リンチ流 賃借対照表の読み方
賃借対照表とは企業の財務状況を表す資料です。
表の左側が現金や有価証券、不動産などの企業の資産、表の右側が会社の負債と純資産、そして左と右の数字が必ず一致することから「バランスシート」とも呼ばれますが、リンチが注目するのは表の右側にある負債の額です。
負債には1年以内に返済する必要のある「流動負債」、1年以上先に支払う「固定負債」があり、リンチは流動負債と比較して預金が多い場合、流動負債を無視しています。
次に注目は固定負債です。リンチは株主資本75%、固定負債25%であれば健全な財務と考えています。具体例として、資本金1000万円であれば固定負債額は250万円以内が安全ということになります。例えば業績が回復しているのか判断する材料として、この負債額が年々減少しているのかも重要な指標です。
また企業が自由に使えるお金に該当するネットキャッシュ「現金・預金+有価証券−有利子負債」が多いほど、資金面でも企業体力があると判断します。
このネットキャッシュの数字は「ネットキャッシュ÷発行済株式総数」で割り出すことができます。この数字が小さいほど、会社の価値に対して株価が低いとリンチは判断しているのです。
特にこの数字は判断材料として誰もが真似できる方法なので、覚えておくと良いでしょう。
おわりに
ここまでリンチ流の投資の考え方について解説してきましたが、大切なことは実際に投資をしてみて、自分がどんなタイプの投資家なのかを知ることです。
なぜなら個人の性格や趣向、得意分野は異なるので、適した投資スタイルもそれぞれに異なるからです。
ぜひリンチ流の投資術を参考にしつつ、投資対象となる銘柄を探してみてはいかがでしょうか。
文/鈴木林太郎