梅雨明けも、焼けるような強い日差しが続くことが予想される今年の夏。渋谷ロフトで売れているのが折りたたみのメンズ晴雨兼用傘だ。2023年6月の売り上げは前年同月比の約1.5倍。「急な雨にも対応できるというだけでなく、日傘として使う男性も増加しています」と話すのは、渋谷ロフト バッグ&トラベル売場 チーフの川守田愛実さん。川守田さんに、メンズ晴雨兼用傘が今売れている理由を教えてもらった。
若い世代を中心に需要が増加。ゲリラ豪雨にも暑い日差しにも対応するメンズ晴雨兼用傘
ロフトで人気の折りたたみの「メンズ晴雨兼用傘」。
今、折りたたみの「晴雨兼用傘」を持ち歩く男性が増えている。雨をしのぐだけではなく、暑い日は日傘として使用し、体感温度を下げることができる便利なアイテムだ。女性には以前からなじみ深いアイテムだが、男性向けの晴雨兼用傘は年々バリエーションが増加し、認知度が高まってきた。
渋谷ロフト バッグ&トラベル売場 チーフの川守田愛実さん。
川守田さんによると、今メンズ晴雨兼用傘が売れている大きな理由は「外出する人が増えている」こと。さまざまな制限が解除され、営業で人に会う機会が多くなったり、レジャーを楽しんだりと、外に出るようになった消費者の変化が影響していると言う。
オダギリジョーさんを2023年ビジュアルモデルに起用している、大人の男性のための晴雨兼用傘「Wpc. IZA」。
そして外出するようになった多くの男性が手にとるのは、“折りたたみ”の晴雨兼用傘。「持ち運べる」「軽い」「晴雨両方とも使える」という点にメリットを感じているようだ。
メンズ晴雨兼用傘を購入している年代は10代~20代の男性が最も多い。今はK-POPの影響もあり美容意識の高い男性は「色白のきれいな肌」を目指している人が多く、紫外線対策として日傘を差すことは若い世代にとって当たり前のこと。ちなみに渋谷ロフトでは2023年6月のメンズコスメの売り上げは前年同月比で約1.3倍と増加。「美容男子の増加もメンズ晴雨兼用傘が人気の背景にありますね」と、川守田さんは話す。
また、若い世代のサステナブルな意識も折り畳み傘のメンズ晴雨兼用傘の売り上げを牽引している要因だ。雨が降ったらコンビニで数百円のビニール傘を購入するのではなく、一つの傘を使い続けるという意識が根付いており、3,000円~4,000円のしっかりとした機能を持つメンズ晴雨兼用傘が支持されている。
渋谷ロフトでは傘を主役にしたイベントも開催し、売り上げを後押し。
一方で、40代?50代の晴雨兼用傘を利用する男性が増えていることも注目したいポイント。以前は日傘に抵抗があったという男性も、一度使うことでそのメリットを実感し、日傘としても活用していると言う。
川守田さん「家族間でプレゼントされる人が多いと感じています。6月は父の日もあり、奥様やお子様からお父様へプレゼントしたいという方からのご相談を頻繁に受けました。複数本購入し、みんなでシェアするという方もいらっしゃいますね」
人気はコンパクトにたためるのに直径100cm以上の、身体がすっぽり入る傘
直径約100cmになるワールドパーティー「IZA LARGE&COMPACT」
メンズ晴雨兼用傘で特に売れている傘は、収納時はコンパクトなのに親骨が大きい傘。渋谷ロフトで人気のワールドパーティー「IZA LARGE&COMPACT(4,400円)」はバックにすっと入るサイズ感ながら、親骨58㎝で開いた時には直径約100cmになる大きさ。そして同じく渋谷ロフトで人気のSMV JAPAN「mabu ワイドライト遮光ミニ65(3,960円)」は約230gという軽さで、開いた時に直径約115cmという大きさを実現している。
川守田さん「色は爽やかなホワイトやベージュが人気を集めています。以前メンズ晴雨兼用傘はブラックやシルバーなど限られたカラーしかありませんでしたが、近年は明るい色やカーキなど多彩なバリエーションから選べるようになりました。IZA LARGE&COMPACTはカラビナ付きなので、バッグに引っ掛けられるという点も評価を得ています」
(右から2番目)SMV JAPAN「mabu 晴雨兼用 ハンディミニ for MEN」
手荷物を少なくしたいという男性のニーズに合う人気の傘がSMV JAPAN「mabu 晴雨兼用 ハンディミニ for MEN(3,080円)」。閉じた時の長さが約17.5cmで、ポケットにも入れられるサイズ感だが、紫外線遮断率99.9%の高機能なアイテムだ。
若い男性を中心に需要が高まり、それに応える形で多種多様な商品が発売されているメンズ晴雨兼用傘。近年は記録的酷暑や不安定な気候が続くからこそ、今後も人気を集めることが予想できる。まだ男性向けの晴雨兼用傘を使ったことがないという人も、一度その進化を体験してほしい。
取材・文/小浜みゆ