことってありますよね。でも、実は自分を変えることができるかどうかに、意志が強いか弱いかは関係ないそうです。
意志の力に頼るのでなければ、どうしたらいいか。その答えは「言葉の力」を利用することだそうです。人は1日の中で、自分との会話「脳内トーク」を何千回から何万回も行っていると考えられています。つまり、脳は「脳内トーク」の影響を多大に受けているのです。
それなのに私たちは他人と話す技術は学ぼうとするのに、なぜ自分と話す技術は学ばないのでしょうか? 今回は最新の研究データに基づき、誰でも簡単に「脳内トーク」を変えられる方法を、わかりやすく解説した脳科学者の西 剛志さんの著書「世界一やさしい自分を変える方法」の中からDIME読者におすすめしたいノウハウを厳選、再編集してお届けします!
「脳内トーク」の技術を駆使して、脳をよい意味で騙し、自らを成功へと導いてください。
「飽きっぽい自分」にヘコむのは早い!
世の中には、1つのことをやり続けることができない人たちがいます。
そして、そんな自分はダメな人間だと思うことがあります。
しかし、2017年に米国ミネソタ大学の研究でこんなことがわかってきました。
「飽きっぽい人ほど頭がいい」
実際に、飽きっぽい人を調べると、脳の短期記憶力(ワーキングメモリ)が高く、学習能力が高い傾向があります。
つまり、飽きやすいというのは、記憶力が高く、人よりも速く学習してしまうため、やることがなくなって起きる現象だったのです。
ですから、自分を「飽きっぽいな」と思ったら、こう「脳内トーク」してみてください。
「自分はなんて頭の回転が速いんだろう」
よく欠点は長所でもあると言いますが、まさに「飽きっぽさ」は裏を返すと、「普通の人よりもたくさんのことを学べる」という素晴らしい長所なのです。
この「脳内トーク」をすると、マイナスな気持ちからプラスな気持ちに反転するため、次の「緊張してしまう」ときに使える「脳内トーク」でも述べるとおり、よりパフォーマンスが上がりやすくなります。
また、飽きやすいわけではないけれど、仕事上、いずれ必要にかられて、何かをやり続けなければならないという場面もあるかもしれません。
そんなときは、こう「脳内トーク」してみてください。
「今はまだ、情熱が持てない」
「まだ」という「脳内トーク」は、専門用語で「前提型の脳内トーク」と言って、「私は、今はまだ、情熱がない」と言った瞬間に、脳は「私は情熱を持てる」という前提を受け入れることになります。
たとえば、次のような例で、モチベーションが上がらないことを想像してみてください。
「私は(すぐに飽きるから)続ける自信がない」
「私は(すぐに飽きるから)新しいことにチャレンジできない」
こんなふうに言うと、やる気が下がってしまいます。
しかし、自信がないことの前に、「まだ」を入れると、どうでしょうか。
「私はまだ、続ける自信がない」
「私はまだ、新しいことにチャレンジできない」
なんだか、未来に希望を感じませんか。
「今は自信がないが、いずれ自信がある状態になれる」
「今はチャレンジできないが、準備が整えばチャレンジできる」
という、未来のよい状態の視点をイメージすることができるのです。
「まだ」を使って「脳内トーク」することで、「いずれそうなる」「できるようになる」という、プラスのメッセージを自分に伝えることができます。
その結果、むやみに行動できない自分を否定してしまう習慣(性格)を、遠ざけることができるようになるでしょう。
ここで紹介した2つの「脳内トーク」は、人に対しても使えます。
たとえば、すぐに飽きてしまって悩んでいる人が、
「飽きっぽい人ほど、頭がいいこと知ってる? 頭の回転が速いからすぐに学習してしまうんだって」
「今はまだ、そんなに情熱を持てなくてもいいよ」
と言われると、どうでしょうか。
自分に対して自信が持てるようになったり、ホッと安心できて、逆に、「いずれやってみようかな」と思えるように感じるかもしれません。
一般的に情熱というものは、よほどのものでない限り、そんなに長続きしません。
なぜなら、私たちの脳は新しい刺激を好む性質があるからです。ずっと同じ部屋で、同じことを続けていたら、いずれ退屈に感じられてしまうでしょう。
「飽きない人」というのは、一見同じことをしているようで、必ず工夫して脳に快感(新しい刺激)を与えていることがわかっています。
同じ作業をするにしても、
「当たり前だと思っていたけど、この部分にはこんな意味があったんだ!」
「この方法と、この方法を組み合わせたら、どんな効果が得られるんだろう?」
「先輩から仕事のポイントを教わったから、この部分に取り入れてみよう」
など、まるで実験をするかのように工夫できると、日々新しい刺激が得られます。
このような観点を持つことができると、どんな仕事でも脳が快感を感じやすくなるでしょう。
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いかがでしたでしょうか? 成功者と呼ばれる人たちは、「脳内トーク」を意識的に活用しています。「脳内トーク」を使って、脳をよい意味で騙し、自分の常識(思い込み)を打ち破る。そして、視点を増やす 。成功者たちの多くが、 「脳内トーク」を活用して、自分を変えてきた人たちなのです。
「人生を変えるためには、大きなことをしなければならない」 、多くの人がそんな常識を信じています。しかし、研究からわかったことは、私たちは大きなことをする必要はないということでした。日々の小さなことが、物事のとらえ方や行動をはじめ、能力や性格、さらには健康、習慣、パフォーマンスにまで影響を与えるということです。そして、そのベースになるのが、 「脳内トーク」なのです。
自分を変化させて、なりたい自分に近づいていくためのより詳しいヒントは「世界一やさしい自分を変える方法」をチェックしてみてください。
「世界一やさしい自分を変える方法」
著者/西 剛志
発行/株式会社アスコム
著者/西 剛志(にし・たけゆき)
東京工業大学大学院生命情報専攻卒。博士号を取得後、特許庁を経て、2008年にうまくいく人とそうでない人の違いを研究する会社を設立。世界的に成功している人たちの脳科学的なノウハウや、才能を引き出す方法を提供するサービスを展開し、企業から教育者、高齢者、主婦など含めてこれまで1万人以上に講演会を提供。エビデンスに基づいた研修、商品開発サービスなども全国に展開。テレビやメディアなどにも多数出演。著書シリーズは海外でも出版され「80歳でも脳が老化しない人がやっていること」(アスコム)をはじめとして累計22万部を突破。
脳科学者 西剛志公式サイト
https://nishi-takeyuki.com