自宅でステーキなどの肉を焼く際、気になるのが焼き加減。レアやウェルダンなどさまざまな名称が使われるが、どの焼き加減で美味しく食べられるかイマイチ分からない方も少なくないだろう。実際に、肉の焼き加減はなんと10種類もあるといわれている。
そこで、本記事では肉の焼き加減全10種類の違いを解説する。自宅でステーキや焼肉を食べる際に役立つ、焼き方のコツも併せてチェックしてほしい。
肉の焼き加減は味に関係する?
肉の焼き加減は、食べた時に感じる味に大きく関係する。肉に含まれる旨味成分やコクは、火を通すと増える性質を持つ。しかし、肉に3〜4割ほど火が通る頃を頂点に、旨味成分やコクは下降し始めると言われている。
その原因は、肉に含まれるタンパク質。加熱によって肉の内部温度が65度くらいになるとタンパク質が収縮し、旨味のもととなる肉汁を排出してしまう。焼き加減でいうとミディアム以上の状態になるまで加熱を続けると、旨味を含んだ肉汁を出し切ってしまうので注意しよう。
肉の焼き加減はレアやミディアムだけじゃない!全10種類を一覧で紹介
ステーキ用として使われる牛肉の焼き加減は、大きく分けて3種類ある。3割ほど焼いたレア、7割ほどのミディアム、9割ほどのウェルダンだ。また、代表的な3種類の焼き加減に加え、より細かい分類も存在する。以下の表から、ステーキ店で焼き加減を伝える際や、自宅で肉を焼く時にぜひ役立てて欲しい。
焼き加減の名称 |
特徴 |
ロー |
完全に生の状態を指す |
ブルー |
表面を数秒焼いた状態で、中身は生の状態 |
ブルーレア |
表面を数十秒焼いた状態のため、中身はほぼ生の状態。 赤身の多い肉に向いている焼き加減。 |
レア |
30秒ほど焼き、中身に熱が通った状態。見た目は赤いが、3割程度火が通っている |
ミディアムレア |
表面にしっかりと焼き色をつけ、内部にも火を通しているが、生に近い状態をギリギリ保っている状態 |
ミディアム |
7割ほど火が通っており、内部がピンク色の状態。肉の内部温度が65度〜70度ほどで肉汁が多く出る焼き加減 |
ミディアムウェル |
ミディアムよりもさらに火を通し、やわらかさよりも歯ごたえを感じ始める焼き加減 |
ウェル |
火がよく通っている状態。肉汁はほとんどなく、香ばしさが楽しめる |
ウェルダン |
9割ほど焼け、肉の内部にしっかりと火が通っている状態 |
ベリーウェルダン |
内部に完全に火が通り、肉汁が出ない状態 |
自宅でステーキを焼くコツ
自宅でステーキを焼く際、焼き方を一工夫することで美味しい焼き上がりとなる。下処理のコツと併せて確認していこう。
下処理のポイント
ステーキ肉は、均一に火を通すため、室温に戻しておくと良いとされている。加熱して肉が縮んだり、反ったりして焼きにくくなるのを防ぐため、筋切りをしておくのもポイントだ。また、塩を振るのは焼く直前がおすすめ。肉に塩を振って長時間放置すると、水分と一緒に旨味成分も外に出されてしまうからだ。
焼き加減のポイント
旨味を肉の内部に閉じ込めるため、焼き始めは強火で一気に焼くのが良い。30秒〜1分ほどで裏返し、裏面も同様に焼き目をつける。焼き色がついたあとは、一度フライパンから肉を取り出し、休ませる。これを好みの焼き加減になるまで繰り返そう。
ちなみに、肉の焼き加減をナイフを入れずに確かめる方法がある。まず、手でOKサインを作るように親指と他の指の腹同士を力を入れながらぴったりと合わせよう。その時の親指の付け根の固さと肉表面を触った時の固さを照らし合わせることで、焼き加減を推測できる。合わせる指と焼き加減の目安の組み合わせは以下の通り。
親指と人差し指:レア
親指と中指:ミディアムレア
親指と小指:ウェルダン
おうち焼肉で気をつけたい!焼き加減のポイント
最後に、自宅で焼肉をする際の焼き加減のポイントも紹介する。焼肉の際は、部位ごとに焼き加減を変えるのが、美味しく食べるコツだ。
タン
肉の周りが反ってきたらひっくり返すサイン。タンの脂身のなめらかさを損なわないよう、ひっくり返す際には優しく引きずるように動かすようにしよう。裏面にも焼き色がついたら食べ頃。
カルビ(バラ)
カルビやバラ肉は、脂身の多い肉。表面を焼く時は、脂を少し落とすイメージで7〜8割ほどの焼き加減までしっかりと焼く。周りが白くなってきたら裏返すタイミングだ。裏返して、肉汁が浮いてきたら食べ頃のサイン。
ロース
ロースは赤身が多く脂が少ない肉。焼きすぎると固くなってしまうため、少し肉汁が出てきたくらいで素早くひっくり返すのがおすすめ。裏面に軽く焼き色をつけたら、最後にもう一度さっと表面を焼けばおいしく食べられる。
ホルモン
ホルモンは、肉の中でも焼き加減が難しい部位とされている。皮面はカリカリに、脂身はサッと焼く程度にするのがポイント。ホルモンは皮の面と脂身の面があるが、皮の面から焼き、肉が反ってきたら押さえながら焼くと良い。
文/編集部