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知ってた?「暑気払い」の正しい意味と「納涼」との違い

2023.07.16

「暑気払い」と聞くと、暑い時期に会社で開催される飲み会をイメージする人も少なくないだろう。現代の認識としては間違っていないが、言葉の由来を辿ると、暑気払いの本来の目的が確認できる。 

そこで本記事では、暑気払いの正しい意味や由来を解説する。併せて「暑気払い」と混同されやすい「納涼」との違いも確認しておこう。 

暑気払いの意味 

「暑気払い」は、体内の熱気を払い、暑さの厳しい夏を元気に過ごそうとすることを表す言葉。ここでは、言葉の由来と暑気払いを行う時期について詳しく見ていこう。 

由来 

中国の伝統医学では、体内にこもる暑さを「暑邪(しょじゃ)」と記し、邪気の一つとしていた。体内に熱気が溜まると、体力や気力を消耗し、心身の不調に繋がるとされていたという。このような背景から、暑い時期になると、体の中の暑気を払い、元気に過ごそうとする「暑気払い」が行われるようになった。 

暑気払いとして行われることとしては、以下のようなものがある。 

・水で体を冷やすために海水浴や川遊びをする 

・体を冷やす食べ物や飲み物を摂取する 

・暑さを和らげるために打ち水をする 

暑気払いの時期 

暑気払いを行う、特定の日付は決められていない。 暦の上で目安となるのは、1年で最も太陽が高く昇り、夏の訪れを告げる「夏至」(621日頃)から、暑さがおさまるとされている「処暑」(823日頃)だ。 ただし、これはあくまでも目安。暑さを感じ始めてから、涼しいと感じられる頃までは「暑気払い」の言葉を使用して問題ない。 

「納涼」との違いは? 

「暑気払い」と混同されがちな言葉に「納涼」がある。ここでは、納涼の意味を理解して、暑気払いとの違いを確認していこう。 

暑さを払う「暑気払い」と涼しさを味わう「納涼」 

納涼は、平安時代からある夕涼みの風習から由来する言葉。暑さを忘れ、涼しさを工夫して楽しもうとすることを表す。河川敷で花火を観る、夏の夜に屋形船でお酒を飲む、風鈴の音で涼しさを味わうなどの行為が当てはまる。 体から暑さを払って元気に過ごそうとする「暑気払い」と、涼しさを楽しむ「納涼」にはニュアンスの違いがあることを覚えておこう。 

会社の夏の飲み会には「暑気払い」と「納涼会」どちらが正しい? 

夏に会社で飲み会を企画する際、「暑気払い」と「納涼会」どちらの言葉を使用するべきか迷う方もいるだろう。結論としては、「暑気払い」と「納涼会」はニュアンスが多少異なるため、飲み会の目的にあった言葉を選ぶようにすると間違いない。 

例えば、冷たいビールや食べ物で体から暑さを払って、みんなで暑さを乗り越えて頑張ろうという趣旨の飲み会は「暑気払い」、屋形船やビアガーデンなど涼しさを楽しむための飲み会は「納涼会」とするのが良い。 

暑気払いの類義語と対義語 

体内の熱気を払って、元気に過ごそうとする意味を持つ「暑気払い」。ここでは、類義語と対義語も確認していこう。 

類義語 

「暑さ凌ぎ(しのぎ)」や「涼をとる」などの言葉が暑気払いと類義語関係にあたる。 そのほか、暑さをしのぐために薬や酒を飲むことを指す「暑気下し(しょきくだし)」も暑気払いの類語といえる。 

対義語 

暑気払いの対義語として「冬」の漢字を使った言葉などは存在しない。 ただし、業界用語の一つとして「暑気寄せ」や「暑気乞い」といった「暑気払い」と反対の意味で「暑さを引き寄せる」意味を示す言葉が使われるケースがある。「暑気寄せ」や「暑気乞い」は、主に暑さ対策の家電を販売するメーカーや冷たい飲み物、食べ物を製造するメーカーで使用される言葉だ。 

暑さを和らげるための食べ物と飲み物 

暑気払いでは、体内の熱を逃すのに適した食べ物や飲み物を摂取する。最後に、夏に取り入れたい食材やさっぱりとしたメニュー、飲み物の一例を紹介する。 

食材 

キュウリやナスなどの夏野菜は、カリウムと水分を多く含むため、血中濃度を下げ、体の熱を冷ます効果が期待できる。 また、栄養価の高いものを食べて夏バテを防ぐという観点から、夏の暑い時期には古くからうなぎもよく食されてきた。 

メニュー 

そうめんや冷や麦などのさっぱりとした麺料理は、夏の定番。トッピングに豚肉や卵などを添えるとスタミナアップが期待できる。 

また、冷たい出汁に味噌で味付けをした汁料理「冷や汁」も暑気払いの時期におすすめだ。夏野菜や薬味を細かく切って入れ、温かいご飯にかけるとおいしく食べられる。 暑い夏には食欲が減退しやすいが、食べやすいメニューを日々の食事に取り入れて体調管理をしてほしい。 

飲み物 

江戸時代には、夏に甘酒を井戸水で冷やして飲む習慣があったとされている。甘酒は、必須アミノ酸やビタミンBなどさまざまな栄養素を含む。「飲む点滴」とも称されるほどで、夏バテ防止効果が期待できる。 

また、麦には体を冷やす作用があり、麦が主成分となっているビールを暑い夏に飲むのは理にかなっているといえそうだ。 

 

文/編集部

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