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浸透するか?現役精神科医に聞く「ニューロダイバーシティ運動」の課題

2023.07.19

ニューロダイバーシティ運動(Neurodiversity movement)とは神経の発達や機能が多様であることを認め、それぞれの違いを尊重し、社会全体で支援と受容を進めることを目指す運動のこと。

人々の認知や神経の働きの違いを病気や障害として捉えるのではなく、自然な人間の多様性の一部として捉えることを提唱しているが、早稲田メンタルクリニック益田裕介先生によると、運動には課題も多いという。日本のニューロダイバシティー運動の問題と課題について、益田先生に聞いてみた。

多様性が求められる今、ニューロダイバーシティ運動が浮上

――ニューロダイバーシティ運動の対象となる人について教えてください。

益田先生 ニューロダイバーシティ運動は、自閉症スペクトラム障害(ASD)、注意欠陥多動性障害(ADHD)、ダウン症候群、学習障害(LD)など、さまざまな精神疾患を抱える人たちを、個性として理解し、尊重しようという運動です。

脳科学の進歩によって、生まれつきの脳の違いから、人々は体験や知覚のあり方が異なることがわかってきました。なので、大多数の人にとっては心地よい常識を押し付けてしまうと、違った脳の特性をもって生まれた人たちにとっては、かえって息苦しくなってしまうのです。

経済産業省ではニューロダイバシティ運動について「イノベーション創出や生産性向上を促すダイバーシティ経営は、少子高齢化が進む日本では就労人口の維持のみならず、企業の競争力強化の観点からも不可欠であり、さらなる推進が求められています。

この観点から、一定の配慮や支援を提供することで、発達障害のある方に、その特性を活かして自社の戦力となっていただくことを目的としたニューロダイバーシティへの取組みは、大いに注目すべき成長戦略として近年関心が高まっております」と記載されています。

ニューロダイバーシティ運動の4つの目標

――良い運動のようですが、もう少し具体的に、運動にはどのような目標があるのでしょうか?

益田先生 ニューロダイバーシティ運動の主な目標は1)理解と受容、2)権利と自主性、3)教育と職場環境の改善、4)支援とアクセシビリティ、この4点にあります。

1)理解と受容神経発達の違いや認知機能の違いを理解し、受け入れることで、偏見やスティグマを減らし、全ての人が自分らしく生きることができる社会を目指します。

2)権利と自主性神経的に多様な人々の権利を保護し、その自主性を尊重することで、彼らが自分の人生において主体的な役割を果たすことができるよう支援します。

3)教育と職場環境の改善ニューロダイバーシティに配慮した教育や職場環境を整備し、神経的に多様な人々がスムーズに学びや働くことができるよう努力します。

4)支援とアクセシビリティ神経的に多様な人々に対して、必要な支援やサービスを提供し、社会全体でのアクセシビリティを向上させることを目指します。

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