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夏は痛風リスクが上がるというのは本当か?

2023.07.11

梅雨明けが近づき、猛暑の影響から熱中症の危険性が指摘される時期となったが、この時期は「痛風」のリスクが平常時の1.5倍ともいわれているという。

この件に関して、先日、一般社団法人日本生活習慣病予防協会から関連リポートが届いたので、本稿ではその概要を紹介していきたい。

一般社団法人日本生活習慣病予防協会は、2020年にコロナ禍が始まって以降、生活環境の変化により生活習慣病リスクがどの程度変化したのかを探るため、さまざまな調査を行なっている。

その一つとして、高尿酸血症・痛風に関する医師対象アンケートを、2020年、2021年、そして2023年と3回にわたって実施してきた。

今回の調査では、四季の中で「夏」が最も痛風リスクが高く、尿酸値を上げる原因としては「飲酒」「脱水」を重く考えている医師が多いことなどが判明。

そのほかにも、医師の間では腎障害や虚血性心疾患との関連でも高い関心が寄せられている実態が浮かび上がった。

医師が考える痛風が多い季節は「夏」

医師に対して、患者さんが痛風発作を起こしやすい季節を質問したところ、「季節性は感じない」とする回答が最も多かったものの、春夏秋冬のいずれかを挙げた回答が過半数に上り、「夏」が42.8%と他の三つの季節を圧倒して多数を占めた(図1)。

一方、発作を起こしやすい時間帯については、「起床後から昼食前」が24.8%と4人に1人の医師が選択したものの、「とくに多いと感じる時間帯はない」が4割以上となった(図2)。

痛風のトリガー(引き金)となることが多いと感じることとして、1位「宴席の連続」を挙げた医師が57.7%と半数を上回り、2位「特定の食品の食べ過ぎ」(46.2%)、3位「その他の激しいスポーツ」(28.7%)、4位「サウナ利用」(23.4%)、5位「筋トレのしすぎ」(19.2%)と続いた。

宴席と痛風の関係は以前から指摘されていたことだが、コロナ禍で減っていた宴席が再び増えてきている昨今、改めて注意を喚起する必要性が高まっていると言えそうだ。

また心身の健康のための運動やサウナもますます盛んになった場合、やりかたを間違えると痛風発作を助長しかねないという点にも目を向ける必要があ流だろう (図3)。

高尿酸血症・痛風の悪化や合併が進みやすい要因は、「飲酒」(67.9%)、「脱水傾向」(58.0%)「食べ過ぎ」(50.4%)がトップ3となり、宴席がもたらす要素がここでも上位を占めている(図4)。

3分の1強の医師がコロナ禍発生以来、高尿酸血症患者数の増加を感じている

2019年の国民生活基礎調査(厚生労働省)では痛風患者数は125万人と報告されている。高尿酸血症の患者数は痛風患者の約10倍といわれているため、高尿酸血症は現在1000万人を超えていると推定される。 

今回の医師向け調査では、「コロナ以前と比較して、高尿酸血症や痛風での受診者数に変化はあるか?」との問いに、「増えている」が29.3%、「とても増えている」が5.9%で、合わせると35.2%の医師が増加傾向を感じているという結果となった(図5)。

この質問は、これまでに2回行った調査でも、毎回同じように質問を行なってきた。コロナ禍が発生した2020年の第1回調査では、「増えている」と「とても増えている」の合計が33.6%(参考1)、第2回目の2021年調査では48.6%(参考2)だったので、コロナが最も深刻だった時期に比べれば減少傾向とは言えるものの、第1回調査と同様な値となった。

コロナ禍によって大きく変わった日本人の生活が、いまだに高尿酸血症などの生活習慣病リスクに影響を及ぼしていることが示唆される。

高尿酸血症患者の来院が増加した要因として、自己判断で治療を中止する患者が多いことを懸念

今回の調査で、高尿酸血症患者数が「とても増えている」または「増えている」と回答した医師に、どのような患者が増えているかを聞いたところ、以下に図示するように、「尿酸降下薬などの服用を自己判断で中止し発作が再発した患者さん」を挙げた医師が45.6%と半数近くに達し、「コロナ禍以降に運動機会が減少し急激に尿酸値が上昇した患者さん」も3分の1以上(35.2%)の医師が選択した(図6)。

このあたりにも、コロナ禍で変化した生活習慣が元に復していない状況が推察できる。

 より具体的に、尿酸コントロール状態が、コロナ禍発生直後からどのように変化したかを問うと、3分の2以上の医師は「悪化はしていない」と答えましたが、残りの3分1(34.1%)は「非常に悪化している」または「悪化傾向」という回答でした(図7)。

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