鰻を食べて夏の暑さを吹き飛ばす「土用の丑の日」。忙しそうな鰻屋さんから漂う甘い香りに、ワクワクする日でもあります。
今年はこの鰻に合うワインを探すミッションを遂行!水戸市の鰻のプロフェッショナル、1979年創業、鰻と鯉料理の専門店「うなぎ斎藤」(茨城県水戸市大足町1050-1)の店主、斎藤剛さんに参加していただき、極上のうな重に合うワインをセレクトしてみました。美味しい鰻がワインでさらに美味しくいただけます!
丑の日は牛の日じゃなかった!?
ところで「土用の丑の日は鰻」と言いますが、土用って土曜のこと?丑の日とは牛の日?せっかくなので、ちょっと調べてみました。
土用とは中国からきた暦のことで、古代中国の春秋時代(紀元前770年頃)、万物は「木・火・土・金・水」の5種類の元素から成り立つ、陰陽五行説が広まっていました。季節もこの5つにあてはめて、春は木、夏は火、秋は金、冬は水でしたが、「土」があまってしまいます。
そこで立春、立夏、立秋、立冬の前の18日間に「土」をあてはめ、それぞれ「土用」と呼ぶようになりました。
「土用の丑の日」は、この4つの土用の期間中にくる丑の日のこと。昔は暦を、十二支(子・丑・寅・卯・辰・巳など)で表していたので、丑とは十二支の二番目の日を表します。他に丑は時刻や方角なども表していて、後年、十二支に動物をあてはめて、人々に分かりやすくしたのが広まりました。だから、丑年の年賀状には牛の絵を描くのですね。
夏の土用の丑の日に鰻を食べるようになったのは幕末で、 蘭学者の平賀源内(ひらがげんない:1728~1780年)が鰻屋からの相談を受けて、「丑の日」は「う」がつくから鰻を食べようと、「本日土用丑の日」というコピーを作成しました。店に張り出したところ、縁起を担ぐ江戸っ子に大人気となり、以来、鰻を食べる習慣ができたという説が一般的です。でも、確かな文献はまだ見つかっていないので、本当のところはよくわかっていません。
ただし、土用は季節の変わり目の時期で、体力が落ち、病気に罹患しやすいために、栄養価の高い鰻を食べるのは理に適っています。今年の「土用の丑の日」は、今年は7月30日。せっかくなので美味しい鰻をワインでもっと美味しくいただきましょう。「うなぎ斎藤」店主の斎藤さんと、私シニアソムリエの植田真未率いるワインデマミのスタッフが実食しながら、鰻に一番合うワインをセレクトしました。