「ダイエットしたいと思いながら、つい食べすぎてしまう」「忙しすぎて、自分のやりたいことをする時間がもてない」「相手にハッキリ言うことができず、ストレスを感じた」「ついスマホを見すぎて、時間をムダにしてしまった」など、思いどおりにいかない自分に苛立だったり、自分を責めたりしたこはないでしょうか?
日々の生活の中で、意志が弱く、なかなか思いどおりにいかないことってありますよね。でも、実は自分を変えることができるかどうかに、意志が強いか弱いかは関係ないそうです。
意志の力に頼るのでなければ、どうしたらいいか。その答えは「言葉の力」を利用することだそうです。人は1日の中で、自分との会話「脳内トーク」を何千回から何万回も行っていると考えられています。つまり、脳は「脳内トーク」の影響を多大に受けているのです。
それなのに私たちは他人と話す技術は学ぼうとするのに、なぜ自分と話す技術は学ばないのでしょうか? 今回は最新の研究データに基づき、誰でも簡単に「脳内トーク」を変えられる方法を、わかりやすく解説した脳科学者の西 剛志さんの著書「世界一やさしい自分を変える方法」の中からDIME読者におすすめしたいノウハウを厳選、再編集してお届けします!
「脳内トーク」の技術を駆使して、脳をよい意味で騙し、自らを成功へと導いてください。
勝手にやる気がわいてくる仕組み
仕事や勉強でやる気がでないとき、あなたはどんな「脳内トーク」をしているでしょうか。
「だるい、超面倒くさい」
「嫌だなぁ。早くゲームしたい」
「なんで、こんなことしなきゃいけないんだ!」
など、マイナスな言葉が浮かぶかもしれません。
そんなとき、やる気が一瞬で高まる「脳内トーク」があります。それが、
「今やっていることは、将来どのように役立つだろう?」
という「脳内トーク」です。
私は、以前、仕事に対するやる気が急激になくなってしまったことがありました。
毎日、仕事をするたびに、
「なぜ、こんなことをしないといけないのか?」
「早くこの仕事を辞めたい」
そんなことばかり考えていました。
しかし、ある日、こんな状態で仕事を続けても幸せではないなと気づきました。そのときに、自分にかけた「脳内トーク」が次のものでした。
「目の前の仕事は、自分の将来のキャリアにどのように役立つんだろう?」
この問いかけによって、こんな言葉が頭に浮かんできました。
「今の研究は、やりたいことと方向性は違うけど、分析能力を磨ける」
「専門用語がわからないアシスタントにわかりやすく伝える経験は、講演や執筆などで使える」
「いろいろな現場を体験することで、新しい仕事の発想を生み出せる」
「苦労するほど、ストレス耐性が高まって、打たれ強くなる」
「同じように悩んでいる人の立場に立てるので、共感力が高まる」
すると、不思議と、今の仕事がとても大切なものに思えてきました。その結果、今まで以上に、仕事に対してやる気を持てるようになったのです。
私たちは、やる気がないとき、「今やっていることは、自分に関係しない」という脳の認知が働いています。
脳内トークを「自分ごと化する」。これがポイントです。
2018年に行われた、40人の学生を対象にした実験でも、仕事で「自分と関連するテーマを扱うと、モチベーションが上がる」という結果が報告されています。
実験は、腸内環境の分析に関するものでした。分析するときに、自分と他人のサンプルのどちらを使ったほうが、研究へのモチベーションが上がるかを比べたのですが、結果は明白でした。
自分のサンプルを分析した学生は、自分と関係ないデータを使った学生に比べて、その研究に費やした時間が31%も長くなりました。それだけ分析にのめり込んだということです。
自分と関係することで、脳の機能が上がる効果を、「自己参照効果」と言います。何かに打ち込むためには、「自分ごとにするのが大切」と言いますが、これは脳科学的にも正しいことです。自分に関係することに脳は興味を持つため、自然とやる気が高まってしまうのです。
自分の興味がない分野の専門用語を覚えようとしても、なかなか覚えられないけれど、自分の好きな分野のことは、記憶しようとがんばらなくても覚えている。そんなこと、ありますよね。
もしも、頭の中に「仕事・勉強=つまらない、やらされている」という構図があると、自分と関係あるものに思えません。
しかし、「仕事・勉強=将来に役立つもの、自分の未来をつくってくれるもの」というように「自分ごと」として脳が認知すると、たちまちやる気が高まるのです。
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いかがでしたでしょうか? 成功者と呼ばれる人たちは、「脳内トーク」を意識的に活用しています。「脳内トーク」を使って、脳をよい意味で騙し、自分の常識(思い込み)を打ち破る。そして、視点を増やす 。成功者たちの多くが、 「脳内トーク」を活用して、自分を変えてきた人たちなのです。
「人生を変えるためには、大きなことをしなければならない」 、多くの人がそんな常識を信じています。しかし、研究からわかったことは、私たちは大きなことをする必要はないということでした。日々の小さなことが、物事のとらえ方や行動をはじめ、能力や性格、さらには健康、習慣、パフォーマンスにまで影響を与えるということです。そして、そのベースになるのが、 「脳内トーク」なのです。
自分を変化させて、なりたい自分に近づいていくためのより詳しいヒントは「世界一やさしい自分を変える方法」をチェックしてみてください。
「世界一やさしい自分を変える方法」
著者/西 剛志
発行/株式会社アスコム
著者/西 剛志(にし・たけゆき)
東京工業大学大学院生命情報専攻卒。博士号を取得後、特許庁を経て、2008年にうまくいく人とそうでない人の違いを研究する会社を設立。世界的に成功している人たちの脳科学的なノウハウや、才能を引き出す方法を提供するサービスを展開し、企業から教育者、高齢者、主婦など含めてこれまで1万人以上に講演会を提供。エビデンスに基づいた研修、商品開発サービスなども全国に展開。テレビやメディアなどにも多数出演。著書シリーズは海外でも出版され「80歳でも脳が老化しない人がやっていること」(アスコム)をはじめとして累計22万部を突破。
脳科学者 西剛志公式サイト
https://nishi-takeyuki.com